採血前の検査業務について解説

採血前の検査業務について解説

前回「献血センターの資材管理について」では血液センターの看護師の業務としての資材管理について書きました。

 

今回は採決業務です。採血業務は、血液センターの看護師の主な仕事の1つと言えます。

 

採血する場面は、「検査」「本採血」の2つの場面に分けられます。今回は、検査業務について説明します。

 

採決前の検査業務について

本採血前の検査について、どんな意味があるのでしょうか。それは、まず、ドナーさんが本採血をしてもよい体調かどうかの確認です。それから、ドナーさんの血液は患者さんに投与する製剤の材料として適切なものとして使用できるかの確認です。

 

ドナーさんが本採血してもよい体調かどうかの確認については、当たり前のことのように思えますが、重要なことです。全血採血では200mlないし400mlの血液をいただきます。これは、牛乳瓶1本分または2本分の量です。400mlに関しましては、500mlのペットボトル少しかける程度の量の血液をいただきます。

 

また、成分献血の場合、最大で600mlの血液成分をいただくのです。ドナーさんの体の負担は大きなものになります。時には、意識をなくしてしまったり、嘔吐してしまうこともあります。また、副作用が強く出てしまい出血性のショックを起こすこともあります。

 

そのため、検査のための採血の時には、採血だけでなく、体調の確認として問診も行います。これにより、まず、ドナーさんの身体を守ります。また、検査の際に水分摂取を促し、循環血液量を増やすようアプローチをします。これは、血圧の低下を防いだり、緊張の緩和につながります。

 

これにより、副作用の出現も減ることがわかっています。また、身体が冷えていると血液循環が緩慢になるため、冬の寒い日などは暖かい飲み物を摂取することを勧めることもあります。

 

製剤を投与する患者さんの安全を守ることについて

次に、製剤を投与する患者さんの安全を守ることについてです。血液製剤を投与しなければならない方は、少なくとも体調がよくない状態の方です。

 

ご自身の体調では、健康を維持できない状態なわけです。よって、自ずと抵抗力なども低い方だほとんどです。このような状態の方に製剤は投与されるわけです。つまり、菌やウィルスなど感染症の原因になるものが混入していることは、製剤の安全性を大きく揺るがすものになってしまいます。

 

それでは、採血する血液中に菌やウィルスが入ってしまうシチュエーションとはどのような場合でしょうか。それは、感染症にかかっているドナーさんの血液から造られた製剤であること、または、誤った清潔操作にて採取された血液であることの2点です。

 

検査の段階で注意をしなければならないことは、前者の「感染症にかかっているドナーさんから採血した血液であること。」です。このため、検査の際には、直近の体調確認や予防接種の有無、海外渡航の有無、性交渉の有無について問診します。さらに、感染すると高値になる白血球数も確認しています。

 

この検査採血により、献血の安全性と血液製剤の安全性が担保されます。ドナーさんの身体の安全を守る、投与される患者さんの安全を守るという2つの観点で検査採血を行います。

 

次は採血業務解説 〜全血採血について〜

 

 

 

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