FX初心者のための役に立つブログ

FXに関するブログです。FX初心者向けのわかりやすい解説ブログを目指しています。

北朝鮮 各国の情勢

北朝鮮情勢の今後の動きと北朝鮮経済分析 ~株価・為替は一時的な影響のみか~

ミサイルを連発し、核実験を繰り返す北朝鮮。

この危険な隣人を今回は経済的な観点で分析し、その実力と影響力を分析してみたいと思います。

まず北朝鮮の国土面積ですが約12万k㎡です。日本が約38万k㎡ですから、だいたい1/3ですね。

人口は約2500万人と推定されています。(2000万人弱とも)

国内の経済状況については国として公な発表がないので、推定するしかありませんが、ネット上の情報を総合すると、GDP(国内総生産)は2~4兆円レベルみたいです(日本540兆円)

少ない方で日本の都道府県で最下位の鳥取県(1.7兆円)、多くても34位の沖縄県(3.8兆円)程度です。

ちなみに鳥取県の人口は58万人、沖縄県は130万人ですから、北朝鮮国民20~40人で鳥取・沖縄県民1人ぐらいの稼ぎしかない計算になります。

GDPから推し量れる国家予算はギリギリ無理しても1兆円まで(日本約90兆円)で、鳥取県(2150億円)や沖縄県(3500億)(※標準財政規模)ですから、このあたりが妥当なセンだとは思います。

ここまでを一覧表にすると

北朝鮮      日本     鳥取県     沖縄県
面積   12万k㎡     38万k㎡  0.35万k㎡   0.23万k㎡
人口   2500万人     12500万人  58万人     130万人
GDP   2~4兆円      540兆円   1.7兆円     3.8兆円
予算   0.5兆円前後     90兆円   0.2兆円    0.35兆円

比較対象にしてしまった鳥取県や沖縄県の方には大変申し訳ないのですが、北朝鮮の経済的な戦闘能力は日本の弱小地方自治体程度のものなのです。

数字的には日本のどの県でも核ミサイルを持てますし、日本から独立することも可能です。

資本主義と社会主義を比較することがナンセンスだという意見もありますが、社会主義の総本山といわれたロシアも中国も実質資本主義にシフトしてますし、資本主義国家と対外貿易をする場合は資本主義のルールで行わなければなりませんので、他国との関係においても資本(カネ)を無視することはできません。

Sponser Link


北朝鮮はデフォルト国家

さらに興味深いのが北朝鮮という国家が国際金融的には完全に破綻しているという点です。

2012年に北朝鮮は韓国と「食料借款」(食料を援助し、その代金を利子を付けて分割で払ってもらう)という契約を結んだのですが、その代金を踏み倒してしまっているのです。

金額は総額8億ドル(約880億円)ほどだったそうですが、これは国がデフォルト(債務不履行)してしまったのと同じことです。

さらに調べてみるとハンガリーに対しても「借金を帳消しにしてくれないか?」とお願いしたこともあるみたいで、さすがに気が咎めたのか「いくらかは朝鮮人参で払うので・・・」と国とは思えないような妥協案も示しています。

これも返済した様子も無いのでデフォルトですね。

そんなこんなで積もり積もった借金が120億ドル(1.3兆円)ほどあり、ほぼGDPに匹敵しております。

いまのところ”オトモダチ”の社会主義国家への借金(中国とロシアが大半でしょう)が2/3を占めているので、大きな問題にはなっていませんが、その他の国からの借り入れは望めませんし、社会主義ゆえに、資本主義国家なら借金の常套手段である「国債」も発行も出来ませんので完全に手詰まりです。

軍需産業を成長産業に?

こんな状況なのに、一発数百万円~数百億円もするミサイルをガンガン撃てちゃうのはなぜか?

ちなみにミサイル一発を撃つのに
・短距離弾道ミサイル(スカッドミサイル)
約1,000万円

・中距離弾道ミサイル(ノドン・ムスダン)
約3.5憶円~17.5億円

・長距離弾道ミサイル(テポドンなど)
約800憶円

ぐらいかかるといわれています。

はなしは少しそれますが、日本は兵器としての原子力は断固No!なのに、原子力発電に関しては世界有数の技術を持ってます。

この狭い国土に数十基の原子炉が稼動しているのは発電コストを安くするのと同時に、原子力企業の「見本市」のような役割もあるといわれています。

「私たち(会社)はこれだけ安全で高出力な原子炉を作って、実際に稼動させてますよ。あなたの国でもいかがですか?」と世界にアピールしているわけですね。

事実、日本製の原子炉は世界中で稼動していますし、現在も建設計画が進行中のところもあります。

北朝鮮のミサイルもこれと同じで、発射を繰り返すことで自国の軍事技術の高さを世界にアピールしているのではないのでしょうか。

ミサイルをはじめとする軍事産業を輸出し、それでミサイル発射に関する費用をペイしているのではないのか、と推測されます(あくまで推測の域ですが)

2016年12月現在で国連に加盟している192の国々で北朝鮮と国交を結んでない国は26カ国で、残りの166か国とは国交を結んでいます。

その範囲はアジアからオセアニア、そしてヨーロッパを通じてアフリカ、南米に及んでおり、交易をしようと思えば世界中で可能なのです。

アメリカ、日本、韓国などが北朝鮮への経済制裁をしているのに、音を上げないばかりか、ますますミサイル発射を繰り返すウラには、その制裁が大して効いていないという一面もあるといえます。

もっとも現状では稼いだ分をそのまま再投資しているのでしょうから、強兵はしても富国にはならない自転車操業なのでしょうが。

今後どうすべきか

また日米韓が北朝鮮に対する攻囲網を作ってるように思われがちですが、本音はどこも北朝鮮なんか相手にしたくないハズです。

なぜなら何の得にもならないから。

仲良くしても、カネ持ってないし経済ルールが違う(勝手な独自ルールを押し付けてくる)から投資対象にもならないし、それどころか援助をたかってくるだけなのでむしろ損。

ケンカになっても、勝って得られるモノ(賠償金や領地など)が無いのでやる意味が無く、戦費がかかるだけ損。

無視したいのですが、アブない武器振り回してるんで、安全保障上そうもいかず、また拉致問題もありますので、人道上無視するわけにもいかず・・・と、どう関わっても損にしかならない正真正銘の問題児クンなんですね。

と、いうことで、北朝鮮は今後もミサイルは撃ちますし、核実験もするでしょう。

どうかすると、核弾頭を搭載した中長距離ミサイルの発射準備ぐらいはするかもしれません。

でも、せいぜいそこまでが精一杯です。

最初にも言ったように、単純な軍事能力はアジアでも上位にランクされるかもしれませんが、経済的戦闘力は鳥取県レベルなのです。
持久力が乏しいことは自分たちが一番よくわかっているはずです。

最近はそれが徐々に分かってきたのか、北朝鮮が軍事的挑発を繰り返すたびに、相場はその直後、一時的に荒れますが、2,3日すると平静を取り戻していますし、アメリカ(ダウ)などはほとんど影響がありません。

相場戦略としては北朝鮮が軍事的行動を起こしたら、直後の日本市場時間では円買い、ただし欧州市場が始まる17時までには切り上げ、あとは相場のトレンドに沿う、というのが本筋かと思います。

またこれまで述べてきたように、北朝鮮の軍事行動は全てデモンストレーションとけん制でそれ以上でもそれ以下でもないので、その一挙手一投足をイチイチ気にする必要はありません。