IPO投資に必勝法はあるのか?IPOで儲けるためのコツとは

大発会から6日連続で値下がり、という不名誉な記録を更新して始まった、2016年の株式市場。原油安や、上海市場の暴落、円高と複数の要因が絡み合っているだけに、調整は長引きそうです。

そこで注目したいのが、新規上場する銘柄を買うIPO投資。昨年、日本郵政グループの大型上場で話題になったIPO投資で確実に稼げる方法はあるのか。可能性を探ってみました。

日本郵政
日本郵政株価チャート(出典:SBI証券)

超ハイリターン、IPO初値売りは勝率86%!

2015年に新規上場された銘柄のうち、公募価格と初値を比較可能な97銘柄(リートを含む)の騰落状況を見てみましょう。初値が公募価格を上回ったケースが84銘柄あり、勝率は実に86%となります。

下回ったのが11銘柄、同値が2銘柄という結果に。絶対ではありませんが、抽選に当たった段階でほぼ利益が見込めるのですから、こんなに美味しい投資はないでしょう。

上回った84銘柄の中で、もっとも値上がり幅が大きかったのは、東証マザーズに上場された「3921 ネオジャパン」です。公募価格2,900円に対し、付いた初値がなんと14,550円。値上がり率401.7%で、100株持っていたとすると、1,165,000円の利益になった計算です。そこまで大きいのは少数ですが、2ケタ以上の値上がり率を記録した銘柄はゴロゴロあります。IPO抽選に投資家が殺到するのも頷ける「宝の山」ぶりです。

郵政3社で見る、IPO抽選にハズレた場合の対処法

いくらIPO銘柄の勝率が高くても、抽選に当たらなければ話になりません。では、ハズレた場合は指を咥えて、見ているしかないのでしょうか。

そんなことはありません。その場合の対処法としておすすめなのが、初値で買う投資法です。どういうことでしょうか、昨年の郵政3社を例にして紹介します。

郵政3社の初値から4日間の株価推移(筆者まとめ)

銘柄 公募価格 初値 2日目始値 3日目始値 4日目始値
日本郵政 1,400円 1,631円 1,775円 1,780円 1,768円
ゆうちょ銀 1,450円 1,680円 1,707円 1,735円 1,727円
かんぽ生命 2,200円 2,929円 3,840円 3,750円 3,825円

公募価格より大幅に高いにも関わらず、初値で買う人がいるのは、その後の値上がりが見込めるからです。上の表をご覧ください。郵政3社の場合も公募にハズレても初値で買うことができれば、2日目~4日目の寄り付きのどこで売っても利益が出たことがわかります。

かんぽ生命の場合だと、公募価格で手に入れ、初値で売ったプラス額が729円なのに対し、初値で買って、2日目寄り付きで売ったプラス額は919円と、初値で買った方がパフォーマンスが高い結果が出ています。100株の場合でも10万円近い利益になったわけですから、公募にハズレても、初値で買えれば同等の値上がり益を得ることは可能なのです。

ただし、注意したいのは、ストップ高では買わないことです。もし、ストップ高買い気配のまま初日を終えると、2日目以降とんでもない高値で買わされるリスクがあるからです。

あくまで初値が付くことが大前提で、買い気配のまま初日を終えたら、追いかけるのはよしましょう。

必勝法はないが、必勝法もどきはある! 早めの売却が肝要

以上、IPO銘柄への投資法を見てきましたが、結論としては、IPO銘柄への投資そのもには必勝法はありません。むしろ、ある程度の期間保有していると、熱が冷めて急落するケースが目立ちます。

現実に上記97銘柄を初値で買って2016年1月15日現在まで保有していたとすると、79銘柄が評価損に陥っています。初値で買ったら、評価益が出ているうちに早めに売却することが肝要です。

しかし、抽選に当たってIPO初値で売却することに限定するなら、大多数の銘柄が公開価格を上回っていますので、確実に稼げる、必勝法に投資法とはいえるでしょう。

2016年も多くのIPOが予想されます。抽選に根気強く応募して、初値投資法も併用しながら調整相場を乗り切っていただくことを期待します。

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