FX初心者のための役に立つブログ

FXに関するブログです。FX初心者向けのわかりやすい解説ブログを目指しています。

コモディティ 原油

原油価格は回復するのか?元値に戻るための条件とは

上記は、2015年11月~現在までの原油価格のチャートです。

下落の勢いのすごさが一目でわかるチャートですよね。

原油価格201511~

最近のニュースの一つとして、この原油価格の下落が毎日のように取り上げられています。しかし、この原油価格の下落については、今は世の中にとって、「悪いこと」として取り上げられています。これは下記の理由によります。

原油価格の下落によって、欧州、中東、アジアなどの原油関連国の経済状況が悪化する

原油の価格が下がるということは、産油国である国にとっては、販売単価が下がるわけですから、手痛いことですよね。特に中東については、後ほど説明するアメリカのシェールオイルの進出により、大きな痛手を被っています。

また、中東各国、ロシアなどは、1バレル=100ドル前後でないと財政の均衡がとれないという算出がされているため、今の1バレル=30ドル台では、大きな赤字状態であると言えます。

投資家のリスク回避が進んでしまう

現在この原油価格の下落は、アメリカのシェールガスの進出が理由と言えます。

このアメリカのシェールガスに対抗するため、石油大国であるアラブが原油の増産をして販売高を伸ばそうとしていきます。そうすると、このシェールガスも値段を更に下げざるを得ない。

そうやって、次第に値引き合戦となり、お互いに採算がとれなくなる状態となる。そうなると、アメリカの株に投資していた個人投資家は、このシェールガスの採算がとれない=アメリカの経済状況が悪くなるという判断をして、株を売って行きます。

また、そうなると、経済において相互関係の深い日本の株についても、投資家は売るようになっていき、その結果、日本株の下落、安全資産である「円」が買われて、「円高」に進むというサイクルになっていきます。

アメリカのシェールガスとは・・・頁岩(けつがん)と言われている岩石から採取される天然ガス。1990年代から新しいエネルギー元として注目されていたものであり、近時においては技術革新が進み、急激に生産量が拡大しています。

原油価格の下落の影響

しかし、経済の状況というのは、本当に不思議なものです。本来であれば、この石油の下落は、歓迎されるべきものです。この原油価格が下落することによって、ガソリンの価格も下がり、車で出かける機会も増えることで、経済も潤うことですし、食品、日用品についても、このガソリン価格が下がることで、輸送コストが下がりますので、値段も下落して、購買意欲も上がると思います。

その為、長期的な観点に立って見れば、この原油価格の下落は、歓迎するべきです。

ですので、アメリカについても、このアラブとの増産とうまく折り合いをつけながらお互いにうまいこと利益が出るように話し合いをしていけば、いいかと思います。お互いが自国の利益ばかりを主張してもうまくいかないですからね。(アメリカ対ロシアについても同じことが言えますね。)世界全体でのバランスを考えて、話し合いをしていってもらいたいものです。

ちなみに私が小学校の時である30年ほど前には、「後30数年もすれば石油がなくなるかもしれない・・。」ということが言われていました。

当時の私は、これを聞いて、「石油が無くなったら、自動車も動かなくなるし、電気だってつかなくなる。そうなると世界は終わりなんじゃないの?漫画の北斗の拳のような状態になってしまうんじゃないの?」と当時は真面目に思っていました。

この30年の間に、シェールガスのような採掘技術が進み、生産量が大幅に増大したことで、このような心配は無くなりましたが。このように石油の採掘技術は今後も進んでいくことでしょうし、それはむしろ歓迎するべきことだと思います。

そのようなことを考慮すると、この原油価格は、投機筋によっての多少の値上がりはありえるとしても、実需としての価格は、上がらないことが予想される為、長期的にみてもあまり値上がりはしていかないのではないかと思います。