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アメリカ 利上げ 各国の情勢

米国3月利上げ予想【為替への影響、今後の見通し、投資方針について等】

2017/03/16

3月14、15日に開かれるFOMC(フェデラル・オープン・マーケット・コミッティ)で政策金利を利上げするんじゃないかとの噂がひろがってますね。

上げるとすれば0.25~0.5%ほどでしょうから、いよいよ1%の大台(?)に乗せるんじゃないかとも言われています。

あす10日夜(日本時間)発表される、米国雇用統計でよほどひどい数字がでなければ、ほぼ確実に利上げとなるでしょう。

金融市場でなんらかの取引を行っている人間にとって、アメリカの経済指標というのはファンダメンタル(経済の基礎事項)をつかむ上で非常に重要でして例えばEU(もちろん日本も)も似たような指数を毎月発表して、同じような時期に同じような会議を開いているのですが、知ってる人は少ないでしょう。

ちなみに今日3月9日はEUでその会議が開かれるのですが、日経新聞でもマーケット欄の隅っこ「やるよ」程度に書いてあるだけでした。日本は15、16日なので忘れないであげてください。

それだけ、米国経済の行方を決めるともいえるFOMCは大事なイベントでして、そのなかでも金利の上げ下げはお金全体の流れを決める重要な指数です。

政策金利というのは、簡単にいうとその国の中央銀行が民間の銀行に貸す時の利子ですから、これが下がれば、民間の銀行から私たちがお金を借りる時の利子も下がる

ので借金がしやすくなり、上がればその逆になります。お金を水道の水とすれば、政策金利は蛇口のバルブになるでしょうか。

お金(水)が市場(バスタブ)に出て行く量を調整しているイメージですかね。

さて、そんな大事なアメリカの政策金利の利上げですが、今回はちょっと斜め上から検証してみることにします。

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利上げはそんなに重要なのか?

まず「利上げって本当にそんなに大問題なのか?」

政策金利のシステム的な重要性については最初に述べましたので、実際、リアルな市場ではどんな影響が出たか、を時間の針をぐぐ~っと巻戻して10年前2008年1月の日米金利差と為替レートを見てみましょうか。

アメリカの政策金利は3%、日本は0.5%で円相場は1ドル=105円~112円。

結構値幅が大きいのは、この年は年初から原油が高騰し、日経平均も大幅に下げて始まるという暗雲漂うスタートになったからです。

そして秋には有名なリーマン・ショック。

約65兆円という大国の国家予算レベルの負債を抱えての倒産だけに、ただ、でかい会社が倒産したという以上のインパクトを経済に与えました。

そういうことが重なり、年末にはアメリカの政策金利は0.25%になり、日本も0.1%に下げ、1ドル=87~95円に。

ちなみに高金利通貨として(最近は違いますが)人気のあったオーストラリアドルも2008年1月に6.75%だった金利を12月には4.25%にまで下げています。

このあとアメリカは2015年12月に0.25%から0.50%へ上げ、一年後の2016年12月に0.75%へ上げるのですが、それぞれの月の円相場は2015年120円~123円後半ぐらいで2016年は112円~118円後半。一回目より二回目のほうがインパクトは弱くなってるみたいです。

さて以上の大雑把なデータですが「データは少なく、深く見るが吉」という格言に従って(誰がいったかは不明)私が読み取ることは3点。

アメリカの政策金利が3%で、日本が0.5%だった時

まず「アメリカの政策金利が3%で、日本が0.5%だった時の円相場は105円~112円ぐらい」ということです。

現在とあんまり変わりませんよね。

たしかこのころのFXでは「円キャリートレード」といって、この2.5%の金利差を利用して、円売りドル買いの玉を建てまくり、スワップで儲けるという、今はランドやリラなんかで中心の取引手法が流行っていました。

ま、年末にはみんな止めてしまいましたが。

2009年~2015年の政策金利が変わらなかった時期

次に「2009年~2015年の政策金利が変わらなかった時期でも為替は結構動いてた」という点です。

政策金利以外に円相場に影響を及ぼすイベントはいくらでもあるということなんですね。

ざっと思い出せるだけでも、2009年の政権交代に2011年は東日本大震災、2012年には自民党が政権を奪還しアベノミクススタート。

2013年には日銀の異次元緩和策が実行され、その後もキプロスやギリシアが債務危機になったり、ロシアがウクライナに侵攻。北朝鮮はミサイル撃ちまくるし、中国はなんか景気がよくなさそうだし、去年はなんかアブなそうなトランプとかいうオジさんがアメリカの大統領になっちゃったり・・・と。為替を大きく動かしうる要因はいつもどこかで起こっているのです。

2015年に利上げした時

最後に「2015年に利上げした時に123円台だった円相場が、2016年には112~118円に円高に振れている」のです。

利上げするという事は、ドルに資金がシフトするので円安になるんじゃなかったのか、と。

実はこの10年間で為替相場に参加しているメンバーとその方法が大幅に変わっているのです。

10年前はまだFX夜明け前といった感じでしたので、金融・証券会社のトレーダーが主に実需(実際に経済活動に使われる資金の為替交換)面での取引を行っていたのですが今は一般のトレーダー(ミセス・ワタナベといった言葉をどこかで聞いたことがあるかもしれません)の動かす資金もバカにならず、また80~90%は実需ではなく、投機目的の売買であると言われています。

ですから、必ず買ったものは売られ、売られたものは買い戻されるので、利上げで一時的に円安、たとえば118円ぐらいにになったとしても、今の流れ(やや円高方向)なら112円あたりまで円高に戻る可能性が高い。と思われます。

まとめ

以上の点から「今回、アメリカが利上げしようがすまいが、為替市場においてトレンド(円高・円安の方向性)を形成するほどの影響はない」というのが今の私の推論です。

今はこの方向でポジションを持ってますが、違ったらすぐ見通しもポジションも変えます。そのくらい無節操でないと、いまのFX相場では生きていけませんから。

追記:予想通り利上げとなりましたね。
FOMC3月利上げ決定!利上げ時の投資戦略と今後のドル円為替の見通し