牧草嫌いのうさぎにおすすめの牧草ペレット~エサの基本~

ペレットをメインに与えているうさぎの飼い主初心者さんの多くが悩むのが、うさぎちゃんの牧草嫌いではないでしょうか。

牧草あげてるのに食べないから、ついついペレットを多めに与えていませんか?

今回は、牧草嫌いのうさぎちゃんにおすすめの牧草ペレットについてご紹介します。うちの子にも与えてみたので、そのレビューもv

うさぎに牧草は必要?うさぎはペレットだけでは飼えない理由

うさぎの食事の基本は、ペレットと牧草です。中にはペレットだけで飼育している人もいて、運良く何の病気にもかからなかった子と暮らしている方もいるでしょう。

ですが、それは本当に運が良かったか、飼い主さんがうさぎちゃんの異常に気付いていないか、です。

牧草を与える理由は、以下のように複数の意味があります。

  • 繊維質の摂取
  • 歯の伸びすぎ防止(不正咬合の予防)
  • ストレス発散にもなる

繊維質をとることで、便秘を二重の意味で予防してくれます。

ひとつめは物理的な繊維質による腸への刺激です。繊維質がお腹の中に入った毛などを絡めとって腸を刺激し、便として排出されることでお腹の中がきれいになります。

ふたつめは、腸内環境の改善です。善玉菌の中には繊維質をエサにする菌や、繊維質にくっついて腸まで移動する菌があります。善玉菌がお腹の調子を整えるのは、うさぎも人間も同じ。

また、牧草で繊維質をとる場合、どうしても多く咀嚼することになります。咀嚼によって歯と歯がこすれあい、ちょうど良い長さに整えてくれます。

牧草を食べて歯の伸びすぎを防止すれば、不正咬合や顔の腫瘍など、歯が原因である病気の予防にもつながります。

ところで、うさぎが退屈なときに、どういう行動をとると思いますか?いろいろなものがありますが、多いのが「何かを噛む」行為です。

ケージの網を噛んだり、トイレやエサ入れを噛んで持ち上げたり、自分のフン(食べる盲腸フンではなく、普通のコロコロしたほう)を噛んだり。

うさぎにとって、退屈を紛らわせるには、何かを噛む行為が効果的なんですね。牧草は適度に硬くて長いので、噛んで気を紛らわせるには最適です。

うちの子も、食べたくないけど暇だなあ、と言いたげに牧草を噛み切るだけ切って飲み込まないときがあります。

硬くて歯ごたえのある牧草ばかりを選んで噛み切って遊んでいるので、この歯ごたえが重要みたいです。

もちろん、栄養価的にはペレットが優秀ですし、うさぎにとって美味しく感じます。でもお腹のこと、歯のこと、ストレスのことを考えると、すぐに噛み砕けてしまうペレットだけでは不十分なのです。

硬いものを与えるだけだと歯の病気になる

じゃあ、かじり木を与えるから、牧草を食べさせなくても良い?と思う方もいるかもしれませんね。

私も一時期そう思ってたんですが、博物館でうさぎの骨格標本を見て以来、「ん?」とちょっと疑問に思っていました。

かじり木だけだと前歯は使いますが、奥歯は使わないですよね。うさぎの骨格標本を見ると奥歯もしっかり存在しているし、病気について書かれた本では、奥歯の伸びが原因の症例も多かったのです。

かじり木だけだと、奥歯のケアはできないのでは?と疑問に思っていたら、うさぎに詳しい講師(ペットフードの開発部にいた方)さんのセミナーで、その答えを知りました。

かじり木、やっぱり意味ないんだそうです・・・・・・っ!!

むしろ硬すぎて、前歯のケアにもならないのだとか。下手をすると口内を切ったり、前歯を痛めたりするそうです。

誤解しないでほしいのは、かじり木自体が100%悪いものではない、ということ。退屈しのぎに持ち上げて遊ぶ子もいるので。ただ、歯のケアとしては力不足のため、注意してください。

うさぎの専門店でも好評の牧草ペレット

以前、うさぎの栄養学についてのセミナーでうさぎの食事について学んできました。そのセミナーのお土産でいただいたのが、牧草の繊維質をできる限り残して作られた牧草ペレットです。

>>『うさぎ専門店でも売られている【チモシーのきわみ400g】

パッケージはこんな感じの、目立つグリーン。同シリーズで高繊維質のペレット「チモシーの恵」やグルテンフリーのペレット「うさぎのきわみ」も売られていますが、無理にこれらも買う必要はないですよ!

