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EU ユーロドル 各国の情勢 各通貨の状況

ECBの量的金融緩和後ユーロの動きはどうなる?ユーロドルの今後の見通しについて

2015/03/12

2015年1月22日、とうとう事前の相場の予想通りECBによる量的金融緩和が3月からスタートする旨のアナウンスがありました。事前の予想ではドイツ連銀との対立が表面化するのではないかと見られていましたが、ドラギ総裁の采配はさすがのひとことで、かなりのクリティカルな局面を絶妙に乗り切ることができたようです。(参考:1月22日のECB理事会で為替はどう動くのか?

ECB

ドラギ仕切りのうまさが改めて示現

まず理事会でこの量的金融緩和の採決をしなかったことが上げられます。本来採決であればドイツやオランダが反対に回る可能性が高かったのですが、現場の雰囲気で採決をとることなく決定したことで、議事録に反対も載らず、後々のトラブルをうまく回避することができたことは大きなポイントとなりました。

また、月額600億ユーロという数字ももともと実施していた数字を入れ込む形で、しかも期間を多少短くしたことから規模感を醸成することに成功しており、しかも期間延長も簡単に総裁の判断で出来る形をとったことはかなり市場にプラスのインパクトを与えています。

もっぱら見栄えの問題という厳しい指摘もありますが、このドラギQEは黒田バズーカよりもかなりインパクトの大きなボリューム感を演出することに成功したため、すっかり日銀の対応が霞んだ状態となっています。さすがにゴールドマンサックスの欧州副会長まで勤めた人物だけあって、こうした仕切りのうまさが今回かなり明確になっています。

今後当面ユーロ主体の相場展開が続く

これまでの米国や日本のQE後の結果を見ていますと、ほぼ3ヶ月から最大6ヶ月はこうした緩和の結果がマーケットに影響をもたらすこととなっています。EUの証券市場ではすでにDAX指数が市場最高値を更新していますし、当面は株高、ユーロ安が継続していくことが予想されています。

ただ、こうした金融抑圧政策は日本がそうであるように、本質的に景気を引き上げる効果がないのが問題で、しかもデフレ傾向が続けばさらなる緩和策を市場が求めてくることになるため、この先もECBの継続的なQE姿勢が保たれるかどうかがユーロの動きに影響を与えることとなります。

ユーロドルの下値はどこまで?為替の見通し

2000年10月0.82250からの安値から2008年7月1.60360の高値の上昇幅の上昇幅の61.8%戻しのポイントが1.1209となることからすでに1月23日の段階でこれを下回りそうなのは明白であり、とりあえず1.1を目指すことだけは明確な状況となってきています。

年末にはヘッジファンドが大量に1.1のオプションを購入していますので近々にここまで付けに行くことは間違いないと思われます。この調子でいけば3月の実際のQEの実施に向けてパリティまで付けにいく可能性も高まっているといえます。またこうなるとユーロ円が130円を下抜けるのも時間の問題と思われ、3月から4月に向けてユーロ主導で相場が展開していくことが予想されます。

ただ、この対ドルで1.1まで達成できると一定の達成感が生まれ、先般のスイスフラン関連の損失補てんのために一旦ヘッジファンドが手持ちのユーロの利益確定に動くことも考えられ、ユーロも必ずしも一方向にリニアに動くと思わないほうがいいのかもしれません。

ドル円はユーロドルとユーロ円、クロス円の低下に阻まれて上方向に動けない?

こうした状況の中ですっかりプレゼンスを剥落してしまったのが黒田バズーカ2で、直近の日銀政策決定会合後の記者会見でも浮かぬ顔の黒田総裁の状況を反映してか日経平均もドル円も上昇の勢いをなくしレンジ相場の様相を示し始めています。

国内ではGPIFのポートフォーオ変更により、今後も約11兆円程度の株買い余力がでることから2003年における外人投機筋の代役をGPIFが勤める可能性も高まっていますが、既に現時点でクロス円の価格は黒田バズーカ2が発令される時点の価格に完全に戻ってきており、ドル円がこの時点の110円まで下落してもおかしくない状況です。

したがって今年については一方向に一方的に動くと期待するのにはいささか無理があり、ドル円については115円と120円のどちらか先に抜けた方向に動いて調整を重ねながら相場が変化する可能性がでてきています。現状では一旦下を試すほうがユーロの動きから見てその確率が高まっているように思われます。

全体としてユーロは事ある毎に戻り売りが先行し、ドル円はユーロ円の動きに翻弄されながら桜が咲くシーズンを迎えることになりそうな気配です。

ユーロドルは投資のチャンスか?

引き続きユーロドルチャートは下落し続け、1.1ドルを割り込もうとしています。さらに米国の利上げ、ギリシャ問題となると、ユーロ安はさらに続く可能性もあります。ですが、ユーロが再び回復すると考えると、ユーロに投資するチャンスとも考えられます。

ユーロドルという外貨預金はないのですが、FX(EUR/USD)は活発に取引がされています。

参考:ユーロドル(EUR/USD)FXにおすすめのFX会社とは

このままさらに下落すると考え、売りから入るのか、もう底打ちしたと考えて買いから入るのか、判断が難しいですが、投資家にとっては見逃せないポイントとなりそうです。