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FXブログ 海外FX会社との付き合い方

アルパリ事業撤退、FXCM事業売却を受けての外資系FX業者と付き合い方

2015年1月15日のスイス中銀ショックから既に2ヶ月半を経過して市場ではスイスフラン関連の混乱もすっかり平静を保つようになったかに見えましたが、3月末になって突然FXCMが日本法人を楽天証券に売却することが発表され話題を呼んでいます。

もともとこのFXCMは本国企業が2001年に日本でドル円を主体とするFX取引をするためにはじめた会社で、その後上田ハーローからの出資を仰いだ時期もあったようですが、2006年にはGCIキャピタルに出資しGCIキャピタルが100%出資する会社ということで国内での事業拡大をはかっていったという経緯があります。

その後ODLジャパンがGCIキャピタルから事業を譲渡されることになりますが、さらにODLとFXCMが合併してことからFXCMジャパンもFXCMの完全子会社として現在に至っていたのです。

日本は所詮非主力事業?

1月15日スイスフランショックの借金返済のため日本法人を売り払ったFXCM LLCはこの1月15日のスイスフラン大暴騰の結果大きな損失を出すこととなりましたが、ホワイトナイトであるLeucadia社から多額の融資を受け、なんとか破綻を免れた状況で、会社の再建に乗り出した結果の事業売却となったわけです。当初FXCMのCEOは非主力事業売却を計画している旨マスコミに発表していましたが、真っ先に売却したのが日本だったというのにはかなり驚かされました。

当初日本法人の価格は1200万ドルを下回るとされていましたが、今回の楽天サイドの購入価格は6200万ドル・74億円ですからかなりいい値で売り飛ばすことがきたといえるでしょう。ただ、逆の味方をすれば日本市場は換金できるならばハイプライオリティで売却するものとこの会社が認識していたわけですから、既存のFXCMユーザーにとってはなかなか複雑な思いではないかと思います。

アルパリロシアは依然営業中

1月スイスフランショックの直後営業を中止していきなり撤退していったアルパリはUKで事業譲渡先が見つからず顧客データを売却するなどという換金処分の作業が続いているようですが、アルパリロシアについてはもともと売り上げの大きかった主力マーケットということで営業は依然として続いているようです。

日本から撤退してもロシアは維持したいというこの会社の発想もよくわかりませんが、破綻したわけではないものの、証拠金が自分の口座に戻るまでには、かなりはらはらさせられた利用者も多かったことと思います。こちらのほうは一応事なきを得て廃業ということになったようですが、それでも強制決済させられることになったのはかなりショッキングな出来事といえます。

国内に登場する外資系FX業者も決して安心な存在ではない?

スイスフランショックで大きな変化が起きた外資系FX業者はとりあえずこの2社だけですが、本国とは別にしっかり国内で多額の資本金を投入し、金融庁の指導に従ったフォーマットを提供してきて比較的安心と思われたところでも、本国の企業にトラブルがあればさっさとリテールFX事業の売却や閉鎖を決めてしまう割り切り方は、口座開設をして利用していたユーザーにとっては簡単に割り切れるものではないですし、結構リスクの高い存在であることをあらためて認識させられることとなっています。

こうした業者に多額の証拠金をまとめて投入することもリスクになりますし、色々なことを想定した場合、業者は複数に分けて利用するというのもひとつのリスクヘッジになりそうです。

海外の業者を利用するのは危ないとしきりに言われますが、一旦廃業や撤退、事業売却が起きれば国内にエンティティがあるから特別安心というわけでもないことを改めて痛感させられる出来事となっています。今後こうした外資系FX業者とどのような距離感で付き合っていくかについてはあらためてしっかり考える時期がやってきているようにも思われます。