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豪ドル

オーストラリアドルのFX投資戦略と見通し【EUR/AUDとの組み合わせでリスクヘッジ】

2017/03/11

かつての高金利通貨オーストラリアドルですが、昨年の8月に政策金利を1.5%に下げ、もはや高金利とは呼べなくなってしまいました。

利下げの背景には、オーストラリア景気がイマイチなのが影響しておりまして、元々オーストラリアという国は世界屈指の資源国で、特に鉄鉱石やボーキサイト(アルミの原材料)は世界シェアの20~30%。石炭・金・レアアースなどでも10%程度のシェアがあり、これらをガンガン輸出してお金を稼いでいたのですが、その最大の貿易相手国である中国の景気が減速するのと歩調を併せてスローダウンしていったんですね。

加えて、中国の経済状況というのは、どうも不透明な点が多く、先の見通しが立てにくい面があります。それが最大の商売相手なんですから、オーストラリアのビジネスマンも苦労が絶えないことでしょう。

しかし、オーストラリアドルはそういう不安定さを抱えているがゆえに、結構値動きが大きいですし、一度トレンドが発生するとしばらく続く傾向もあり、うまく機会を捉えられれば、継続的に利益をあげられる可能性も充分あります。

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オーストラリアドルの推移

表①


上図は2014年初頭から3/8日までのオーストラリアドル/円の価格(高値)の推移を表したものです。

表下の数字(取引日数)で見ると、2~210までは上げ(円安)トレンドで226で最高値を更新して下げ(円高)トレンドに転換。322まで下げ続け、その後370までは一時的に上げ戻しています。

以降は小さな上げ戻しはあるものの、一貫して下げトレンド。

風向きが変わったのは658。完全に上げトレンドにスイッチしています。この間に、国際情勢や経済環境の点で色々とあったのですが、それとは別にある数値がこの変化を予測していたのです。

表②


上図の青線はユーロ/オーストラリアドルの高値の推移(20104年1月1日の数値を1として、その騰落率を示したもの)を表したもので、赤線のオーストラリアドル/円のラインとはほぼ正反対に動いているのがわかります。

そして、赤線と青線がクロスしたあとは反対方向に離れていっている事も見て取れます。

この赤線と青線の関係を「逆相関」というのですが、FXの通貨ペアの中には、なぜか正反対の動きをする通貨ペアがいくつか存在しているのです。

もちろん「正相関」といって、ほとんど似たような動きをする通貨もありますので、それらを見つけておくことにより、今後の見通しを立てやすくなるんですね。

興味のある方は「FX 相関」で検索してみてください。

EUR/AUDを使ってリスクヘッジをする方法

また、逆の動きをするということはそれぞれを同量持っておけば、もし予想と逆に動いた場合も±0に持っていける、リスクヘッジの役割もしてくれます。

これはすごく大事なことで、FXに限らず、金融取引は「どのくらい儲けるか」より「いかに損をしない(減らす)か」にコミットしていくことが非常に重要なのです。

ところで相場によく似ているのが、大航海時代の航海でしょうか。

出航したはいいものの、その先に人が住んでる場所があるかどうかなんて、誰も知らないワケでして、またあるとわかっていたとしても自分たちの船がその場所に向かってるかどうかも疑わしいなか、古地図や羅針盤、星の位置などから「この方向に進んでれば間違いない(だろう)」と進んでいくしかなかったのです。

相場も儲けが出るかどうか全く保証の無いなか、チャートや経済情報、テクニカル指標などをチェックしながら「このパターンでこのポジションなら儲かる(だろう)」と売買をするしかないのですから。

ここに10隻の船をもつ船団があったとして、未知なルートの先に膨大な宝があるという情報をゲットしたとしましょう。それは船10隻でも積みきれない量で、早く回収しないと他の船団にそのルートがバレたら、儲けが減ってしまう、と。

ここで最大の儲けを狙って、全船あげて未知のルートに旅立ってしまう船長は船長失格です。

なんせ未知のルートですからね。最悪全滅の危険もあるワケです。

多分3隻ぐらいにそのルートの探索をやらせて、あとはいままでどおりのルートで貿易に励むのではないでしょうか。そうすれば、なかんずく宝探しに行った船が全滅したとしても、その損失はそれだけで済みますし、もし宝が見つかれば、単純な儲けになるのですから万々歳です。

今回の相場も表①だけを見てAUD/JPYが円安トレンドだからといってロングするだけでなく、表②も併せて見て、EUR/AUDをショートしておくことにより、予想が外れてAUD/JPYが円高トレンドになってしまった場合でも、EUR/AUDのショートで損失を減らす事が出来るのです。

もちろん、AUD/JPYが強い円安トレンドに入ったなら保険のEUR/AUDは決済して、儲けを拡大させることはOKです。前出の船長も儲かるとわかったら、半分以上はそっちのルートに回すでしょうしね。

ちなみにAUD/JPYをロング(買い)していれば、スワップポイント(30円/日ぐらい)がもらえることはご存じかと思いますが、その逆、EUR/AUDをショート(売り)しても60円/日ぐらいのスワップポイントがもらえます。

併せて90円ですので、スワップ狙いとしても一考の余地はあるかもしれませんね。

関連サイト:豪ドルFXで資産運用