くしゃみや鼻水を出すうさぎの病気~パスツレラ菌が原因のスナッフルとは~

一般的にスナッフルとも呼ばれるうさぎの風邪は、パスツレラ菌が原因である可能性がとても高く、放置していると死んでしまう難病でもあります。

このページでは、どんな原因でスナッフルになるのか、パスツレラ菌の予防方法について詳しく書いていますので参考にしてください。

うさぎの飼育日記⑦で、我が家のはーくんが涙、くしゃみを出すので病院に連れて行った時のことをご紹介しました。

診断された『うさぎの風邪(スナッフル)』とはどんなものなのか?今回は、このうさぎが発症する風邪のような病気について調べてみました。

うさぎのくしゃみの原因とは?~くしゃみの理由で病気かどうか見分けよう~

うさぎのくしゃみには、大きくわけて2種類あります。

  • 鼻に異物が入った場合
  • 病気のサイン

一つ目は、牧草やホコリなど異物が呼吸の際に入り込んでしまった時の反射反応です。たとえば、牧草やペレットを食べている時や飼い主さんが部屋を掃除した直後に遊ばせてあげた時のくしゃみ。

これは空気中に舞っている牧草などの粉やホコリを吸い込んでしまったために起こる一時的なものなので、しばらくすると治まります。とくに病院へ連れて行く必要はありません。

問題なのは、二つ目の『病気のサイン』となるくしゃみです。ふとした拍子にくしゃみをしている、毎日連発している、という場合は、動物病院へ連れて行ってあげましょう。何らかの病気が見つかる可能性が高いです。

我が家のはーくんがくしゃみを連発しているのを見た時、思い浮かべたのは『鼻涙管狭窄(びるいかんきょうさく)』という病気です。というのも、くしゃみの他に涙を流していたからです。

鼻涙管とは目の涙点(涙が洗い流した汚れと一緒に排出されるための穴)から鼻へ通った管のことで、ここが詰まってしまったり流れが悪くなると発症する病気です。

鼻涙管から排出されるはずだった涙や汚れが流れず、目の端から溢れてしまっている状態です。その様子があたかも涙を流して泣いているように見えるので、「うさぎも泣くんだな」と勘違いして放置する飼い主さんは多いのだとか。

うさぎの鼻涙管が詰まる原因は、汚れなどが上手に排出されず中で詰まってしまった場合と、何かに圧迫されて流れにくくなっている場合が考えられます。圧迫するものの正体は、歯の生え方、伸び方の異常が多いです。

うさぎの歯は一生伸び続ける特徴を持っています。硬いペレットやかじり木をかじったり、牧草をすり潰しながら噛んでいるうちに丁度良い長さを維持するようにできています。

これがやわらかいエサばかり与えられたり、もともと病気などで生え方が悪いと、適切な状態に伸びてくれません。結果、噛みあわせが悪くなったり、体内の方向へ伸びて鼻涙管などを圧迫してしまうのです。

ただ、我が家のはーくんはちょっと自慢しても良いくらい歯並びが綺麗!しかもうらやましいくらいの真っ白な歯をしています。そのため、歯並びではなく鼻涙管が汚れや異物で詰まっているのかな?と考えていました。

が、実際に診断された時は、鼻涙管狭窄ではなく、「うさぎの風邪、スナッフルだね」と言われたのです。

そう、うさぎがくしゃみをする病気は涙が特徴的な鼻涙管狭窄だけではなく、スナッフルといううさぎの風邪のような病気も当てはまるのでした。

調べたところ、スナッフルを起こしている鼻の炎症が原因で鼻涙管が狭まることがあるそうです。つまり鼻涙管狭窄の症状自体がスナッフルによるものだった可能性が高いのです。

スナッフルとは?~くしゃみから始まるうさぎの風邪~

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スナッフルは、厳密には病名ではありません。細菌感染などあらゆる理由で出るくしゃみや鼻水の症状のことをスナッフルと呼びます。

そのためうさぎの風邪とも言われますが、人間の風邪以上にやっかいなものです。人間でも風邪で死亡することは稀にありますが、うさぎの場合、原因によってはその危険度がさらに高くなります。

何故なら、スナッフルを引き起こす原因の一つが、パスツレラ菌という『一度感染すると体内から完全に追い出すのは難しい』菌だからです。

<パスツレラ菌が怖い理由>

パスツレラ菌は、人間が感染しやすい結核菌とよく似ています。感染しやすく、発症時期がまちまちで、菌の体内撲滅が難しいという点がそっくりです。長期治療が必須となる点も似ています。

  • すぐに発症しないこともある
  • 些細なことで発症する
  • 症状には波がある
  • 体内に留まりやすい
  • 再発しやすい
  • 人に感染することもある

パスツレラ菌には、このような特徴があります。感染することで病気が発症するのですが、すぐに発症しないキャリア状態となることも少なくありません。

その一方で、ちょっとしたことをきっかけに発症します。寒暖差の激しい環境、ストレス、栄養不足、体力低下などです。他の病気にかかったことが引き金になって発症することも。

