ホクロについて調べていると、中には「ホクロがかゆい」「ホクロが痛い」と悩んでいる方もいることが分かりました。
ホクロって痛くなったりかゆくなることって、あるの?と驚いたので、調べてみたところ、ホクロに似た別の病気と混同されていることが多いようです。
- 痛い・かゆいホクロは本当にホクロ?
- ホクロによく似た別の病気とは?
- 何科で診てもらえば良いの?
今回は、この3つのポイントに焦点を当ててご紹介しますね。
痛い・かゆいホクロの除去を考えている方は、まず本当にホクロなのかどうかを調べてみましょう!
Contents
ほくろは痛みやかゆみを感じることはあるの?
ホクロのある部分が痛みやかゆみを覚えた場合、それは必ずしもホクロが原因とはいえません。そもそも、ホクロ自体が痛み・かゆみを引き起こす理由がないためです。
真っ黒なホクロは、メラニン色素を作り出すメラノサイトが変化したもので、単純にメラニン色素の元が他の箇所よりも多く集中しているだけの状態です。
そのため、見た目が黒くて(場合によっては)目立つこと以外、とくに支障はありません。
ホクロのある部分が痛い・かゆいを感じる理由は、たとえば以下のようなものがあげられます。
- 汗や傷による刺激
- 湿疹など別の原因
- 肌の乾燥
汗を多くかくと、塩分を含んだ水が肌に付着したような状態なので、かゆみを覚えることがあります。人によっては無意識にかきむしって、小さな傷だらけになってしまうことも。
このような場合、汗によるかゆみと、かきむしってできた傷による痛みが生じます。かきむしっていなくても、虫刺されや小さな怪我など、自分では知らないうちに小さな傷を作っているものです。
小さな傷に気づかないまま、痛みやかゆみを感じていると、偶然近くにあったホクロが原因のように思うかもしれません。
また、湿疹など別の病気が起こっているときも、近くにホクロがあると勘違いしてしまう可能性があります。
意外と油断できないのが、肌の乾燥です。乾燥した季節や入浴後は、肌が乾燥するため、ホクロのある部分の肌も乾燥でかゆみを覚えます。
ホクロのある部分に痛みやかゆみを感じたときは、まず「本当にホクロの部分だけが痛い・かゆいのか」をチェックしてみましょう。
汗をこまめに拭いたり、保湿用の化粧水やクリームでケアしてみたり、周囲の肌の調子を整えてあげると、意外と簡単に痛み・かゆみが解消されることも多いです。
それでも痛み・かゆみが続く場合は、もしかしたらホクロだと思っているもの自体が、ホクロとは別の病気なのかもしれません。
ほくろに似た別の病気とは
ホクロとよく間違えてしまう病気の代表的なものといえば、メラノーマと呼ばれる皮膚がんの一種です。
実は、メラノーマ以外にもホクロに似た外見をしている病気が存在しています。ホクロのある部分だけに痛み・かゆみを感じる時は、それらを疑ってみることも大切です。
ホクロに似た外見をした病気は、どのようなものがあるのかを調べてみました。
ここでご紹介するのは一例ですが、複数存在することだけでも分かっていただけるでしょう。
「自分は大丈夫」と思わず、早めの適切な処置が必要です。そのためにも、こんな病気があるんだな、と参考程度に読んでみてください。
悪性黒色腫(メラノーマ)
ホクロによく似た病気として、よくニュースやドキュメンタリーでも取り上げられる病気です。
悪性黒色腫(メラノーマ)は、皮膚がんの一種で、放置しておくと内臓にまで転移することがあり、危険度の高い病気です。
病院では、レントゲンやCTなどの画像検査で病気がどの程度進んでいるかを判断し、進行度合いに合った治療法が行われます。
メラノーマそのものに抗がん剤や放射線治療が行われることは少なく、手術によって切除する方法が一般的なので、手術後はホクロ除去を行ったような傷になります。
放置して進行・転移すると死亡する可能性もあるため、早めの検査と治療が重要です。
日本におけるメラノーマの罹患率は10万人あたり1~2人で、厚生労働省が実施した2014年の調査では、国内の患者数は約4,000人と報告されています。
(中略)
死亡数は年間600~700人程度で、死亡率に男女差はありません。
出典:MSD製薬
実際にメラノーマが原因で死亡している例は近年でもかなりの数となっており、20代や30代など若い世代でも注意が必要です。
※悪性黒色腫(メラノーマ)については、別のページでも詳しく解説しているので、そちらもチェックしてみてください。
→→『ホクロのガン「メラノーマ」はホクロ除去で早期発見できる?』へ
基底細胞癌
皮膚は複数の層で構成されています。メイクやスキンケアに興味のある方なら、『真皮』などは聞いたことがあるのではないでしょうか。
