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スイスフラン 各国の情勢 各通貨の状況

スイス中銀によるフラッシュクラッシュで危機的状況に陥ったFX業界【フラン急騰の影響】

2017/04/23

1月15日午後6時半、FXで取引をしてチャートを眺めていた投資家の方ならすぐに市場の異変に気がついたはずです。

ドル円からユーロドル、ユーロ円など日本人の個人投資家が好んで売買する通貨ペアのチャートが軒並み崩れだしたからです。こうした動きがでたことで、ロシアかベネズエラのデフォルト?はたまた戦争、テロ?などと思った方も多いことと思いますが、結果はスイス中銀の対ユーロ1.2を上限とした無制限介入声明の発表によるものであったのです。

ECBの量的金融緩和決定とギリシャ情勢をにらんだSNBのタイミング選び

結果はご案内のとおり、ある種の金融テロのような状況に陥りました。発表後インターバンクの値がつかなくなったことから本件に関する正確な損害額をカウントすることが非常に難しくなっていますが、一説によれば2001年の9・11テロ直後をはるかに越えた損失が積みあがっていることは間違いなく、今後徐々にその惨状が明らかになるものと思われますが、この結果欧米のFX業界にも大変な激震が走ることとなりました。

SNB声明を受けて取引中止を余儀なくされたFX証拠金取引業者

15日のSNB声明を受けてすぐに取引中止に追い込まれたのが欧米系の証拠金取引業者です。今わかっているだけでもアルパリ、ゲインキャピタル(Forex.com),サクソバンク、FXCC、FXCMなどがユーロスイスフランの取引を中止することとなりました。

そのうち既にアルパリはUK本社の破綻を告知し、日本法人では強制的に投資家の保有ポジションを決済する旨をホームページ上で宣言しています。

FX業者だけでも損失額は巨額

ブルームバーグやロイターの報道によりますと、FX取引のフロントラインに存在する証拠金業者だけでも巨額の損失がでているようで、今後アルパリのみならず数社が破綻の危機的状況に陥る可能性があるようです。

まず日本でもエンティティを構えるIG証券はUKでほぼ日本円にして50億円の損失を出しているとの発表がありました。またさらにIG証券よりも規模の大きなFXCMでは顧客残高マイナスがほぼ260億円に達しているということです。サクソも同様でその損害額は300億円を超えるとの見方がではじめています。

ゼロカットシステムが仇?追証を肩代わりする海外のFX業者

国内FX業者の場合には金融庁からの厳しい行政指導もあり、一定の含み損が出た場合にはマージンコールや強制ロスカットがでることになりますが、証拠金を超えて損失が出た場合には取引をしている個人投資家に追証が求められることになります。

たとえば月曜日の早朝に今回のようなことが起きて、7時の業者取引スタートまで何もすることができない場合スタート時に証拠金を上回る損失がでることは容易に想像できる状況ですところが、海外の業者は海外マーケットにおいてはゼロカットシステムといって差し入れた証拠金以上は一切請求されない有限責任制度をとっているのです。(参考:追証を求められないゼロカットの海外業者は本当に便利?【海外FX業者のリスク】

なにも事件事故が起こらないとこうした取引条件の違いは気にならないものですが、実はひとたびトラブルがおきると、投資家の責任範囲はかなり異なるものとなるのです。ある意味では証拠金以上の責任を投資家に問えないことから海外のFX証拠金取引業者はその負債を一手に背負うこととなり、アルパリのようにいち早く破綻を決めることとなっているともいえるのです。

エンドユーザーによる穴埋め換金売りの嵐がやってくる?

フロント業者であるFX業者が破綻寸前であることとともに、ヘッジファンドを中心とした投機筋の損害も莫大なものになっているようです。今のところスイスフラン自体の損失確定がはっきりしないためこうした投資家がどのぐらい損失を被ったのかは不明ですが、今後利益のでている金融資産の一斉換金に動く可能性が高まっているといえます。

そのひとつがドル円で、買いもちにしてきた投機筋が多いため、問答無用で換金が出る可能性がかなり高くなっているといえます。

リスクが高いといえば、比較的高値で推移している日経平均の株式相場も同様で、ECBの量的金融緩和が22日に決定すれば材料出尽くしでこうした主力の通貨ペアでの売買異変が起きる可能性に注意が必要となってきているのです。(参考:ECBのQE実施でどこまでユーロは下げるのか?

スイスフラン円(CHF/JPY)は投資のチャンスか?おすすめのFX会社

スイス中銀クラッシュ時のフラン円のチャートをみてみましょう。

フラン円

 

一瞬ではありますが、160円近くまで値を付けました。その後も140円台近辺を推移し、徐々に元値に戻っていっています。こういった異常値を付けたときにフランを売るというのも一つの考えです。130円台後半のときにこれは異常値であると気づき売りを入れることができたかがポイントですね。

ただ、普段からレバレッジをかけている場合はこのフランショックで資金がなくなり、追加で売りをいれる体力がなくなってしまっているケースも多いです。堅実に稼ぐためには普段からレバレッジを低く、投資のチャンスを待ち構えておくのが良いでしょう。

フラン円のFXですが、スプレッドが狭く1通貨単位から投資ができるSBI FXトレードがおすすめです。

参考:スイスフラン(CHF/JPY)におすすめのFX会社とは

いまから売るのは遅いのかもしれませんが、どの通貨であれ、大変動時は投資のチャンスの可能性が高いので普段からアンテナを張り巡らせておきましょう。