アメリカFRBは本当に利下げをするのか?経済指標の結果を基に検証

NYダウ月足チャート

現在市場で最も注目されている材料はFRBの利下げを巡るあれこれですが、今回はその利下げの内容や市場参加者の思惑等についてまとめた記事を書きます。

利下げ三国志状態の市場。本当に利下げするの?

一応利下げ自体は各市場で100パーセント織り込まれているという話ですが、実際のところ利下げに関しての認識は三国志状態であるように思います。

「めっちゃ利下げする」というグループと「ちょっとだけ利下げする」というグループ、それと「利下げなんか出来るわけない」というグループですね。

勿論それぞれ根拠があるわけですが、今回の利下げに関しての思惑と経緯について、簡単にまとめておきます。

米中貿易戦争再燃!暴落する株価。

まずはそもそものきっかけからですね。今年の5月からトランプ大統領が思い出したかのように中国を口撃したことから始まった、米中貿易戦争の再燃です。

これにより気づけば双方追加関税を掛け合うような形となり、市場は大混乱。ダウを初めとする米株価やドル円が大きく下落することになりました。

NYダウ月足チャート
※NYダウ月足チャート。矢印の足が5月ですが、2000ドルほどの暴落です。

市場にかなり強い暗雲が立ち込めていたわけですが、これによりFRBの切り札、利下げ発動が俄かに注目をされます。

FRBが利下げ示唆。V字回復する株価。

次はこれですね。fomcやパウエル議長の講演から利下げに関する示唆が出てきたため、一気に米株はV字回復しました(先程の矢印の足の次の足を参照してください)

ただしドル円に関しては、利下げからの日米金利差縮小ということもあり、今ひとつリスクオンムードにもならず、かといって株価も上昇しているのでそこまではリスクオフにもならないような、なんとも言えない感じとなりました。

止まらない株価、そして強気の指標結果・・・ホントに利下げ出来るの?

そんなこんなで利下げに関する思惑が錯綜し続ける相場がしばらく続いていましたが、7月に入り新たな材料もいくつか出てきました。

まずは6月の雇用統計ですね。これが7月頭に発表されたわけですが、かなり強い数字が出ました。

雇用統計数字

予想を大きく上回る22.4万人ですね。これにより利下げ観測が一旦後退しましたが・・・

パウエル議長発言

その5日後のパウエル発言により、再び利下げ予想が息を吹き返します。

「雇用統計の結果では金融政策を決めない」という、非常に回りくどい言い方でしたが、要するに何が何でも利下げをする宣言のような感じです。少なくとも市場はそう捉えていました。

しかし、後日またややこしい指標結果が出ます。

CPI指標

CPIですね。つまり今回の利下げ予想の根拠の一つである物価上昇率ですが、これが予想よりもやや高かった(物価上昇)事により、再び利下げ予想が若干後退しました。

しかし、これは先程のパウエル発言の次の日に発表されたものであり、この結果自体はパウエル議長も承知の上で発言した可能性が高いため、結局大幅な後退とはならず、一時的なものとなりました。

そして株価ですが、NYダウはついに史上最高値を更新しました。現在は27000ドルをキープしたまま推移をしております。

NYダウ株価

結局今は?利下げが優勢か?

現状はなんやかんやで「ちょっとだけ利下げグループ」が一番優勢なように思います。

ただし、「ダウが最高値を更新して物価もまずまず上がっている状態でわざわざ利下げまでやるのか?」という議論は根強くあります。というよりも、みんな利下げに関しては半信半疑のような感じで、これについて肯定的なコメントをしている人は殆どいないように思います。

あくまで現状は「みんなそう言ってるから」という感じです。

ちなみに今回の件の発端となった米中貿易戦争ですが、これについてはしばらく音沙汰なしと言った感じです。一応休戦している感じですが、物事の性質的に解決が難しいことでもありますので、そう言った面も利下げ予想を補強しているのでは無いかと思います。

結局はFOMC次第。

まあ、結局はFOMC次第になると思います。恐らく政策金利の事前予想は0.25パーセント下げの2.25パーセントになのでしょう。

利下げ経済指標

しかし、本当に利下げをするのかはかなり怪しいですし、織り込み済みということもあり実際に予想通り利下げをしても非常に難しい動きをしそうです。

まあ、まだ7月30までは日にちもありますので、ここまでは思惑が錯綜して、ドル円の方はレンジ気味に推移するのでは無いかと思います。

まとめ

基本的には、「利下げは一応織り込み済み」「しかし本当に利下げするのかも怪しい」「というか利下げした後どうなるのかも怪しい」という3点を意識しておけばいいと思います。

勿論細かい部分は色々とありますが、大きく言えばこの3点に絞れると思います。

ドル円や株価が利下げでどうなるかの予想については、また別の記事で詳しく書けたらと思います。

※利下げ濃厚となりました。
米国FOMC利下げの影響で株価は暴落する?今後の見通しについて

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です