真皮の上に角質など4つの層からなる表皮があるのですが、基底細胞癌はこの表皮の奥、つまり真皮のすぐ上の層にできる皮膚がんです。
顔にできやすく、世代別で見ると高齢者に多い傾向のある皮膚がんですが、悪性黒色腫(メラノーマ)のような転移する危険は低いのが特徴です。
ぷっくりとふくらんだホクロのような外見ですが、年々大きくなり、やがてカサブタや出血などの症状が出ます。
痛み・かゆみを感じることはありません。ホクロが段々と大きくなってきたり、出血を繰り返すようになったと感じたら、早めに診察を受けましょう。
基底細胞がんは、日本人の皮膚がんにおいて最も多いがんで、皮膚がん全体の約24%を占めます。
皮膚の基底細胞がんと新たに診断される人数は、1年間に10万人あたり約4人です
出典:国立がん研究センター
一般的な治療法は悪性黒色腫(メラノーマ)と同じく、手術による切除です。ただし、事情により(見た目が極端に変わる等)、放射線治療が薬物治療が行われるケースもあります。
他にも液体窒素を利用した(液体窒素でがん細胞を凍らせて壊死させる)凍結療法がありますが、再発リスクが高いため、担当医の慎重な判断が求められます。
レックリングハウゼン病
レックリングハウゼン病は、神経を中心にあらゆる器官へ腫瘍ができる病気です。遺伝性が強いため、両親のうちのどちから遺伝した可能性が高いのですが、まれに突然変異で発症するケースもあります。
神経線維腫と呼ばれる病気は2種存在し、そのうちのひとつ『神経線維腫症1型』がレックリングハウゼン病と呼ばれています。
細胞の増殖機能に問題が起こっていることが原因で、症状は人によって異なります。
カフェオレ斑と呼ばれる茶色いシミができ、皮膚がぷっくりとふくらむ腫瘍ができるため、人によってはホクロやシミ、イボと勘違いしてしまうことも。
カフェオレ斑は生まれた時に存在しますが、生後まもなく生ずることもあります。
(中略)
直径1.5cm以上の色素斑が6個以上あればレックリングハウゼン病(神経線維腫症1)という遺伝疾患の可能性がありますので、病院で診察を受けてください。
出典:公共社団法人日本皮膚科学会
個人差が大きな病気のため、明確な治療法はありません。症状に合わせて腫瘍を切除したり、レーザーでシミを薄くしたり、進行をおさえたりします。
骨の変形が起こる例もあり、症状によって皮膚科や形成外科、年齢によっては小児科など、診療科も異なります。
老人性角化症・脂漏性角化症
中高齢者に見られる病気で、顔・手・背中に多く現れます。
茶色いシミやホクロに見えるものもあれば、膨らんだホクロに見えるものもあり、手術では切除するかレーザーによる治療を行います。
脂漏性角化症は老人性イボとも呼ばれ、痛み・かゆみなど症状がなければ放置していても問題ないものです。
しかし、よく似た症状の老人性角化症だった場合は皮膚ガンになるリスクがあるため、早めの処置が必要です。
石灰化上皮腫
幼児や若い世代に発症しやすいのが、皮下に石灰のように固い腫瘍ができる石灰化上皮腫です。
良性の腫瘍なので放置していても問題ないことが多いのですが、表面の皮膚が青や紫色に変色することがあるため、要注意。
痛み・かゆみを感じる人もいます。腫瘍の状態によっては悪性腫瘍と見分けがつかないことも多く、手術で切除した後、病理検査で良性か悪性かを判断します。
放置しても問題のないのが、石灰化上皮腫です。しかし、治ることはなく、ゆっくりと大きく成長していきます。
治療法は手術による切除以外の効果的なものは存在しません。転移の心配が低いので、手術するかどうかは医師との相談の上で決定しましょう。
粉瘤(表皮嚢腫)
粉瘤は皮膚の一部が袋状となり、古い角質や垢などが溜まって腫瘍のように盛り上がったものです。
一見すると通常の腫瘍のようですが、中に入った老廃物やゴミが透けて、一部ホクロのように黒い点(袋状になった口の部分)ができていることがあります。
強く圧迫すると、この黒い点から中の汚れが出てきますが、完全に取り去ることは難しくなっています。
もしホクロだと思っているものの周りが膨らんでいて、強く押すとホクロ部分から悪臭のものが出てくる場合、粉瘤かもしれません。
粉瘤はアテロームやアテローマとも呼び、治療法は粉瘤ごと皮膚を手術で切除する方法が一般的です。
患部が赤く炎症しているときは、先に切開して中に溜まった汚れ等を取り除きます。
悪性化することはほとんどありません。
しかし、ごくまれにアテロームが癌化したという報告があります。
アテロームの癌化は中高年齢層の男性のおしりの部分に生じたものに多いといわれています。
出典:公共社団法人日本皮膚科学会
良性腫瘍なので放置していても問題ありませんが、中には皮膚ガンとなったものもあるため、一度診察を受けてみましょう。
ほくろに似た病気はどこで診てもらえる?
