転職エージェントで紹介を断れる理由と対策について
無料でいつでも誰でも申し込める転職エージェントサービス。でも、場合によっては断られてしまうことも。
今回は、どういうときに断られてしまうのか、また、もし断られてしまったときに行うべき対策とは何か?を伝授しましょう。
断られる理由はほぼひとつに絞られる
登録時に転職エージェントから断られるときは、大体決まって次の主旨のメッセージがメール等で送られてきます。
「現在ご紹介できる案件がございません」
このメッセージを受け取る人は、次のようなケースの方達です。
1.転職回数が「異常に」多い
2.ツブシの効かない職務経歴のみを持つ
3.職務経歴等で、理由の分からない空白の期間がある
4.年齢に準じたスキル、能力が備わっていない
総じて、企業にアプローチしても内定が取れそうにない、と登録時点で判断されてしまっているということ。これが、断られる理由です。
転職エージェントは、転職を成立させること(つまり転職希望者に企業側から内定を出すこと)で企業側から収益を得る民間事業なので、転職が成立しそうにないと判断した人材は残念ながら、お断りをすることもあるのです。
登録を断られたらまず、どこに原因があるのか自己分析を
登録を断られたらまず、自分の人材としての価値・経歴のどこに問題があったのか、自己分析をしましょう。
先述のケース1.〜4.に当てはめれば、おのずと心当たりは出てくるはずです。それぞれに即した対策をご紹介します。
転職回数が多い
転職回数が多いのは実は一番のマイナス要素です。というのも、人材的にそういう「忍耐力が無い」とみなされることのほかにも、転職エージェントを利用した転職では企業側も転職エージェント側に多額の成功報酬を支払います。
私は企業側の人事もやっていたので大凡の額は把握していますが、転職成立された時点で一人当たりン百万という金額をエージェントに払うわけです。そこまで出費して手に入れた人材にコロっと辞められたらたまりません。
そういうデメリットもあって、転職回数が多いのは非常に問題です。加えて、社会保険の記録等からも辿ることができるので、当然ながらウソも付けません。
かといって、すぐにあきらめてしまうかといえばそうでもありません。転職回数が多くても、転職したそれぞれにきちんとした理由があれば、マイナス要素からは外されることもあるのです。
転職経歴の中に、自己都合でない転職(例えば企業の倒産、リストラ、合併分割などによる商号の変更等)があれば、きちんとそれを転職理由に書いておきましょう。
また、会社に不満があって辞めた、というときでも、理由の書き方ひとつで前向きな転職と評価されることもあります。
書き方のポイントとしては、
1.会社の問題を正確に捉えていること
2.会社の問題を是正するために、具体的な行動に移したこと
3.行動の結果、失敗したとしても、どんな小さなことでもいいから何らかの成果は残せたこと
4.以上のことが自分の独りよがりのことでなく、例えば周囲の同僚や先輩、上司等からも一定の評価をもらえたこと
を主張しましょう。
とにかく、一つ一つの転職に改めて向き合う必要があります。自分勝手な転職ではなかったことをアピールすれば、多い転職回数でも道は開けるでしょう。
ツブシの効かない職務経歴のみを持つ
自営業とか画家とか、消防隊員とか自衛官とか、そういう「変わった」経歴を持つ人達は、中々紹介まで辿りつくのが難しいとされています。
ただこれは、転職エージェントがそのような人材を求めている企業からの求人を集めていないだけで、世の中にニーズが無いわけではありません。
以上のような経歴を持つ人達は、転職エージェントを使うよりかはその業界で今まで培った人脈等を通じて、次の仕事を探すのが賢明かもしれません。
職務経歴等で、理由の分からない空白の期間がある
空白期間の存在は、雇う企業側にとっては大きなリスクです。ストレスで鬱になって休業していたとか、犯罪を犯して刑務所に収監されていたのかなど、いろいろ勘ぐってしまうからです。空白期間の事実について何の説明もないのはよくありません。
自分にとってのマイナス要素ではありますが、「鬱になったが現在は完治し、この経験から抗体もついた」位のことは、経歴書にしっかり書いておいたほうがいいでしょう。犯歴を経歴書に書くのは実際厳しいかもしれませんが、刑期をしっかり終え、被害者への弁済も完了しているなど、今後の活動には支障が無い旨はしっかりアピールすべきです。
年齢に準じたスキル、能力が備わっていない
一番多いのがこのケースでしょう。例えばIT企業であれば、技術職に5年も籍を置きながらテストしかしたことがなく開発言語スキルがないとか、30歳を過ぎてもリーダー経験が無く、マネジメントが出来ないとかそういうケースです。
むしろ、「俺の上司が俺にそういう仕事を任せてくれないんだ!」と嘆く人も多く、そういう境遇だから転職を考えているんだ!と反撃されそうですが、ここはやはり冷静に、自分のアピールポイントを見直す必要があります。
例えば技術経験がないとして、それをそのまま職務経歴に落とすのかは考えましょう。めぼしい実務経験が無い時でも、テストばかりしていたが、その結果○○言語の開発ではこのようなエラーケースが多く発生することが分かってきたとか、実務経験は付かなかったが独習で一人で3層モデルの開発が出来るところまでは習得したとか、アピールポイントは必ず入れるべきです。
また、リーダー経験についても、必ずしも部下がいなければいけない話でもありません。自分を自分の部下としてみたとき、自分をコントロール出来てきたか、を振り返ってみましょう。そのときの課題や対策はリーダー経験に求められる素養そのものです。
転職エージェントに登録する際に心がけること。
転職エージェントへの登録は、その時点から戦いの始まりです。決して自分を過小評価せず、転職エージェントが待ち焦がれる人材像に沿った経験を発掘して、丁寧に経歴書に落としていきましょう。