シャープ買収・鴻海の傘下へ、株価はどう動く?株価予想
シャープ株式会社(6753)は早川徳次さんが1912年に得尾鍵を考案し、金属加工業を始めたことから始まりました。その後も早川式繰出鉛筆(現在のシャープペンシル)を開発し、戦後は液晶を軸に電子計算機やテレビ放送の開始に伴うテレビの量産など、数々の商品を開発し、世に送り出してきた日本の大企業です。
そんなシャープはリーマン・ショックによる急激な円高によって巨額赤字を生み出しました。その後一年は黒字転換するもその後は赤字に転落してしまいます。結局それ以降は黒字転換することのないままに赤字を膨らませて、現在の状況に至ります。まさに盛者必衰を表すように急激な円高に対応できずに経営危機に陥っています。
シャープは主要取引銀行などから資金調達をして、自転車操業をしていました。ただシャープは2007年に売りあげが最高を記録して以降、株価も下がってきており、約十分の一までに下がっています。
そのために資本が不足していました。そして万策が尽き、先々月の1月までは官民ファンドである産業革新機構の支援を受けるとみられていました。しかしその後、鴻海精密工業が突如として産業革新機構よりもよい条件を出してきたためにシャープは取締役会を経て、正式に鴻海と交渉をすることになりました。
では鴻海に買収された場合どのような条件になるのでしょうか?
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社員の首と株価の動向
会社が買収されると問題になるのは社長や社員の首切り、リストラが行われる可能性があることです。現在シャープはできるだけ現状の待遇を維持するために交渉を重ねているものと思われます。
では実際にリストラが行われることはあるのでしょうか。これについてシャープは当初、従業員のリストラは無いと言っていましたが先月2月の頭になってからは、若手社員のリストラはない、すなわち40歳以上のリストラについては可能性を残しています。
また仮にリストラが行われなかったとしても、外資に買収されるために労働体系や待遇が維持されるかは未知数です。そのような中で鴻海に買収された場合は業績や株価にどのような影響をもたらすのでしょうか。
まずなぜ鴻海はシャープをほしがるのでしょうか。
それは今までシャープが培ってきた液晶などの技術が手に入るからです。シャープは自社開発でIGZOなどの量産を成功させており、技術力も確かです。
またシャープからしてみると、iPhoneの生産をする鴻海であれば自社の液晶パネルを使ってくれる可能性がされに高まり、また米Appleに対する交渉力が高まることが考えられます。
そうなった場合はシャープの主力商品である液晶が売れることになるため経営再建につながるのです。しかしシャープの社名は残すことができると、報道でなされていますが一企業としての振る舞いはできなくされます。というのも子会社化されると株式の50%以上が鴻海の手に渡るために決定権がすべて鴻海に渡るからです。
日本にとっては大きな損失
今回、産業革新機構が支援しようと乗り出したのも海外への技術流出が心配されるからです。
技術は高い資本を投下し将来や次の商品に役立たせるもので、一朝一夕で手に入れることはできません。しかし買収されてしまうと技術が使い放題になってしまいます。
それが外資になればなおさらで、将来的に大きな損失となってしまいます。そういった責任はすべて経営にあるのですが、今回失ったものはシャープにとって大きいと言えます。
ただ我々投資家にとっては今回のシャープ買収は収益を上げる大きなチャンスになるので投資をする大きなチャンスといえます。現に買収案が浮上して以降シャープ株は急騰しています。
鴻海の中からは三年で黒字にできるなどの強気な意見が出ており、短期でも長期でも投資をしやすい銘柄となるでしょう。
参考サイト:鴻海傘下に入るシャープ、今後の株価の見通しは?