南アフリカランドが7.7円に急騰!5週間ぶりの高値の原因と今後の見通し
FX歴が何年もある個人トレーダーでも、南アフリカ共和国という国を注目しているのは、本当に極僅かの一握りのトレーダーだけでしょう。
時折、このブログでも南アフリカについて触れていますが、今回はもう少しだけ詳しく解説したいと思います。
ちなみに前回の記事は⇒南アフリカランド/円の下落はいつまで続くか?2016年予想
現在の11月頭という状況を考えると世間は、米大統領選挙に注目が集まっていて、そこで投資家なら日経平均や米ドルの推移を見守っています。
そんな流れでひっそりと、否当然のダークホースの様に南アフリカランドが急激に動いてきたのです。
その動いた要因としては、南アフリカの国税庁長官時代にゴーダン氏がスパイ部門設立に関与したと疑われていた問題で、同国の検察当局が捜査打ち切りを発表したからです。
また、ズマ大統領の不正問題も浮上し、数千人規模の抗議デモが発生しています。これらを受けて、通貨ランドが5週間ぶりの高値(円安)となっています。
(記載元:GMOクリック証券)
上記チャートの黒矢印は、捜査打ち切りが発表され相場は円安に動きました。その後は一転して円高に動いていますが、米大統領選挙もある事で一層の高値更新もあり得ます。
南アフリカは最近は比較的安定している通貨ですが、それでもアメリカやユーロなどの大国メジャー通貨と比較すると、それは何が起きてどんな値動きをするのか分からないマイナー通貨です。
高金利通貨でもあるので、スワップポイント目的の長期投資をしている人や今後取引を頭に入れている人も多いでしょう。
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南アフリカランドの今後の見通し
(記載元:GMOクリック証券 )
日足チャートを見ていると警戒感がありますが、それが月足となるとまた違った見方もできます。
これがFXの厄介なところでもあり、その結果から何とでも如何様に判断が出来るのです。このチャートのマジック/トリックには注意して下さい。
日足では高値圏ですが、月足でみると去年と比較するとまだ安いとも言えます。
しかし11月という年度終わりを考えると、この程度なのか、もう一段の上昇なのか本当に分かり難い。そこで、別視点から判断してみましょう。
(記載元:楽天証券 )
上記はトルコリラ/円の月足チャートとなっています。このチャートから、近年でも稀な円高にトレンド形成をしているのが分かります。直近の終値は32円台なので、2013年の50円台と比較すると半分ほどになっています。
トルコと南アフリカの相関関係は一般的には低いですが、それが今後も続くはどうかは未知数です。普通に考えて、米ドルやユーロの相関関係が高いのは常識ですが、最近はイギリスのEU離脱からはその常識もちょっと通用しなくなっています。
そうなると、トルコリラが安値を更新すれば、南アフリカも再び円高トレンドに動くこともあり得て、また逆も十分に考えられます。
さらに、その前に米ドルが大統領選挙でどのように動くのか、それによって両国のマイナー通貨がどちらに行くのか、本当に予断を許さない状況です。
現在の南アフリカの政策金利は7%で、これはトルコの7.5%と並んで一般的なFX取引が出来る通貨の中では、最も高金利な部類です。
2008年などは12%もあったので、さらに高くなる可能性も十分あります。
そうなると、これは普通の考えですが、チャートが大きく動く時やトレンド転換が、政策金利が変わる時というのが多いので、そのタイミングには注視すべきです。
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最後に
今回のアメリカ大統領選挙は、様々な思惑がありそうで色々と考えてしまいます。
本来なら米ドル/円に注目すれば良いのですが、あれこれ分析すると南アフリカやトルコにも関心が目移りしてしまいます。セオリーなら、テレビ討論会の結果で判断してクリントンなのですが、予想以上にトランプ人気が粘っています。
先ほど、南アフリカとトルコの相関について書きましたが、南アフリカランドは、世界の影響を真っ先に受ける通貨とされています。
イコール米ドルやダウなど世界の経済状況から、米大統領選挙の結果も大きく反映されるという事です。今回のランド急騰の本当の理由が、米大統領選挙を見通しての動きでないと思いたいものです。