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混沌とするギリシャ情勢【元の原因にはゴールドマン・サックスが関与!?】

2015/07/06

ギリシャ情勢はいよいよ混沌としてきていますが、もともとこのギリシャ問題の根底にあるのは2009年に政権交代してみたところ、旧政権である新民主主義党が行ってきた財政赤字の隠蔽が明るみに出たところに起因する問題であったことがすっかり忘れられている状況です。このギリシャのユーロ加盟に関しては、実はゴールドマン・サックス銀行が大活躍したからこそ実現したという驚くべき事実があるのです。

古典的な手法による粉飾幇助

本来ユーロに加盟するためには国の債務残高をGDP比で60%以内に抑えることが必須とされており、財政赤字は3%に抑えること、あるいは抑えられると名言することが条件となっていたのです。

しかし当時のギリシャ政府はこの要件を満たすことができず、それをゴールドマン・サックスが助けたというのです。

実際には特別なカレンシー・スワップが利用され、最初に設定する為替レートを当時のスポットからかなり離れたレベルにし、100億ユーロの担保に対して2億ユーロを貸付し、満期までの金利で最初のずれをギリシャに払わせるといった手の込んだ作業をしたわけです。

当時の欧州連合の財務データのルールでは、最初に余分に入ってきた金額をそのまま現金として扱い、デリバティブによる将来のキャッシュ・アウトは債務残高に含めなくても良いというものであったため、これをまんまと利用した形になったわけです。こうした手法でギリシャは体のいい飛ばしをやってのけたということになります。

ゴールドマン・サックスは結局、ギリシャがらみで想定元本1兆円ほどの取引をして、少なくとも数百億円の利益を上げたと言われているのです。しかも2009年のギリシャ危機では、ギリシャ国債のCDSの自己勘定取引でも一儲けしたと言われており、かなりちゃっかりした会社となったのです。

驚くのはこのディールが行われていたときの責任者こそスーパーマリオ

まあひどい投資銀行の商売だと誰しも思うわけですが、実はこのディールが行われていたときに欧州のゴールドマンで副会長をやっていたのが誰あろう現ECB総裁のスーパーマリオことドラギ総裁なわけですから、ギリシャの件についてはマッチポンプそのもののような存在ともいえるのです。

まあシェークスピアもびっくりのベニスの商人のような存在ということで、一体ご本人はどう思っているのかぜひ知りたいところですが、考えて見ればこの粉飾さえなければそもそもギリシャはユーロには加盟しなかったのです。今も勝手にドラクマを使っていれば自国でもっと簡単にデフォルトを選択することもできたというお話です。

そもそも中世からギリシャは東西の交通の要所

最近ギリシャの国有の港の払い下げ入札に中国系の国策企業が登場して米国やドイツをイラつかせていますが、もともとこのギリシャという地は西アジアと欧州をつなぐ微妙内地にあり、多くの国がここを制圧して軍事的拠点にしたいと狙ってきているのです。したがって、今回デフォルトからユーロ離脱へと動くことになれば、ロシアも中国も、あるいはイスラム国までもがこの国に乱入してくる可能性が高まっています。

イスラム国には融資能力がないので武力での乱入になるのかも知れませんが、中国とロシアはAIIBを利用した資金提供を持ち出してくる可能性も高く、今回先延ばしになるであろうギリシャの債権返済についても西側諸国がどこまで厳しい態度を見せるかが注目されるところです。

為替の視点では一旦ギリシャが落ち着いてユーロがあがれば絶好の売り場となる可能性

この間一定以上のショートカバーがでてユーロのショートは急激に減りましたが、直近ではまた少しずつショートが増え始めています。このままでいくとある程度戻したところでまたユーロ売りが始まる可能性がかなり高まっています。先延ばしにしても何ら解決に向かわないギリシャ問題ですが、為替には直近で新たな動きがでることも想定しておきたい状況です。

関連サイト:ギリシャショック時にFXで稼ぐ方法について