ペレットは今までどおりのもので十分(あ、でも安すぎて評判の悪いペレットは避けてください;)なので、牧草嫌いの子の繊維質補給のために、こういうのも検討してみてください。

この「チモシーのきわみ」、以前から店頭でパッケージは見ていたので知っていたんですが、うちの子は面倒くさそうながらも牧草を食べるのであまり必要性を感じていませんでした。

何より、パッケージ裏の成分的にどうなのかな、と思うこともありまして。

が、栄養学セミナーでこの商品に入っている成分に関係する内容も教わったのと、その主催者である専門店さんも高評価の商品なので、いろいろ調べてみました。

結論としては、与え方に注意すればすごく役立つ商品です!

では、栄養についての詳細やメリットとデメリットをご紹介していきますね。

ここでは「チモシーのきわみ」について書いていますが、今後似たような牧草ペレット商品が出てくるとも限らないので、牧草ペレット全般に当てはまることとして読んでください。

成分は安全?牧草ペレット「チモシーのきわみ」

通常の食事として与えているペレットにも当てはまることですが、選ぶ際は成分にしっかり注意しましょう。

たとえば「チモシーのきわみ」の場合、パッケージ裏の成分表を見てみると、以下のとおりでした。

  • 牧草(チモシー)
  • 糟糖類
  • にんじん
  • 食塩
  • 乳酸菌EC-12(殺菌処理)

成分表は配合量の多いものから順に書かれているので、この商品の場合、牧草が一番多く、乳酸菌が一番少なく配合されていることになります。

牧草ペレットなのでその点は良いのですが、気になるのが他の成分。2番目の糟糖類や4番目の食塩という文字に、ちょっと心配になってしまいますよね。

うさぎに与えるものに糖分や塩分なんて!と、私も「チモシーのきわみ」を店頭ではじめて見たときに心配になり、結局自分から買うことはありませんでした。

が、栄養学セミナーでサンプルをいただいて、うさぎ専門店(しかも介護や健康管理に熱心な店長さんのお店)が配布していることで、ちょっと見方を変えるきっかけとなりました。

専門店の方やメーカーの方など、いろいろなところに確認したところ、心配するほどではないということが分かりました!

糟糠類(そうこうるい)とは小麦ふすまなど、一般的なペレットでもよく原材料の一部にあげられる成分です。小麦を精製するときに出るもので、小麦粉を使う場合のようなグルテンの心配がありません。

よく小麦粉入りが良くない!というのは、お腹の中で発酵したりしてグルテン(パンをこねるときに生地がモチモチっとなる成分)ができて、お腹の毛と絡み合って溜まってしまうからなんです。

小麦ふすまを使うことで、このグルテンの発生を控え、ペレットを食べやすい硬さに成形してくれます。つまり、つなぎの目的で使われているそうです。

にんじん、食塩は嗜好性を高めてうさぎが「おいしい!」とバクバク食べてくれるように入れているそうです。

いやいや、にんじんはともかく、食塩っているー?て思いますよね。人間用のお菓子の成分表を見ても分かるように、食塩って甘いものに入れてもおいしいんです。スイカに塩かけると甘味が増すのと同じ。

成分表記に関する法律の範囲では、表記する必要のないほど、ごくごく少量の配合だそうで、うさぎちゃんに食べさせても問題はないとのことでした。

牧草をほとんど食べない子には牧草の代わりに繊維質を摂ってもらうのにいいですし、
牧草をしっかり食べる子は、健康的で安心してあげられるおやつとして食べてもらうのもいいですね。出典:うさぎ専門店ろっか(ブログ)

うさぎ専門店さんのブログでも、「成分が気になったけど、メーカーに聞いて詳細を知ったら安心できた」というような内容のお墨付きがなされています。

実はこの専門店さん、うさぎの介護セミナーにも参加されるほど熱心な店長さんのお店。

うさぎは可愛いよ!だけではなく、きちんとうさぎを健康に長生きさせられる飼い方をしましょう、と考えているお店です。なので、うさぎに良いものを紹介してくれます。

そんなお店でも「チモシーのきわみ」は食べて問題なしと判断されています。

「チモシーのきわみ」の与え方

ただし、やっぱり食塩が入っている以上、パッケージに書かれているように食べ放題で与えるのは止めたほうが良いそうです。

人間だって塩分とりすぎは良くないですからね。いくら少量でも、食べすぎると過剰摂取になってしまいます。

牧草嫌いの子も、そうでない子も、牧草をやめて「チモシーのきわみ」だけあげるのは、おすすめできません。

牧草には牧草の役割がありますし、あくまでその一部を補う代用品というか、補助食品が牧草ペレットです。牧草は食べ放題にして、牧草ペレットはほんの一握り分くらいの量にしましょう。

あとで詳しく書きますが、うさぎの嗜好性はものすごく高いです!

