献血センターの資材管理について
献血センターの看護師の業務は、大きく3つに分かれます。
それは、「資材管理」「採血業務」「副作用対応」です。今回は、まず、「資材管理」について説明します。
資材管理業務
日本赤十字社血液センターにて、採血された血液はどのように使用されるのでしょうか。それは、血液製剤として大量出血した方の輸血に使われたり、血液細胞を作ることができない病気の人へ細胞を補充するために使われたりします。
つまり、献血された血液は加工され、病院で処方されるお薬として使われるのです。使う目的を整理していくと製薬です。処方薬を製造するためには、国からの許可が必要です。病気の人のための薬を作るのですから、この国から製薬の許可をもらうためには、品質を国の求める一定以上に保たなければなりません。
そのために、資材管理は重要な業務のうちの1つです。では、資材管理をするときどのようなことに注意しなければならないのでしょうか。
それは、「資材の安全性が保たれること」「在庫を切らさないこと」の2点です。
資材の安全性
まず、「資材の安全性が保たれること」についてです。これは、献血してくださるドナーさんと輸血を待っている患者さんどちらをも守る業務です。血液センターで使用している資材のほどんどには、使用期限があります。この使用期限が切れたものは、絶対に使用しないようにしましょう。
例えば、使用期限切れた消毒を使用してしまった場合、血液の中に細菌が混入する可能性が高くなります。その血液を輸血される人は身体が弱っている人です。感染症を引き起こす可能性が高くなります。さらに、献血してくださるドナーさんの方はどうでしょうか。
使用期限が切れ、消毒する力が弱くなった消毒の効果は薄れ、採血針の穿刺部から感染症を引き起こす可能性が高くなります。消毒液の使用期限を例に出しましたが、他の資材についても、それぞれ同様のことが言えます。採血する前に、1度、使用期限を確認する必要があります。
在庫管理
次に、「在庫を切らさないこと」についてです。在庫を切られしてしまうと、当たり前ですが、せっかく血液センターまでご足労いただいのに、採血をすることができなくなってしまいます。献血のために、時間を割いて出向いてくださったドナーさんをお断りしなければならないのです。
毎日、その日その日の血液センターへいらっしゃるドナーさんと数と、必要な血液数が事務方より知らされます。その情報をもとにし、採血予定数よりも資材の数多くなるように管理をしておく必要があります。使用期限を切らさないようにしておくことと、資材の数を切らさないようにしておくこと、この2つを頭に入れておくことが大切です。
資材管理は、いっけん地味な作業に思えますが、安全に採血をし安全に輸血をするための大きな基盤です。取りこぼしがないよう、確実に業務をする必要があります。
次は採決業務についてです。
⇒採決前の検査業務について解説