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アメリカ ドル 各国の情勢 各通貨の状況

米国の利上げによる出口戦略が失敗に終わるといいだした要人

2015/09/15

米国の利上げを前に要人からさまざまなけん制発言が飛び出して市場を騒がせています。

G20で明確に米国の利上げを批判したIMF ラガルド専務理事

利上げ1国際通貨基金(IMF)のラガルド専務理事は5日に開催されたG20の席上、米連邦準備理事会(FRB)の金融政策について、利上げ決定は将来的に覆されない確信が持てたときに初めて実施すべきだと述べ、決定を急ぐべきではないとの見解を再度示すこととなっています。さらに同氏は利上げをしてもまた下げなくてはならない局面がくることを示唆しており、今利上げを急いでも政策を失敗することを示唆しています。IMFというと米国の外郭団体のような組織に見えてきましたが、ここまで明確にFRBにものをいう専務理事が登場したのはかなり驚きといえます。

ツイッターで利上げの意味がないことを頻繁につぶやき始めたサマーズ

サマーズ元財務長官は世界の金融市場で不透明感が払しょくできない以上9月に利上げすべきでないと、かなり頻繁に強い口調でツイッターでつぶやくようになっており、利上げ反対を鮮明に打ち出しはじめています。もともとローレンスサマーズの唱える長期停滞論はFRBにおけるMIT学派の理論的支柱を形成しているだけにここまであからさまに異を唱える状況となって果たしてFRBが押し切ることになるのかが注目されるところです。

利上げ2

QE4の必要性を強調しはじめたレイダリオ

利上げ3米国最強のファンドと言われるブリッジウォーターアソシエイツのレイダリオはFRBが無理をして利上げをしてもじきにQE4を行うことになる旨を口にし始めています。実際QE4の必要性を説くメディアの論調もこれに追随するようにして高まっています。レイダリオはデフレ方向の景気縮小の脅威が世界中に広がると予想。FOMCは来年、跳ね返ってくる打撃から米経済を守るため大量の流動性を投入せざるをえなくなるだろうと述べてQEに追い込まれることを示唆しています。

ビルグロースは0.25%の利上げを予測も遅きに失すると指摘

債券王の異名をもつビルグロースはこれまで、9月会合で25ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)の利上げが決定するとの予想を示してきていますが、直近では不十分、かつ遅きに失するタイミングと酷評しています。今年の早い時期に機会を逃したというのが同氏の見方でこちらもかなり厳しい発言となっているのです。

利上げ4

果たしてこの状況下でイエレン議長が決断するかどうかが問題

FRB議長は就任後必ず大きな相場の暴落を経験することとなっていますが、イエレン議長になってからは8月24日の暴落があった程度で、まだその洗礼は甘いという見方もあります。果たしてこうした状況の中で9月17日にリスクをとって利上げを決定できるのか?そしてそのあとに株価の暴落を招く引き金にならないのかは、やってみないとわからないというのが実際の状況となっています。

しかし金融市場にかなり影響を与える要人が軒並みそのリスクを唱えるにはそれなりのわけがあり、本当にFRBがこれを乗り越えて実行を決定することになるのかどうかが大きく注目されることになります。

利上げ5

そもそも年内利上げということを先に打ち出してしまい、利上げありきでの選択肢しか提供できないように自己規制してしまっているのもかなりの問題といえますし、FRBが考えるのは自国の金融政策であって新興国に打撃がでても関係ないとはしているものの、今利上げをすれば想像以上に新興国と資源国がやられることになるのはもはや間違いない状況となってきています。17日まではかなり相場が思惑で動くことになりそうですし、結果を受けてさら相場が大きく動くことも想定され、慎重にポジションをもつことが必要になってきそうな状況です。

逆に決定見送りとなると、ドル円は売り込まれることが予想されるため、まずは結果をみてからポジションをとることがお勧めとなります。