それでいて成分がシンプルで、グルテンの心配がないので、おやつとして与える手もおすすめです。甘いものをあげるのは心配という方も、食いつきの良い牧草ペレットなら安心できるおやつになります。

牧草ペレットのメリットとデメリット

便利な牧草ペレットですが、メリットの他にデメリットもあります。

☆メリット☆

牧草ペレットのメリットは、牧草嫌いの子が不足しがちな繊維質を手軽にあたえられること。

牧草嫌いの子は、別に牧草の味が嫌いというわけじゃないんですよね。嫌いだったら牧草が原料のペレットもそんなに食べないでしょうし(笑)

ただ、いろんな成分を入れて美味しく作られたペレットの味を知っていると、シンプルに草の味しかしない牧草を食べようという気にならないだけ。

牧草ペレットは、通常のペレットよりわざと荒めに作ることで、繊維質をしっかり残しています。それでいて美味しく作られているので、牧草より食べやすさもあります。

飼い主さん視点で見ると、牧草のように散らかりにくい&粉が出にくいので、掃除が楽です。牧草アレルギーの方も扱いやすいのは嬉しいですね。

☆デメリット☆

じゃあ、何がデメリットなの?と思うでしょう。そんなに警戒することじゃないですが、リスクもそれなりにあるんです。

ペレットと牧草を普段からしっかり食べる子なら、あまり問題ないのですが、牧草嫌いの子に牧草代わりとして牧草ペレットばかりあげるのは要注意。

「牧草を食べなかったら、美味しいおやつ(牧草ペレット)がたくさんもらえる!」と理解しちゃうと、牧草を益々食べてくれなくなります。

なので、牧草ペレットを代用品として与えるときも、牧草は牧草で与え続ける必要があります。食べてくれなくても、根気良く毎日あげましょう。

飼い主さんからすると全然減っていないように見えますが、意外と夜中にちょっとずつ食べてたりしますよ!

また、牧草とは形状や硬さが違うので、奥歯の不正咬合を予防できる効果は微妙なところ。うさぎは歯が命なので、歯の病気予防のためにも、牧草は牧草で与え続けてください。

うちの子に牧草ペレットを与えてみました!

セミナーでせっかく牧草ペレット「チモシーのきわみ」のサンプルをいただいたので、うちの子にも試してみてもらいました。

中身はこんな感じ。ペレットより若干太めに、そして長めにできています。

アップにすると分かるかな?表面がキューティクルの痛んだ髪みたいに、ところどころ細かく割れ目がありますね!荒い繊維質がしっかり残っている証拠です。

さっそく愛兎さっちゃんを呼んでみました。

さっちゃん「サササッぱくっ!!もそもそもそ・・・」(・×・)<うまっ

おおっ、走ってきたうえ、躊躇なく食いついた!

これはものすごく珍しいことです。というのも、うちの子は好奇心旺盛なくせに警戒心も強いというネザーランドの特性がばっちり出た性格をしています。

いつもなら新しいおやつは、においをかいで、しばらく置いて、他に食べるものがないときに、そ~っとかじってみる。というスタイル。

こんなに躊躇なく、においの確認もせずに飛びついて食べたのははじめてでした。それくらい香りが良いのかもしれませんね。私からすると草のにおいしか感じないんですが・・・。

我が家は牧草も食べるので、おやつ代わりにあげることにしました。なので、朝夕にそれぞれ3本ずつくらい。少ないくらいでちょうど良いかな、と。

できれば小分けタイプもできてほしいんですが、今のところ通常パッケージのみの展開みたいです。

こんな感じ。ペレットの袋くらい大きいので、すぐに無くなることはないかと。

牧草ペレットの上手な与え方とうちの子に与えた感想まとめ

牧草の代替品として牧草ペレットを使う場合、あくまで「繊維質の摂取」効果を期待するものだと理解した上で与えてください。

不正咬合を防ぐ(歯の伸びすぎを予防する)効果は、あまり期待できません。

また、管理人は「チモシーのきわみ」しかまだ使ったことはありませんが、牧草ペレットに含まれている成分によっては、パッケージに書かれている分量が適量ではないことも考えられます。

ペレットと同じように、うさぎちゃん個体に合わせた量を与えましょう。

我が家の場合、牧草も食べるのでおやつ感覚で少量あげています。市販の砂糖もりもりなおやつをあげるより安全です。

警戒心の強いうちの子もパクッとすぐに食いついたので、嗜好性は抜群。個人的にもおすすめできそうだな、と感じる商品でした。

☆今回試したのは、牧草ペレット「チモシーのきわみ」☆

>>『チモシーのきわみで牧草嫌いの子のお腹と歯をケアしよう

 

※牧草についての詳細は、別のページでまとめています。1番刈りや2番刈りの意味、特長、牧草の選び方などは、そちらのページをご覧ください。
>>『うさぎ用エサの選び方~最初の牧草は1番刈りがおすすめ~』へ

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