米国10年債利回りとの連動感が鮮明なドル円相場
2016/11/18
2014年4月の米国雇用統計は予想を上回る結果に瞬間ドル円は買いで反応したものの、その後103円を抜けていくことができず、夜の11時半過ぎには米国債利回りが2.577%を示現したことにより、結果として102円台前半まで値を下げることとなってしまいました。
この動きにはテクニカル分析で買いを入れていた多くのトレーダーが納得いかなかったのではないかと思いますが、ここへ来て米国の10年債もの債券利回りとドル円の連動感が非常に高くなっているのです。こうした状況は通常のテクニカル指標をみていただけではわからないものであり、ファンダメンタルズとも一味違う独特の状況を醸成しはじめているともいえます。
そもそもイエレン議長の失言から急激に株価が値を上げ、債券が売られることとなりましたが、このタイミングにかなりのヘッジファンドが売りポジションを作ったと言われており、その後の発言撤回を受けて、ショートを抱えたままになっていることが、現在の動きを作り出す原因になっているとも言われています。彼らは債券金利が上昇し売られる局面に登場しては買いで少しずつポジションを切っているとも言われ、これだけがすべての債券金利の下落要因ではないものの、直近ではこのことが大きく影響しているとも見られているのです。
このような事態は、なかなかわかりにくい市場状況を作り出しているといえますが、株、為替、債券が微妙に絡み合う市場形成となっていることを如実にしめる結果となっているのです。単純にテクニカル指標だけで売買をするのではなく、こうした動きを注意深く見守ってその要因となっているものを分析するのもFXで成功するためには必要なアクティビティであるということができそうです。
特にEAなどを組入れた自動売買などをされている場合には、とくにこうした深層ファクターの存在は自動売買の誤動作の原因にもなりかねませんから、気にしておくことが必要となることは言うまでもありません。