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ギリシャ ユーロ ユーロドル 各国の情勢 各通貨の状況

ギリシャ選挙後の具体的なシナリオについて【ギリシャ選挙の為替・株価への影響】

2015/02/05

ギリシャの総選挙はいよいよこの2015年1月25日に実施されますが、これを受けて今後の動きはどのようになるのかを予想しておくことにしたいと思います。まず、野党急進左派連合のSYRIZAは直前の世論調査ではさらにリードを広げていますので、現状で第一党として勝利することは間違いない状況です。

しかしその一方でこの党だけで単独過半数を構成するには至らないと思われるため、連立内閣を立ち上げるために他党との交渉に時間がかかることが予想されています。ここまでのシナリオは既に市場でも折込済みの状況です。

トロイカとの交渉期限は2月末

一方、新政府はIMF, EU、ECBから構成されるトロイカとの交渉期限も2月末に迫っており、ここまでにSYRIZAが連立政権を樹立できなければ再度議会解散という可能性も残されているのです。

SYRIZAはEU離脱よりも債務の減免をトロイカに対して要求するつもりのようですが、すでに前回のヘアカットで50%以上の減免について民間を中心とする債権者が応じたこともあり、ここからさらに減免とは簡単にはいかない状況となっています。ごねれば債券圧縮とはならない状況に直面しているのです。

とくにビッグスポンサーであるドイツのメルケル首相はまったく減免の余地なしと突き放す発言を繰り返していますので、この交渉で引き出すことができたとしても支払い猶予や金利の減免を引き出すのが精一杯の状況となるのではないでしょうか。ここでも債務減免を政権公約に入れているSYRIZAへの国民からの信任を下げてしまうことが予想されます。

偶発的なEU離脱の可能性も

現状ではEUから離脱した途端にギリシャが路頭に迷うことになるのは間違いない状況ですが、勢いで偶発的にSYRIZAがEU離脱を決めてしまう可能性もまだ残されていることは事実です。

この場合ギリシャは一切EUからの援助を受けられないため、いきなりデフォルトになる可能性も高まっています。為替的に言えばギリシャのEU離脱が決まった段階で一時的にユーロが売り込まれることになるとは思われますが、他の国が追随しないことがはっきりしてくれば影響は想像よりも軽微になる可能性が高い状況です。

ただ、ギリシャが離脱となれば次のターゲットはイタリアと想定するヘッジファンドも多く、執拗な攻撃が始まることも考えられ、ユーロについての買い材料はさらに減少することが考えられます。こうしたことから為替相場だけ考えるとこの件をめぐって相場が上下する可能性はまだ十分に残されています。

そもそもSYRIZAの政権公約は実に荒唐無稽

SYRIZAは日本で言うと夕張市のような状態でなんとか前回のソブリンリスクでは難を逃れたものの、現状では最もデフレ状況が厳しい状態であり、国民もあらゆる社会保障とサービスを制限されて決して余裕を回復しているわけではありません。

そこに現れたのがSYZIZAで、電気料金無料、最低賃金50%アップ、失業者を対象として無料医療サービスの提供などきわめて荒唐無稽な公約をたてているだけに、たとえ左派政権が樹立しても瞬く間に公約不履行が問題となり、さらに混乱が広がることは間違いない状態です。

SYRIZAもEUからの離脱よりはトロイカとの条件闘争に重きを置こうとしていますので、想像以上にギリシャ選挙後は何も起こらない可能性のほうが高まっているといえます。

ECBのQE実施ですでに流れはユーロ安

1月22日には既にECBによりQEの3月からの実施が決まっているたけに為替の世界ではユーロ安の基調ができあがっているだけにギリシャの問題がでても下押しが早まる程度であり、それほど市場にサプライズは広がらないものと考えられます。現状ではギリシャのEU離脱が織り込まれている状況にはありませんが、EU離脱に追随する国が続かない限りは意外に冷静な対応になるのが為替相場の状況と思われます。

ユーロ下落は投資のチャンスか?

ギリシャEU離脱となれば、ユーロ安はさらに進みますが、混乱がおさまればまた平常時の値に戻るということも考えられます。そこで、現在、ユーロ安を投資のチャンスとして考えることもできます。

参考:ユーロドル(EUR/USD)FXにおすすめのFX会社とは

混乱がおさまるまでユーロの下落を見て、落ち着いたところで底値でユーロを買うことができれば大きく利益を得ることができるかもしれませんね。もちろん、底値は誰にもわかりませんので、レバレッジは低く抑えて投資することが賢明かと思います。

原油、スイス中銀ショックで痛んでいるヘッジファンドはこのネタでは仕掛けづらい?

昨年末から原油安、銅の暴落、さらにスイス中銀ショックといったネガティブサプライズ続きで外資系ヘッジファンドはかなり痛んでいるのが正直な状況です。このギリシャのネタを使って何か逆転ホームラン的な仕掛けができればこれをきっかけに大きく売り込んでいる可能性もでてきていますが、こと為替に限って言えばユーロは各通貨に対して順当に売り込まれているため、この件だけで拍車をかけるのは難しいのが現状です。

したがって今回は意外に落ち着きのある状況が継続しそうな雰囲気でもあります。