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イギリス 各国の情勢

イギリス議会の今後の流れについて【EU離脱の可能性、経済・為替への影響について】

2016/06/13

前回の記事「UK(イギリス)のEU離脱の可否を問う住民投票の為替への影響」に引き続き、イギリス議会の流れについてです。

イギリスの議会選挙でポンドが乱高下をしています。今後のスケジュールについて簡単にまとめておくことにしたいと思います。

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2015年5月8日木曜日現地時間午後10時(日本時間朝6時)

投票が締め切られ、直後の出口調査では保守党が316議席、労働党が239議席を獲得と報じられてポンドは急伸、保守党と連立パートナーである自由民主党は10議席の見込みであるため、過半数326議席に達するとの報道がでています。

2015年5月9日金曜日現地時間お昼ごろ

当初ハングパーラメントと言われていましたが、報道のとおり保守党が過半数である323を確保できればキャメロン氏が首相となります。また労働党が過半数を獲得すればミリバンド氏が首相となります。

問題はハングパーラメント状態の場合

来週に向けて調整が続くこととなり、基本的にはキャメロン氏が首相として続投していくことが予想されますが、調整がつかなければここでも保守党のミリバンド氏が首相になる可能性が残されています。ちなみにこのハングパーラメントとは宙ぶらりんの議会の意味で、どちらも過半数を獲得していない状況から組み合わせでどうなるかが決まる状況となるわけです。

2015年5月27日にエリザベス女王のスピーチ予定

その後27日にはエリザベス女王のスピーチが予定されていますので、ここまでには完全決着となることが予想されています。

依然くすぶるBREXIT

ギリシャのEU離脱はGREXITと呼ばれていますが、同様に使われ始めているのが、BREXITという言葉です。つまり英国のEU離脱です。現状では保守党が有利な状況ですから、キャメロン首相の公約どおり2017年までにEU離脱の是非を問う国民投票が実施されることは間違いない状況といえます。

キャメロン氏自身はEUへの残留を強く訴えていますが、EU残留は経済的にマイナスとの見方をする国民も多いのが実情で、とくにEU条約によって人の移動が自由となっていることから、英国への移民とそれに伴う社会保障給付の増加を嫌う国民が多くなっているのです。どこでも島口はよそ者を嫌う傾向があるようですが、こうしたことからEU離脱を強くもとめる国民が多いのは紛れもない事実で、この動きが加速するとポンドの行方をかなり左右することになるのは間違いない状況です。

EU離脱でもっとも影響がでるのは金融市場

現在ロンドン・シティはニューヨークと並ぶグローバル金融市場の拠点となっているのは、ご存知のとおりですが、多くの金融機関は既にUK離脱時にシティから撤退するプランをもっており、UKから多くの資金が逃げていく可能性が高まることは言うまでもありません。実は金融市場では既にこれに対するコンティンジェンシープランが進んでいると言われ、本当にシティが単なるローカル金融市場へと後退すればポンドの価値はかなり下がることを想定しておく必要がありそうです。

英国は実利主義で伝統的に欧州大陸がまとまることを嫌う国民により構成

バークレイズがEU圏の意識調査を行っていますが、同じEU圏に比べるとEUに対する意識がかなり異なることがわかります。
UK1

まず、40代未満はEU残留を支持する意見が多くなっていますが、高齢者は圧倒的にEU離脱を求める声が多いのです。今回優勢な保守党でああってもその傾向は強く、どの政党が勝っても国民投票をするとEU離脱支持者が増えるリスクは依然として残っていることがわかります。

UK2

英国民が欧州の重要性を認めるのは経済であり、文化は英連邦、安全保障は米国を重視していることがわかります。したがってEU離脱に関する意見は欧州の経済的な重要性への個別の認識によってかなり異なることが伺われます。ユーロ危機とその解決策としての統合強化の動きは英国には遠心力として働いていることは確かで、かなりこれを嫌気する国民が増えていることだけは間違いないようです。

基本的な損得勘定から言えば英国がEUから離脱して強い力を発揮てきないのは間違いなく、とくに為替市場ではその座を大きく損なうことになるのはどうやら間違い状況といえます。したがってこの離脱話がクローズアップされるたびに、今後ポンドが売られることになることには十分な注意が必要です。

UK3

参考:イギリスのEU離脱の可能性、ポンド為替への影響、見通しについて(2016年3月更新)

追記:英国国民投票の最新情報はセントラル短資FXで

英国EU離脱問題では為替への影響も大きくなることが見込まれ各FX会社では英国EU離脱情報の提供サービスが開始されています。

数あるFX会社の中でセントラル短資FXが英国現地レポートをロンドン在住アナリスト松崎氏によりリアルタイムで提供してくれますので、より最新の英国情報を入手したい方は口座を開設しておくのをおすすめします。

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