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メキシコペソ 各通貨の状況

メキシコペソ/円FXがくりっく365に上場!スワップの高さ等、投資メリットを検証

高金利通貨がペアからトリオに

2017年10月末より取引所FXである「くりっく365」が”メキシコペソ/日本円(MXN/JPY)”ペアの取り扱いを開始します。(10月30日より)

メキシコペソは高金利(2017年10月現在7%)で知られていますので、南アフリカランド(6.75%)、トルコリラ(8%)に続く、高いスワップ収入が見込める通貨ペアとして、トレーダーの人気を集めることと思いますが、なぜ今このタイミングで取り扱いをはじめるのでしょうか?

また、メキシコペソを取引する上で注意する点は?リスク・リターンの割合は?

来週に迫った上場を前に、すこし検証してみましょう。

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とりあえず基礎知識、メキシコという国について

世界地図での位置は分かりやすく、アメリカの真下にあります。

面積は196万k㎡、日本の約5倍です。

人口は1億2700万人と日本と同じくらい。

首都はメキシコシティ、覚えやすいですね。

GDPは1.05兆米ドル、日本の1/5ぐらいです。

失業率は3.6%、日本よりちょっと高いぐらい。

ざっくりと「日本の5倍の大きさの国だけど、人口は同じくらいで、経済規模は1/5」

こんな印象ですね。ということは、大きな工場を建てて、安い労働力を確保できるので、製造各社の投資、進出活動が活発で経済状況は上向き。

日本企業の工場もたくさんあって、アメリカ向けの自動車関係の工場が多いように思います。

信用格付け各社の格付けでもメキシコは「すごく良くもないけと、大きな不安も無い」レベルなので(S&P:BBB+、ムーディーズ:A3、フィッチ:BBB+)※格付けの定義はコチラ

すくなくとも、トルコや南アフリカと同程度の信用度はあると考えられます。

あと、個人的にタコスにテキーラ。大好きです。

アノ人が国境に・・・

「壁を作る!費用は負担させる」と息巻いていたことを覚えている人は多いでしょう。

アメリカ合衆国大統領、ドナルド・トランプ氏です。

また「メキシコからの不法移民が国内の雇用を奪っている!ヤツらを追い出す!!」とか

「メキシコからの輸入品に莫大な関税をかけてやる!」や「今後、メキシコに工場を作ることは許さない(実際計画を白紙に戻した企業も)!」と、何か恨みでもあるの?といいたくなるような過激な言動で排撃姿勢を強めていますが、裏を返せば、それだけメキシコとの貿易面での係わり合いが強いのです。

何せ、メキシコの輸出の80%、輸入の50%を対アメリカが占めていますし(2016年)、アメリカも輸出入の15%弱がメキシコ相手ですので、双方にとって大事な商売相手であることは間違いありません。

じゃ、なんで、ケンカ売るようなコトすんの?となると、個人的意見ですが

トランプ氏のいわゆる「ドアインザフェイス」戦法じゃないかと思います。

条件を相手に受け入れさせたい場合、最初に難度の高い要求を出して相手に拒否させ、徐々に要求のハードルを下げてこっちの有利なほうに誘導する・・・っていうセールスの古典的手法ですね。

実際、NAFTA(ノース・アメリカン・フリー・トレード・アグリーメント=北米自由貿易協定※アメリカ・カナダ・メキシコ北米3国間の関税・投資金融・知的所有権などに関する取り決め)の条項を再設定する交渉がいまも続けられています。

現状は10月17日に4回目の交渉を終えたところで、会合後の会見では交渉が決裂したとか、一部が懸念するようにNAFTA自体の崩壊という議論は出なかったと言っていますが、かといって大きな進展があった様子も見えず、再交渉を来年まで延長することになったようです。

再交渉は8月16日に第一回が行われており、これまで2ヶ月の間に4回(計22日間)も回数を重ね、アメリカ側がかなりのワガママ放題な条件を振りかざしているようですが、兎にも角にも交渉自体は続けられており「ドアインザフェイス」戦略とするなら、現状よりいくらかアメリカ側が譲歩した条件が落とし所になるはずです。

しかし、それがメキシコ経済、メキシコペソ市場に与える影響は不透明です。

まぁ、トランプ氏の国是は「アメリカファースト」ですから、メキシコ経済へのプラスになる可能性は薄いでしょう。

関連記事:トランプ政権後のメキシコペソの見通しとメキシコペソFXのメリットを検証

このタイミングでメキシコペソをFXで取引するメリットは?

