タクシー運転手時代のブラック罰則研修 大声訓練やトイレ掃除、草むしり
今回は私が在籍していたタクシー会社での体験談です。
この会社では社員(運転手)が規律違反や自責事故等を起こした際に果たされる罰則的な意味合いの研修をご紹介致します。
尚、ここで紹介するものはあくまで私が在籍していた当時のものであり、現在及び他社に至っては同じような事が行われているかどうかは分かりません。あくまで当時の体験談としてご参考ください。
罰則に当たる事例とは
私が在籍していたタクシー会社には当時、数々の罰則が設けられていました。事故や違反は勿論の事、社内での働き方やお客様からのクレームに対しても罰則という名目の研修が待っていました。ではどのような事例が罰則に当たるかと言いますと、
自責事故、交通違反
これらは文句なしにアウトです。車のボディを軽く傷つけてしまってもです。タクシー会社にとって車は商売道具の最たるもの。それに傷を付けたりへこませたりした街中を走らせる事は言語道断なのです。
お客様からのクレーム
お客様から会社当てにクレームが入る場合があります。多いのはマナーがなっていない、道をよく間違える、必要以上に話しかけてくる、予約時間に大きく遅れる、等々。お客様を怒らせてしまうものすべてがクレームの対象という訳です。
社内規定違反
会社には数多くのルールがありました。まず、予約連絡が入ったら有無を言わさず「OK」サインを入れる、入れ忘れたらアウトです。
たまにお客様へドアサービスを行っている間に予約は入ってきて「OK」サイン入れ忘れでアウトにされかけた事もありました。そういった時はすぐに予約センターに電話を入れて事実を釈明します。本当に気が抜けないのです。
あと、走行時のスピード違反規定、休憩を正しく取らなかった規定、その日の日報の記載内容の誤りの多さなど、ありとあらゆる規定が運転手を拘束していたのです。
罰則の中身
あくまで当時行っていたものです。今現在は分かりません。
あまりに克明に具体的過ぎて紹介しますとどこの会社か一発で分かってしまいます。(まあ、ここまでの紹介でうすうす、もう分かっていらっしゃる方も多いでしょう)
なるべくぼかした書き方になってしまいますから、ご容赦くださいね。
大声訓練
正に戦時中を思わせるような研修、というか訓練です。会社の近くにはおあつらえ向きに河原がありそこが格好の研修の場となります。
ここならいくら大声で怒鳴っても誰にも苦情は入りませんからね。ここで当日、研修の対象者が次から次へともうこれ以上出ない、というくらいの大声を張り上げます。
言う中身は社則や安全運転規約など。どの文言も結構、長文なので暗記するのも大変でした。教官のOKが出るまで延々と続く、本当に地獄の訓練です。女子にはとても任せられない内容ですね。
トイレ及び社内、社外の大掃除
これも研修名目で果たされます。この会社はとにかく美意識には厳しい会社でした。トイレ掃除も手を抜いた形跡があったら何回でもやり直しです。
床や便器に水滴が残っていたらアウトです。夏場もきついですが冬場も更にきつい、昭和の精神を残したストレスの溜まる研修でした。
その他にも会社のタクシー置き場周辺の草むしり(これが結構、大変な重労働で、雑草が頑丈で抜き取れません。おかげで親指を痛めてしまった記憶があります)、事務処理の手伝いなどありとあらゆる研修名目があったのです。
さいごに
如何だったでしょうか?私が在籍していた当時の記憶を元に罰則規定に基づく研修について紹介して参りました。
この研修が果たしてその後の業務にどれほどいい影響を与えてくれたのかは、分かりません。最もハッキリと言えることは、もう二度と大声訓練だけはゴメンだ、という事です。
50歳を過ぎて限界を超える大声は本当にきついですよ。脳の血管が切れそうな思いでしたからね。事故や違反、皆さんも重々、気をつけましょうね。

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