確定拠出年金の運用形態について【確定拠出年金のメリット】

いわゆるアベノミクスによる財政政策の影響により、景気回復の兆しは多少は見られたものの依然として日本経済は厳しい状況下に置かれており、公的年金制度等社会保険(参考:公的年金保険制度について)への不信からか自己の責任において自ら将来の資産を運用するという自助努力の風潮が高まっています。

前述の通り公的年金制度においては財源の枯渇とその持続可能性について国民の関心もとい不信感が高く、公的年金の補完を目的とした私的年金への関心も高まっています。その私的年金でも特に自己責任における自助努力という言葉にマッチした年金の一つである「確定拠出年金」について述べたいと思います。

確定拠出年金とは

確定拠出年金とは現役世代に掛け金を確定して納め、その資金を運用しそれが老後の年金の受給額となる年金で、年金資産を加入者が自己責任において運用の指図を行うといったものです。

この確定拠出年金については個人が掛け金を拠出する個人型と企業が拠出する企業型がありますが、年金資産についてはいずれも加入者が運用の指図を行います。

いずれにしても、この加入者自らの責任において年金資産の運用を指図を行うという点が他のたとえば退職金や個人年金と大きく異なる点と言えるでしょう。では投資というものに携わってこなかった方などが、運用とはいっても一朝一夕にいくものなのかという不安はあるかと思います。では、どういった運用体系になるのでしょうか。

確定拠出年金の運用体系について

確定拠出年金の運用商品については年金の引き受け金融機関によりますが、多種多様な運用商品を揃えているところが多く、また日ごろ聞きなれない専門的な投資商品もあるためいったいどれを選べばよいのか目移りしてしまいますが、まずはリスクを取って収益を重視するのか、それともリスクを取らず安定を重視するのかで商品選びをスムーズに行うことが出来ます。

基本的には加入者は運用の指図をするだけであって、運用主体は運用管理機関が行うことになるので、運用をプロに任せるという意味ではほぼ投資信託商品と言えるでしょう。リスクを取り収益を重視する場合この投資信託型の運用商品を選択することになり、またその中でも国内株式・国内債券・外国株式・外国債券・不動産投信などの中から選択することとなります。株式はリスクもリターンも高く、債権は比較的ローリスクであると言えるでしょう。

投資信託型の運用商品と元本保証型商品の違い

しかしながらこの投資信託型の運用商品は元本が保証されておらず、払い込んだ掛け金よりも年金受取総額が少なくなってしまう可能性もあります。それに対し元本保証型の商品としては普通預金のような一定の利率に基づいて利息による資産増加の見込める商品があり、ローリスクではありますがもちろんローリターンでもあります。

ただし加入者は3か月に一度運用商品の割合変更や預け替えが可能なため、運用商品は一度選択してしまったら変えることも出来ますし、また複数の運用商品からポートフォリオを組むことが可能なので、金融機関や運用管理機関と相談し決めるのが良いでしょう。

確定拠出年金のメリット まとめ

以上のように、運用については安定的に増やすことも出来れば投機的に大きく増やすことも可能であり、確定拠出年金の大きなメリットの一つがこの加入者自らが運用につき意思決定を出来るという制度です。

また確定拠出年金のメリットということでいえば、税制上においても優遇があり、実は掛け金拠出時・運用時・年金受取時のいずれの期間においても税制上の優遇が受けられます。拠出時においては支払った掛け金は所得控除の対象となり、運用時においては原則利息や配当等収益が非課税扱いとなり、年金受取時は公的年金控除が受けられます。

以上のようにこの自助努力が叫ばれる昨今においては確定拠出年金はその最たる金融商品であり、今後はこういった加入者自らの責任において資産を運用するという商品が主流になっていくのではと思います。

           

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