2017年の終わりごろから、仮想通貨が非常に盛り上がっています。
仮想通貨に投資したことにより、数億円の利益を稼いだ人も多くいるようです。もしかすると、あなたの周りにも、1億円とはいかないまでも、数百万円程度の利益を稼いだ人であれば、多くいるのではないでしょうか。
確かに、ビットコインやリップルなど、仮想通貨の中には、1年で価値が100倍以上になったものも多くあります。しかしながら、今、仮想通貨投資に参入したところで、おなじようなパフォーマンスが出せるとは限りません。
今回は、仮想通貨投資がなぜここまでもりあがったのか、今後も仮想通貨が盛り上がるのかについて、解説したいと思います。
仮想通貨がなぜ、ここまで暴騰しているのか
仮想通貨の位置づけを考える前に、なぜ、仮想通貨がここまで急激に価値があがったのか、その背景について解説していきましょう。
仮想通貨自体は、2007年ごろから考え方としてはありました。
ブロックチェーンの技術を用いて、Webにおける決済手段として出てきたのが仮想通貨の始まりです。
仮想通貨は、その絶対量が決まっていると言われています。これがいわゆるマイニングにおける「埋蔵量」と言われているものです。
たとえばビットコインの場合、現時点では2100万ビットコインしか発行されない、と言われています。
これは、ビットコインの価値が急激に下がる、いわゆる一般貨幣におけるハイパーインフレを割けるために、埋蔵量そのものを制限したことが原因です。
そこに目をつけ、その価値に注目した人がいます。
「もし、埋蔵量が変わらなければ、先に持っていた方がお得だ」と考えるわけです。
なぜなら、現実世界では、常に通貨が発行されています。ある意味では、通貨の価値は、常に目減りする宿命にあると言えるでしょう。
そのため、価値が減らないビットコインに対し、今のうちに投資をすれば、将来的に、ビットコインの価値が相対的にあがっていく、と考えているわけです。これが今、ビットコインに多くの資金が流入している一因になっています。
世界で見ると、お金が余っている
仮想通貨が暴騰しているのは、仮想通貨の価格が将来的にあがる、という人が多くいる、ということに他なりません。
実は、世界ベースで見ると、お金は過去に例を見ないくらい余っています。
リーマンショック以降、各国の中央銀行は、金融緩和といって、お金の発行量を増やしてきました。
これにより、停滞している景気を活性化し、経済を正常化しようとしてきました。今、アメリカで利上げが始まっているものの、世界ベースでは、まだしばらく金融緩和は続いていくでしょう。
しかし、世界ではインフレはそこまで強くおこっていません。
なぜなら、増えたお金が労働者に分配されていないからです。
日本においても、お金の発行量は増えているものの、労働者の賃金や物価は上がっていません。
ではこの余ったお金がどこに行っているのかというと、投資市場です。
日本株、米国株ともに上昇しているのは、ニュースでご存じの方も多いと思うのですが、原油や金などの商品価格や、不動産価格もあがりつつあります。投資マネーとして、余ったお金が流れ込んでいるのです。
現在、仮想通貨も、余ったマネーが流れ込んでいるため、暴騰しているというのが、現状を正しく理解するのによいでしょう。
中には、「ビットコインなど仮想通貨は、将来通貨に変わる決済手段になる。そのため、今後ますますビットコインの重要性は高まっていく」という理由で、ビットコインの価値があがることを説明しようとしている人もいます。
しかし、それは説明としては間違っています。
なぜなら、通貨そのものに価値はないからです。
過去の歴史を見ても、通貨が貝殻からコインに変わっても、コインからお札に変わっても、クレジットカード決済などが始まっても、特に通貨の価値が大きくあがった、という例は聞いたことがありません。
冷静に投資している人ほど、仮想通貨に関しては、投機的な要素で投資している人が多いのだと思います。
今後も仮想通貨バブルは続くのか
今後も、この仮想通貨バブルは続くのでしょうか。
答えとしては、「しばらくは続く、しかしそれは仮想通貨が優れているからではない」ということになるでしょう。
今は世界的に金余り、積極的投資のスタンスをとる人が増えています。そのため、仮想通貨市場にもお金が流れ込んでくるでしょう。
しかし、仮想通貨市場はあまりに未整備です。加えて、景気が後退するときというのは、必ず訪れます。その際に、仮想通貨市場からは、まっさきに資金の引き上げが予想されます。なぜなら、通貨は通貨以上の価値を持たないからです。
なので、仮想通貨が今後も盛り上がるかどうかは、実際の景気の影響を大きく受ける、といってよいでしょう。もし、仮想通貨投資を始める場合は、ぜひ外の経済の世界にも目を向けてください。
仮想通貨市場が盛り上がっている、本当の理由とは? まとめ
仮想通貨は、10年ほど前から構想としてはあったものの、ここ2、3年で大きく盛り上がり、特に昨年後半からの暴騰ぶりは、バブルとも呼ばれています。
仮想通貨に資金が流入した要因として、仮想通貨には枚数制限があるため、先に持っておくと、価値があがるだろうと考えた人が資金を投入したことが挙げられます。
しかし、今は、世界的に金余りが起きており、それが投資マネーとして各所に流入している、仮想通貨市場は特にその影響を大きく受けている、という考え方が良いのではないでしょうか。
そのため、仮想通貨が今後も盛り上がるかどうかは、世界経済による部分も大きくあると言えるでしょう。世界経済が過熱しているうちは、仮想通貨も盛り上がっているでしょうが、マネーの引き上げが行われた時は、まっさきに仮想通貨市場が冷え込む可能性も否定できません。仮想通貨投資を始める場合は、ぜひ世界の経済にも気を配るとよいでしょう。
次はこちら仮想通貨の最適なポートフォリオを考えてみました。
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