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ギリシャ 各国の情勢

結局不透明感だけが強まったギリシャ問題 今後の見通しについて

皆様ご案内の通り、ギリシャの国民投票は事前の予想に反し、国民がNOを突きつける形でその結果がでることとなりました。しかも結果判明後に早々とバルファキス財務相が辞任を表明し、今後の交渉がどのような形で行われるのかもよくわからない状況となっており、投票こそやってみたものの、誰が何にどう勝利することになったのかが極めてわかりにくいものとなってしまったことだけは確かなようです。

ギリシャがユーロ離脱するとしても年単位の時間のかかる話

今回の件で、ギリシャのユーロ離脱が決定的となるのであれば、あとは物理的な域内での承認の問題などがクローズアップされることとなりますが、現状では出て行けともいえなければ離脱する側も積極的に離脱を宣言するわけでもないため、当面は一旦ギリシャ問題はモラトリアム的に扱われ、再度米国の利上げ問題がフォーカスされていくようになるのではないでしょうか?特にユーロ離脱に関してはEU自体にその承認プロセスがないことから、個別参加国の承認を含めて年単位の時間のかかる話となるため、この先急激になにかが決着する状況ではないところが気になります。

ユーロドルでは1.15を超えればかなりしっかりとした戻りが示現

具体的な水準で言えばユーロドルが1.15を超える戻りを示現するようになるなら1.2方向へと大きく戻りを試すことになり、風景も結構変わることになると考えられます。ただ、今回のギリシャの決定であく抜け感がでたとは思えず、もう少し本質的な決着を見ないかぎり、戻り売り優勢の市場が続くことになりそうです。

多くの参加者がこの先について思案中のはず

恐らく、多くの参加者がこの先ユーロがどう動くことになるのかかなりその判断をしかねているはずでまず東京からロンドン、ニューヨークまで1ラウンドすべて終わってみないことには次の動きが見えてこない状況となっているように見えます。出来ることならば迂闊にポジションをとるよりは、はっきりとして動きの方向性がでるのを待ったほうが間違いがなさそうな相場にみえます。

ECBはギリシャの銀行を見捨てるわけにいかない

こうした状況下でもっとも困っているのは、恐らくECB自体であろうと思われます。国民投票前にはギリシャの民間銀行への支援を厳しく制限することで制裁的な動きにでていたECBですが、ギリシャのEU離脱も決まらないなかで、今銀行が破綻してしまえば、その責任を問われるのはECBということになり、闇雲に支援を打ち切れないのが実情となっています。

また、そもそもギリシャが債務のとばしをおこない粉飾決算に力をかしたのがゴールドマンサックスであり、しかもその当時の副会長だったのがマリオ・ドラギですから、このままギリシャの銀行が破綻するのを傍観していられる立場にはないわけで、ドラギ総裁自身もかなり困っているはずです。こうなるとECBが助け舟をだす可能性はかなり高く、債権者側が一定の譲歩を持ち出さざるを得ないことになる可能性も高いように思われます。

中国の動きにも注意

自国の株式市場のことだけでもギリシャなど支援している場合ではないはずなのに、新シルクロード構想などと称して中国がやたらとギリシャ支援に動きはじめていることにも注意が必要です。中国からの具体的な支援が実行されるようなことになれば、安全保障上の問題からEU側は大きな譲歩を余儀なくされることも考えられ、その動きに注意しておくべきでしょう。

果たしてそうした支援が現実のものとなったときに果たして市場が歓迎することになるのか嫌気するのかも注目されるところです。少なくとも7月15日ぐらいまではあまり動きを断定するのではなく、どうなるのかを見守るところからはじめたほうがよさそうですね。