FXで円高を想定した投資はおすすめできるか?円を買うメリット・デメリット
2016/11/21
トランプ大統領が誕生して、トランプショックという言葉が生まれるほど一時は円高に振れました。
しかし、それもあっという間に何事もなかったかのように円安へと動いています。そんな時に円高に戻ると仮定するなら、どんな取引方法が向いているでしょうか?
まず頭に浮かぶのは、円高によるスワップ目的の長期取引、そして円高で潤う企業の株取引も良いでしょう。
このブログを読んでいるなら大半の人は、スプレッドが低い米ドル/円をベースに取引しているでしょう。
しかし、このペアを円安目的なら良いですが、円高目的で建てていると大半のFX業者でマイナススプレッドが発生します。これは多少の誤差もありますが、
1万通貨単位→1日当たり数十円の損失
となります。これを考えると、残された方法は一つしかありません。"円"以外の通貨を基本として、考えるという結論に達します。
すると、ドル、ポンド、ユーロを基本とした通貨ペアが望ましいのですが、ここでもいくつかの問題点があります。まず、
- スプレッドが高い
- スワップポイントが低い(場合もある)
- 円安に振れると損失
これらが問題点ですが、一概に全てが当て嵌まる訳ではありません。
まず、スプレッドに関しては日本のFX業者で取引している以上、どうしても最安値は米ドル/円となります。
これは最もメジャー同士の組み合わせなので仕方がありません。これに不満ならは、海外口座を開設しるしかありません。
例えば、ユーロ/米ドルは最近低くなっていますが、それ以外となると例えユーロや米ドルとのコンビの組み合わせでもスプレッドが1~2前後となります。これは、米ドル/円の0.3前後と比較すると、相当高い事になります
次にスワップポイントに関しては、これはFX業者の方針によって通貨ペアとポイント幅に関してバラつきがありますが、基本的には円高ならプラススワップとなります。よって、円高を想定するならユーロ/米ドルやユーロ/ポンドを売り建てする事をおススメします。
Contents
(例)GMOクリック証券の場合
- ユーロ/米ドル…売り建て1日当たりスワップポイント +34円
- ユーロ/ポンド…売り建て1日当たりスワップポイント +17円
円高は景気や日経平均的にもマイナス面が強調されますが、逆に円高で恩恵を受ける業種もあります。
それは輸入関連で、食料品や原料関連は基本的に円高を大歓迎します。これらは検索すると、有名企業の一覧がすぐに出ますので興味ある方は、株購入も良い作戦と言えます。また旅行関連なども円高でメリットがある業種となっていますね。
米ドル/円とユーロ/円の比較 スワップがもらえるのはユーロ円売り
それでも大半のFXトレーダーは、円高に動くと予想しても株取引をする人は少ないでしょう。ましてや日経平均を売り建てする人も少ないでしょう。何と言ってもFXには、他の投資にはないメリットや特典も多く、だからこそ私自身も延々とFX取引を何年間も続けています。
そこで、最もポピュラーな米ドル/円とユーロ/円の売り建てを比較検討してみます。
・米ドル/円…最も基本的な通貨ペア。
- スプレッドは大半の国内FX業者で0.3前後。
- 売り建てはマイナススワップ 1日約-30円程度。
- 東京時間で取引しやすい、逆にニューヨーク時間は想定外の動きもある。
・ユーロ/円…米ドルの次にメジャー通貨
- スプレッドは大半の国内FX業者で0.5前後。
- 売り建てはプラススワップ 1日約+2円程度。
- 東京時間は取引しやすい、ロンドン時間からにかけて動き活発化。
いちばん大きな違いとしては、似ている通貨同士でも、売り建て時にスワップポイントが貰える場合と、逆に支払う場合に分かれてしまう事です。
そう考えると、長期投資ならユーロ/円を売り建てするのが、最も無難な方法となります。これも円ペアに拘らなければ、ユーロ/豪円やユーロ/NZドルの様に高いスワップポイントが期待できるペアもあります。
米ドル/円の売り建てのメリットとデメリット
米ドル/円は、FXで最もメジャーな通貨ペアです。ほとんどの人がこれを取引していると思います。気分転換もかねて、ポンド/円などを取引すると、その値幅の激しさに戸惑う人もいるでしょう。
もちろん時間帯にもよりますが、米ドル/円のもったりゆったりした動きに慣れると、他の通貨は危険に感じるものです。
米ドル/円の売り建て…メリットは?
- まずFXをするには投資金が必要です。そして米ドル/円はユーロやポンドと比較すると証拠金が安くて済みます。最近
は4万5000円前後で1万枚通貨を建てられます。これもメリットです。 - 現在は円安トレンドですが、基本的にFXは円高に動くと一気に加速度的に進行します。円安やゆっくりと、円高は急降下という事です。それを考えると、無理してスワップを支払っても我慢してもっているといつかはプラスになると期待できるペアです。
米ドル/円の売り建て…デメリットは?
・日々のスワップポイント支払いです。これは前記しましたが、FX業者によって違いがありますが、大半は1万通貨に対して数十円の支払いとなります。初心者トレーダーなら、10万円を証拠金として1万通貨を建てる事が多いでしょう。そうなると、毎日数十円を取られる事になります。単純計算で1年間で1万円前後の損失となります。
米ドル/円の売り建て…FX業者比較
1万通貨のスワップポイントの1日当たりの損失額となります。
上記はメジャーなFX業者ですが、大半の業者がこれと同程度となります。スプレッドはほぼ横ばいの0.3前後なので割愛します。
主要なFX会社の中ではヒロセ通商がドル円のマイナススワップの負担が小さいようです。ヒロセ通商は1000通貨から取引ができますので、個人投資家にもおすすめですね。
ただ、マイナススワップが発生するのが嫌な場合はユーロ円の売りがおすすめですね。
まとめ
FXは初心者でも取引できる最も身近な投資となっています。最近は円安になっていますが、これがいつ円高になるかは誰にも予想できないものです。逆に言うと、今後は円高に動くと想定する事も十分可能なのです。
投資とは人とは違う方法を模索し、そしてその方がリターンも大きいものです。最近のトレンドとは逆行する、円高投資もおススメの手法だと言えます。スワップポイントの支払いをだけを考慮すれば、十分今後の値動きで儲けを期待できます。