治療方法は抗生物質をエサに混ぜて与えたり、目薬を点眼します。治療を開始して数日経つと症状が和らぎますが、ここで騙されやすいので注意が必要です。パスツレラ菌の症状には波があり、治まったように見えるのは一時的なものなのです。

なんとなく症状が治まったかな?と治療を止めてしまうと、また症状がぶり返してきます。最低でも(くしゃみだけの初期症状の場合で)2週間前後は治療が必要となります。

発症まで時間がかかることがある、という特徴から分かるように、パスツレラ菌はうさぎの体内に留まりやすいです。体力もあってケージやトイレもきちんと掃除しているし、温度管理もバッチリ!という環境のうさぎちゃんでも発症する理由は、ここにあります。

獣医さん曰く、パスツレラ菌は感染しやすく、ペットショップやブリーダーのところで既に他のうさぎから感染させられていることも多いとのこと。ほとんどのうさぎがパスツレラ菌を既に持ったキャリア状態である可能性が高いそうです。

菌自体も体内から完全に失くすのは難しく、一時的に症状が治ってもまたちょっとした環境の変化などをきっかけに再発してしまいます。

パスツレラ菌によるスナッフルは完治させるのではなく、極力スナッフル症状が出ないようにしていく対処法となります。

ちなみに、パスツレラ菌は犬や猫の口内に常在しており、人にも感染できる菌です。ペットに口移しでエサやおやつをあげたり、食器を共用していると経口感染することがあります。

元気な人間の場合は滅多に症状は出ませんが、お年寄りなど体力が低下している人は呼吸器や鼻腔内に炎症を起こす可能性があるため注意が必要です。

うさぎと一緒に犬や猫を飼っている人は、うさぎへの感染と人間への感染の両方に注意してください。

パスツレラ菌の感染を防ぐ方法 ~ペット用除菌スプレーで清潔な状況を保つことがおすすめ~

パスツレラ菌の感染を防ぐには何より清潔な状態を保つこと。

清潔な状態であればうさぎもストレスを感じたり体力低下になったりすることも少なく、感染リスクを低くできます。

清潔な状態を保つには、こまめな掃除の他、除菌アイテムで菌が定着しにくい環境を作ります。

パスツレラ菌を防ぐために、除菌方法で手軽なのはサッと使えるペットにもやさしい除菌スプレーがおすすめです。

うさぎ同士の感染は、既に感染のうたがいがある子と直接接触しないようにするのが効果的です。ケージは別室に隔離して、どちらもこまめに除菌スプレーで除菌してあげましょう。

除菌スプレーはうさぎの体が触れる場所へ。ケージ内なら床、周囲の柵、トイレ全体、水ボトルの飲み口に吹きかけましょう。

部屋で遊ばせた後の除菌は、主に床やうさぎが口をつけそうなところにスプレーします。たとえば布が好きな子はカーペットの他にカーテンやレース、ソファやクッションに。かじり癖の強い子なら、かじっていそうなテーブルやイスの脚、柱などです。

口腔からの感染が一番可能性が高いため、このような場所を重点的にスプレーします。それ以外のところもスプレーしておくとさらに安心できます。

ちなみに、パスツレラ菌は紫外線にも弱いです。部屋の布類やうさぎ用ケージなどは、スプレーの他に定期的に日干しするのがおすすめです。

スプレーはうさぎ用の除菌スプレーが一番安全だと思われがちですが、最近では動物にも人間にも使えるという天然由来の商品も多いです。家中使えるので、こういったアイテムの方が使いやすくておすすめです。価格も1,520円と比較的リーズナブルです。

カンファペット
⇒ペットにも安全で優しい除菌スプレー「カンファペット」詳細はこちら

➢こまめに除菌スプレー

こちらの除菌スプレー『カンファペット』は高い消臭効果と除菌効果がありながら、ペットが舐めても安全な成分でできており、ケージやうさぎ用トイレにも使用できます。ケージの他、遊ばせた後の部屋の隅々まで綺麗にしておきましょう。人間への感染予防にもなります。

犬は7割の確率で、猫は100%このパスツレラ菌を保菌しています。うさぎと犬猫の接触は避けてください。猫がうさぎを舐めただけでも感染しますし、ひっかいたら皮膚の傷を介して感染します。

※カンファペットは除菌の他に消臭効果もあります。詳しくはこちらの記事を参考にしてみてください。↓↓
うさぎのにおい対策と除菌におすすめの消臭スプレー~おしっこやケージのにおいに~』へ)

※カンファペットを実際に使ってみたレビュー記事もご参考に
夏のうさぎ用ケージのお掃除にカンファペットがおすすめ!実際に使ってみた感想

➢食器も共用しないこと

食器も共用しないこと。人間と犬・猫・うさぎの組み合わせはもちろん、うさぎと犬、犬と猫、猫とうさぎの組み合わせによる食器の共有も危険です。使用した食器もこまめに洗い、除菌スプレーをかけておきます。

➢人間も手洗いを忘れずに

ペットと触れ合った後は、人間も手洗いうがいを忘れずに。過度な接触(口と口でキスなど)をしないかぎり、普通に撫でたり抱き上げる程度なら手洗いうがいで十分予防できます。

パスツレラ菌は、うさぎに感染すると完治は難しいので、こまかい点に注意しながら感染予防してくださいね!