メラノーマの他にも、ホクロに似た症状となる病気は複数存在します。
放置していても問題がない良性の場合もありますが、多くは手術で切除しなければ治療できなかったり、悪性のものと判断しにくかったりします。
そのため、気になるものは早めに病院でしかるべき診察や検査、手術を受けることをおすすめします。
しかし、「どこの診療科に行けば良いの?」と疑問に思ってしまいますよね。
皮膚科の場合もあれば、形成外科や小児科などの場合もあり、素人には判断しにくいものです。
最もおすすめなのは、ひとつのクリニックで複数の診療科を標ぼうしているところを受診すること。複数の診療科を得意とする医師なら、クリニックを転々とする必要がありません。
皮膚科や形成外科のあるクリニックがおすすめ
ホクロかな?と思って除去を考えている人の多くは、皮膚科や美容皮膚科、美容外科を検討するのではないでしょうか。
しかし、もしホクロではなく『ホクロによく似た別の病気』だったら、ひとつの診療科では対処できない可能性が高くなります。
一方で、『ホクロじゃないかもしれない』と疑い、最初から別の診療科を受診すると、ホクロだったときに改めてホクロ除去の予約を取らなくてはならなくなります。面倒ですよね。
除去を前提でクリニックに行くことを考えているなら、最初から複数の診療科を併設しているクリニックで、「ホクロだったら除去したいけど、本当にホクロか不安」と相談してみましょう。
即日手術が可能なところであれば、ホクロだと判断した場合、そのままホクロ除去の施術をしてくれます。
中には病理検査も受けられるクリニックもあるので、心配な方は切除したホクロの病理検査も受けられます。
ちなみに、当サイトで口コミ情報をまとめている各クリニックの標ぼう診療科をチェックしてみると、以下のとおりでした。
- ソノクリニック…形成外科・美容皮膚科・美容外科
- KM新宿クリニック…美容皮膚科・美容外科
- 池袋サンシャイン美容外科…美容皮膚科・美容外科
- 聖心美容クリニック…形成外科・美容皮膚科・美容外科
- シロノクリニック…美容皮膚科
- 恵聖会クリニック…美容皮膚科・美容外科
- ブリスクリニック…形成外科・皮膚科・美容皮膚科・美容外科
このように、美容外科クリニックでも複数の診療科を併設しているところがあるので、「これって本当にホクロかな?」と疑問に思った方は、併設する診療科をチェックしてみてください。
診察は皮膚科や形成外科の分野が絡むケースが多いため、少なくても皮膚科か形成外科のどちらかを併設しているクリニックがおすすめです!
※各クリニックの詳細については、別ページのまとめをチェックしてください。ホクロ除去についてがメインですが、病院ごとの特徴をご紹介しています。
→→『おすすめのほくろ除去クリニックまとめ~傷跡が残らない評判の美容皮膚科(レーザー治療)~』へ
まとめ~かゆい・痛いほくろの除去はクリニック選びが重要~
ホクロがかゆい・痛いときは、本当にホクロそのものが症状の原因なのか、周囲の皮膚も同じ状況なのかで対処が違ってきます。
まずはホクロの周囲もよくチェックして、ホクロだけが痛い・かゆいのか、周囲の皮膚も同じような状態なのかをチェックしましょう。
ホクロだけが痛い・かゆい場合は、そもそもホクロだと思っているそれが、『ホクロではない別の何か』かもしれません。
そのようなときは、安易にホクロ除去を受けるのではなく、ホクロかどうか分からないということも医師に伝えて診察してもらう必要があります。
より的確な診察や検査、対処ができるよう、受診するクリニックは形成外科や皮膚科(美容皮膚科も含む)が併設されたところがおすすめです。
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