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各国の情勢 日本 日銀金融緩和

日本銀行のマイナス金利政策導入決定による株価、為替への影響について

実は、昨年の12月から実質的にマイナス金利となっていた?

下記のグラフをご覧ください。これは日本の国債1年、5年、10年の利回りです。これを見ると、1年の国債は実質マイナス金利となっていることが分かります。

マイナス金利

おそらく、この説明だけでは、「どういうこと?」となりますよね。「何故、お金を貸す側が、利子を払って、借りる側が利息を受け取るという形になるの?」と思いますよね。

これは、簡単に言うと、日本銀行が、市中の銀行から国債を買い取る際、額面金額より高く買っているからです。そうなると、利息を受け取ったとしても、額面金額より高く買っている為、マイナスとなりますよね。

もっとわかりやすく言うと、年間利息1%を受け取ることが出来る100万円の債権があります。これを102万円で買い取りします。そうすると、100万円の1%の利息を受け取ったとしても、債権を2万円高く買い取っているため、差額分の1万円損をしています。この状態が、1年物の国債について起きている事象です。

そうなると、市中銀行としては、国債を売ることにより、利子付きでお金を手に入れることが出来ます。これもおそらく後ほど詳しく説明する「市中銀行からのお金のばらまき」をするための一環だったのでしょう。

マイナス金利になるとどうなる?

これは、インターネット、経済の本などにも詳しく書いてありますが、基本だけを抑えると、以下の通りです。

日本銀行(いわゆる銀行の銀行)に市中の銀行が、お金を預ける際にかかる利子がマイナスとなる。具体的には、日本銀行にお金を預けると、「手数料」として、徴収されます。

これを日常の私たちに置き換えると、どうでしょうか。銀行にお金を預けることによって、手数料が取られたらどうでしょうか?おそらく預けずに、タンスや金庫にしまっておこうという人が増えると思います。

市中銀行もやはり同様であり、今後は日本銀行にお金を預けることが減るでしょう。(正確に言うと、既に預かっているものについては、現行の0.1%のままです。)

そうなると、市中の銀行には、お金があふれることになります。そうなると、銀行は個人、企業などに低金利で貸し出しをする機会が増えます。簡単に言うと、市中銀行からのお金のばらまきを増やす政策とも言えます。

個人は、住宅ローンなどの金利が下がって、家を買いやすくなり、企業は設備投資、新商品の開発などに力を入れやすくなるため、業績が上向きになるといった流れです。

また、銀行の預金金利においても、個人からの預金を集める必要がなくなる為、定期預金の利子は、今後は下がると見込まれており、個人資産も株、外国資産などのリスクのある金融商品にシフトしやすくなると言われています。

そうなると、企業の業績も回復し、株価も上がる。世の中に日本の「円」が多く出回ることで、円安も進み、輸出産業も潤うといった流れになります。

マイナス金利導入で今後は本当に景気が良くなる?

これについては、色々賛否両論があります。

インターネットを見てみると、この今回の政策はかなり世間の注目を浴びているようで、色々な意見があるようです。例えば、現在は、中国経済の減退懸念、原油安などを背景に、世界の金融市場も不安定な状況にある。そうなると、リスクのある金融資産(株、投資信託など)にすぐにシフトはしないのではとの指摘もあります。

また、金利が下がったことで、いくらお金が借りやすい状況になったとしても、個人、企業側に需要が無ければ、全く意味も成さないでしょう。

実際、このマイナス金利の政策をとって、失敗しているのが、欧州中央銀行(ECB)です。やはり、今回の日本と同様にマイナス金利を実施することで、世の中にお金の出回り量を増やし、景気を良くするという狙いでしたが、実際に個人、企業側に需要が無かったため、あまり効果が無かったようです。

実は、私も、「お金の供給量が増えれば、景気が良くなるでしょう」って考えでは、うまくいかなないのではないかと考えています。例えば、企業に融資をする時ですが、とある一定の業種に絞って、「6か月無金利で融資します」というのを市中銀行すべてでやるというのはどうでしょうか。

現在、日本は農業部門が衰退しているわけですから、農業を事業として行う場合の融資金利を一定期間無利子にするとかが良いのでは?と個人的には思っています。

他にも色々ありますが、少しだけ触れると、以下の通りです。

※20代限定。住宅ローンの金利を3年間の間無利息。

※ハイブリット車限定。車のローン金利を1年間無利息。

※新規会社設立限定。事業融資を一定期間無利息。

こうやって、ターゲットを絞ることで、効果が表れると思うんですよね。日本ってこういうターゲットを絞るということを本当にしないですよね。だから、定額給付金とかいうあまり意味の無かった「ばらまき政策」が横行する訳です。

もう少し、これからの日本を背負う若い世代をターゲットにするなどの政策を行ってほしいものです。そうすれば、一時的な景気刺激に終わらず、継続的に効果が出るかと考えています。

参考:大きく動いた金融市場!FRBが3月利上げに含み、日銀はマイナス金利で応酬