うさぎのスナッフルに関するまとめ~我が家の高齢うさぎの場合~

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スナッフルの原因はさまざま。我が家の場合、これといって劇的な変化はここ数日なかったので、考えられるのは高齢による栄養不足か、昼と夜の寒暖差のどちらか。

高齢うさぎ用のペレットは肥満防止のものが多いため、うさぎによっては栄養が足りない状態になることもあるそうです。子うさぎ用のペレットを混ぜたり、生野菜などで栄養を補ってあげる必要があります。

我が家では生野菜の他、よくおやつ代わりにペットミルクやヨーグルトをあげていたのですが、カルシウム過多も危ないと知ってからは少しセーブしていました。もしかしたら、これがはーくんにとって栄養不足の原因や不満になっていたのかも?

抗生物質などはうさぎの必要な腸内細菌にまで影響があるので、ここ数日は目薬をさしつつヨーグルトを時々あげるように意識しています。これで症状が治まってくれれば良いのですが。

うさぎを飼っている飼い主さんも、スナッフルの症状が出始めたら、最近うさぎちゃんの身の周りで変化したことはないか考えてみてください。

ちょっとしたことがスナッフル発症の原因ですが、その『ちょっとしたこと』の見当がついていると、再発のリスクも下げられます。

たとえば、「ケージがだいぶ汚れたなあ。最近、ケージを洗ったっけ?」と思ったら、ケージを丸洗いしてみては?

アパート暮らしでなかなか洗えるような環境じゃないというご家庭なら、『カンファペット』などの除菌スプレーを掃除の際に仕上げとして使うのも、手軽でおすすめです。

カンファペットを丈夫なキッチンペーパーに吹きかければ、即席の除菌ウェットシートにもなってケージの汚れをもっと綺麗にしてあげられますよ。

⇒「カンファペット」でパスツレラ菌の感染予防

4 Comments

ちゃこ

初めまして。その後、うさちゃんは、とうですか?私の10歳半の女の子も9月初めからくしゃみをし始め、4日後から薬を飲んでいますが、改善なし。点鼻薬かあるとは聞きましたが、目薬もあるのですね。ヨダレも出て、別の病院も検討しています

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usagi-pan usagi-pan

ちゃこ さま

ご心配有難うございます。別のことが原因なのですが、我が家の愛うさぎはーくんは、亡くなってしまいました。
我が家の場合は目薬を処方されましたが、「鼻から入れても良い」と言われていました。
なので、ちゃこさま宅のうさちゃんが処方された点鼻薬と同じような成分かもしれませんね。

個人的に気になったのはヨダレです。別の病気が原因ということも考えられるので(あくまで可能性です)
はっきりと検査を受けて病名が判明しているわけではないのなら、うさぎに強い別の病院も受診させてみてください。
症状が一日でも早く緩和できると良いですね。

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ふうちゃんママ

はーくんは、亡くなってしまったんですね。うちのふうも亡くなってしまいました。最近、痩せて元気がなくなり木曜日に、病院に連れて行って、肝臓の機能が低下しているということで、抗生物質を含むお薬をもらって飲ませていたのですが、金曜日の夜遅く、くしゃみして鼻水が吹き出して口の周りにいっぱい。息するのも大変で苦しそうでした。日曜日は、ご飯もお水もとれなくなり、火曜日の午前中、私が病院行っている日に逝ってしまいました。お骨を拾い上げたら、黒い固まりがあり、腫瘍があったのかもしれないですね。と言われました。苦しい時、何もしてあげられなかった自分が悲しいです。7歳でした。

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usagi-pan usagi-pan

ふうちゃんママ さま

ふうちゃんのこと、とても残念でしたね。きっとご自分を責めておられるでしょう。
アニマルコミュニケーション(ペットと会話しようという試み)の講座を受けた方が言ってましたが、
ペット達は病気でなくなっても飼い主を恨むことはなく、「楽しかったよ」という気持ちでいっぱいだそうです。

人間の思い込みと言ったらそれまでですが、うさぎ達がそんな穏やかな気持ちでいてくれるなら嬉しいですよね。
今は無理でも、ふうちゃんママ さまも、ふうちゃんのお骨の前で一緒にいて楽しかったことを思い出せるようになれたら良いですね。

うちの子(長男のはーくん)もくしゃみの原因が分からずじまいでしたが、
別の病院に見せていたら治してあげられていたのかなあ?と思うことがあります。

ふうちゃんママ さまのお話のおかげで、やっぱり軽いくしゃみでも軽視したら駄目なんだ!と改めて思いました。
もっと飼い主がしてあげられることはないか、勉強して見つけた情報があったら紹介していきますね。

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