金利の上昇によるスワップポイントでしょう。

今年に入って、メキシコ中銀は2,3,5,6月と4回連続で利上げを行い、昨年末の5.75%→7%まで引き上げました。

ちなみに金利だけでいうと、ブラジル・レアル(8.25%)、ロシア・ルーブル(9%)あたりは海外FX業者では扱っている業者も多く、そっちのほうが旨みがありそうに思えますが

S&P   フィッチ  ムーディーズ
メキシコ  BBB+   BBB+  A3
ロシア   BB+    BBB-   Ba1
ブラジル    BB    BB    Ba2

格付け上ではメキシコより2~3ランク落ちる扱いなのです。

高金利通貨はスワップ狙いの中長期保有でメリットがあるのですから、一定以上の信頼度がないと、業者としては扱いにくいのでしょう。

また、相場が1ペソ=6円前後であり、くりっく365では1lot=10万通貨単位と設定していますから、1lot=60万円で、25倍のレバレッジをかけると1lot建てるのに必要な証拠金は24000~25000円ほどです。

1lotの想定スワップポイントは100~110円ぐらいでしょうか。

トルコリラの1lot=12000~13000円(スワップ90円前後)、南アフリカランドの1lot=32000~33000円(スワップ130円前後)のだいたい中間です。

投資の選択肢を増やす意味では、バランスのいい商品だと思います。

メキシコペソ円FXの取引上の注意点

高金利通貨全てに云えることですが「基本的、長期的には必ず円高方向に進む」という点は念頭に置くべきです。

最近は1ペソ=6円前後で安定していますが、昨年後半には1ペソ=5円を割り込んだこともあり、決して楽観視はできません。

1ペソ=4.8円ぐらいまでの円高は想定しておくべきでしょう。

また、前述したようにNAFTA交渉の進捗状況は注視すべきですし、それに伴う貿易収支の増減も相場に影響を与えるでしょう。

また、現大統領のペニャ・キエト氏の任期は来年2018年11月までで再選は不可と決まっています。

ですから、来年末には大統領が変わり、それと同時に国内外の政策運営が大きく変更される可能性があります。

杞憂かもしれませんが、今年、最後の利上げをした後にメキシコ中銀総裁が「2018年終盤まで利下げはしない」と発言していますので、深読みすれば、2018年終盤には利下げをするかも?とも取れます。

2018年が終わる頃には、大統領の改選と利下げというイベントがダブルパンチで起こるリスクは考えておくべきでしょう、ま、一年先ですけどね。

いまのところの懸念材料はそれぐらいで、メキシコが有望な新興国であることに変わりは無く、チャートを見ても右肩下がりとはいえ、極端な暴落も無く、レバレッジ管理(10倍以下)に抑えておけば安定したスワップ収入が見込めると思います。

むしろ短期間での値動きはほぼ無いに等しいので、広め(になると予想される)のスプレッドもあわせて考えると価格差による為替損益(キャピタルゲイン)は狙いは難しく、スワップ派以外の売買は期待できないでしょうね。たぶん。

最後に

現在、もっとも安価な証拠金で取引できる高金利通過ペアであるトルコリラですが、アメリカとの関係の緊張化や、ヨーロッパとの関係(EU加盟問題)、IS壊滅後の中東情勢への関わり方にエルドアン大統領の実質独裁体制に対する反発など、ちょっとしたことで暴落するリスクを抱えています。

それに比べればメキシコは安定していると云っていいのですから、資金のいくらかをペソにチェンジしておくのはリスクヘッジとして一考していいとおもいますが、いかがでしょうか?

メキシコペソ円FXの取扱業者は以下サイトを参照
⇒メキシコペソ円のFXができるFX業者(目指せ!FXでスワップ金利生活)