血小板成分献血について解説
前回「成分献血業務について解説」に引き続き今回は血小板成分献血について、説明します。
血小板成分献血は、遠心分離した血液の血漿の層と血小板の層を採血し、他の細胞成分については身体の中に戻す献血方法です。
血小板成分採血とのちがい
「血漿成分採血」と「血小板成分採血」のちがいは、遠心分離した血小板の細胞がある層まで採血するということです。
血液を遠心分離にかけると、赤血球(約45%)、血小板・白血球(1%以下)、血漿(約55%)に分けられます。血漿成分献血は、約55%の血漿成分まで採血をします。血小板成分献血は、血漿成分(約55%)+血小板成分(1%以下 )を採血します。この時、白血球層も取り込んでしまうことが多いので、製剤につする時に取り除きます。
また、血小板の細胞が遠心分離にて分離する層は、赤血球のすぐ上です。さらに血小板は血液中にそれほど多いそうではないので、とても薄い層です。時々、赤血球が混ざってしまうことがあります。こうなると、血液製剤にすることが出来なくなってしまいますので、採血を中止します。
採取する血小板の数と血液製剤の価値について
血小板の血液製剤は、単位数が10単位と明確に決められています。これにより、血小板は採血しすぎてもしなさすぎてもいけないのです。
また、血小板の血液製剤は、採血から使用までの期間が3日間と非常に短い血液製剤です。
定期的に血小板の輸血が必要な患者さんがいる場合は、血液型がマッチするドナーさんに、献血に来ていただいて採血をする場合もあります。忙しいお仕事をされてるドナーさんなどが、患者さんの需要とマッチする場合、採血時間が血液センターを閉めるギリギリの時間になってしまったり、血液センターの開始時間より前に採血を始めることも時々あります。
その際、日本赤十字社よりお呼び立てをして、採血に来ていただいてることを全てのスタッフが把握していなかったりすると、後々の対応の悪さにつながりクレームになってしまうこともあります。
また、血小板採血に使用する採血キットはとても効果です。さらに、血小板血液製剤もとても高価です。
採血キットと採血針は、一体になっており失敗をすると使用できなくなってしまいます。また、ドナーさんについても、本採血を看護師が失敗した場合、身体的な負担も考慮して、その日の採血自体が中止になってしましいます。
お呼び立てをして、採血をする場合に失敗をしてしまうと、患者さんに輸血するはずの血液が供給されなくなってしまうことに加え、ご足労をいただいたドナーさんの時間も無下にしてしまう結果になってしまいます。ドナーさんをお呼び立てして採血をする場合、最新の注意を払い穿刺をする必要があります。
また、もし穿刺することが難しいと感じる場合、ベテランの看護師に採血を代わってもらう交渉をする勇気も必要です。
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