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アメリカ ドル 各国の情勢 各通貨の状況

FOMC米利上げ後に起きる具体的な問題【為替・株価への影響】

いよいよ2015年9月17日のFOMCの利上げに対する対応が注目される週にさしかかってきていますが、9月になるのか10月に後ずれするか12月まで伸びるのかと言った問題はいくら詮索してみても個人投資家にはどうすることもできない問題ですかからエコノミストにその予想はお譲りすることとして、実際に利上げが行われた場合にどういうことが起きるのかについて想定しておくことにしたいと思います。

テーパータントラムを超える新興国からの資金引き上げは必至

現状でも金利引き上げを前に猛烈な勢いで新興国から資金が引き上げられつつありますが、利上げ決定直後からこれがピークに達する可能性がでてきています。

日本ではあまり話題にならないブラジルレアルは、対円でも恐ろしく売り込まれる状況に追い詰められており、正式に米国の利上げが決まればさらに厳しい状況に陥る可能性がでてきているのです。

FOMX

トルコリラや南アランドもそうですが、もはや政策金利で相場を吊り上げようとしても為替でやられたのでは投資妙味がないのが現状であり、今後新興国通貨は同様の状況に落ちる可能低がでてきているといえます。事実上スワップ狙いでこうした通貨を買うのはよほど暴落した後でないと妙味がなくなる可能性がでてきてます。

米国企業の自社株買いと積極的なM&Aは完全終了

2014年、2015年と低金利を背景とした米国企業の自社株買いはピークに達した感があります。2014年では実に日本円にして100億円近い自社株買いが起きましたし2015年でも既に60億円分ぐらいの自社株買いが起きていますが、これが一旦終焉を迎える可能性が高まっています。

そもそもこの自社株買いのスキームと言うのは、低金利下で社債を発行し調達した資金を自社株買いに充てるというもので、企業経営者は株価を自らつりあげることができため合法的にストックオプションのバリューを高めることができ、しかも株主からも喜ばれるという実に都合のいいスキームを実現できてきたわけですが、これが完全終焉を迎えることになるのはほぼ間違いない状況です。

特に2015年に入ってからの高値での株価膠着をささえてきたのはこのスキームに他ならず、金利上昇がはじまれば株価を下支えしてきた自社株買いニーズがなくなり株価の大幅下落も想定される局面を迎えようとしているのです。

ドルストレートは上昇してもドル円は一緒に上がらない?

ここへ来て為替の動きが複雑化しているのはドル円の動きです。

一瞬ドル円は米国の債券金利とシンクロして動くようになったのですが、ここへ来て新興国通貨と資源国通貨の軒並みの下落で、ドル円以外では円高が進んでいることから、結果としてドル円の頭を抑える動きが顕在化しはじめています。

FOMC2

仮に9月に利上げが断行されたとしても当座上昇したドル円がクロス円に押されて下落する可能性もかなり高いといえそうで、材料で尽くし感が醸成されれば年末にむけてドル円で円高というまさかの展開は十分にありうる状況となってきています。

VIX指数上昇の1~2ヶ月後にやってくる暴落二番底とリンクの危険性

8月24日の暴落はまだ実に記憶に新しいところとなっていますが、このタイミングでS&PのVIX指数は52とリーマンの暴落以来もっとも高い数字を示しています。過去の事例からいいますとこうしたVIX指数のピークから1ヶ月ないし2ヶ月で2番底、3番底を示現するケースが過去には非常に多く、9月23日から10月後半にこれが起きる可能性があるとすれば、米国の利下げが引き金になる可能性もでてきているのです。

今週17日のFOMCがどのようあ結果になるかは依然としてよくわかりませんが、ひとたび利上げが起きるとここに書き出したような事象が連鎖的に起きる可能性が高くなり、相場が想像以上にリスク回避に動く可能性があることだけはしっかり認識しておく必要がありそうです。