日産自動車法令違反による株価への影響【今買うべきか?今後の見通し予想】

世界有数の自動車メーカー日産自動車の法令違反が世間を騒がせていますね。

奇しくも神戸製鋼と同時期に不祥事が起こり、メイドインジャパンの信頼は過去の物なのか!?と囁かれています。

このブログを読んでいる方の中にも不安に感じている方も多いことでしょう。

でも、投資の世界ではピンチは安価に銘柄を仕込むチャンスとも言えます。このブログでは、不祥事の真っ只中にいる日産自動車の投資価値を私なりに分析してみました。

貴方の投資のお役に立てれば嬉しいです。

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日産自動車とは?

日本人なら知らない人はいないとおもいますが、まずは日産自動車について整理してみます。日産自動車はヨーロッパ最大の自動車メーカー ルノーを親会社に持つ自動車メーカーです。

そして、日本の他の自動車メーカーと同じく、地元の横浜に本社があり地域経済に大きな影響を与えています。

1933年に創業してから着実に成長を続けていて、今では日本の東証1部に上場しており日経225にも採用されています。

また、今年の始めに三菱自動車の不正を国土交通相に提言して、株価が下がった所で買収するというウルトラCを行い世間を賑わせたのを覚えている方も多いのではないでしょうか?

まさに名実ともに日本を代表する企業です。

私は同社は世界に先駆けてEV(電気自動車)の量産販売に成功しており、ヨーロッパや中国が将来の国内の自動車販売はEVのみのにシフトしていくと公言している中で、今後自動車市場で大きくシェアを拡大していき頭角を現していくと見ています。

財務から見る日産自動車

日産自動車の財務は先行投資が嵩み負債率高いです。

とは言っても、EV自動車・自動運転といった新技術の開発が死活問題、となる自動車メーカーで先行投資をケチっていたら、そっちの方が不安になります。

そして、この負債率を除けば日産自動車の業績は着実に拡大しており、更に先行投資はEV自動車 リーフとして開花しているので、日産自動車の未来は明るいと予想されます。

今回の法令違反・不正の詳細

今回の日産自動車の法令違反は、有資格者しか行うことができない完成前検査を、現場では無資格者が行いあたかも有資格者が検査を行ったかのように偽装していたというものです。

しかも、国に法令違反を指摘された後も、無資格者に検査を行わせていたという全く反省していない実態を国に見抜かれて追加制裁を受けるという体たらくです。

株価チャートで日産自動車の法令違反の影響を振り返る

チャートを振り返ってみると、一瞬大きく下落していますが直ぐに株価は回復しています。

これは多くの投資家が、法令違反の影響は大きくないと見抜いていたからだと思います。

でも、もし法令違反が中国や米国といった販売台数が日本よりも格段に多い地域で起こっていたら、もっと大きな問題になっていたかもしれないですね。

法令違反が日産自動車に与える影響は?

今回の法令違反が日産自動車に与える影響は軽微です。

日産自動車からの発表では今回の損失は400億円想定しているとアナウンスされましたが、日産自動車の規模からすれば400億円は大した額ではありません。

それに、日産自動車の世界での販売割合を日本を1として表すと

  • 米国3.5
  • 中国5
  • 日本1
  • ヨーロッパ3.5

となります。

日本人にはショックかもしれませんが、日産自動車の主な収益源は中国・米国・ヨーロッパであり、本拠地があるとはいえ日本の重要度は低いです。

この日本で多少製造販売が滞っても、他の市場の動向の方が全体に与える影響は圧倒的に大きいので、今回の影響は業績の誤差の範囲入ってしまうでしょう。

因みに殆どの自動車メーカーの国別販売割合は似たり寄ったりです。

つまり、自動車メーカーは収益の殆どを海外市場に異存しているので為替の影響を強く受けます。

今後の日産自動車を大胆予想

日産自動車は他の自動車メーカーと比べてEV自動車分野で一歩リードしており、今後世界の自動車市場がEV自動車にシフトしていくと予想される中で、将来の業績拡大が期待できます。

自動車販売地域も広がり分散している上に、苦手としていたアジア地域での販売も三菱自動車の買収によって現地での販売網とブランドを獲得、さらなる販売台数の上積みが可能となりました。

業績を抑えるような懸念も見当たらず、反面ポジティブな要素は満載ですので、私は今後の日産自動車は大きく飛躍していくと予想します。

私の日産自動車への投資方針

私は日産自動車を将来的にポートフォリオに組み込みたいと思っています。

現状でも日産自動車の配当利回りは4%を超えており、今回の法令違反では5%に迫る所まで行きました。

今後何らかの理由で配当利回りが5%を超える場面が来たら、タイミングを計って購入します。

同様の法令違反があったSUBARUについて

日産自動車の法令違反を受けて、国は他の自動車メーカーに対して同様の調査を行いました。

残念ながら、そこでSUBARUが同様の法令違反を行なっていることが発覚しました。

若干株価は下がりましたが再度上昇、その後、大きく株価を下げていますが、これは米国・中国での販売台数の引き下げが要因です。

つまり、SUBARUも日産自動車同様に販売台数は海外市場の方が日本市場よりも格段に多いので、法令違反による業績の影響は軽微で株価に大きな影響を与えることは無かったようです。

最後に神戸製鋼と日産自動車の違いについて

同様のタイミングで不祥事を起こしましたが、問題後の展開は神戸製鋼と日産自動車で大きく異なります。

この差は何なのでしょうか?

私が思うに問題が及ぼす業績への影響が計算できるかできないかという所が両者の違いになっているのだと思います。

日産自動車は、全体から見ると販売台数の割合が低い日本市場で数週間の製造販売の中止ですので業績への影響は軽微だと考えられます。

しかし、神戸製鋼は自社の基幹事業の偽装であり、損害賠償請求がどこまで広がるのか想定できず業績への影響は未知数です。この違いを投資するかどうかの決断を迫られた時に検討する要素の1つとして覚えておくと、きっとより良い投資判断を行えるでしょう。

神戸製鋼も日産自動車、どちらも日本を代表する企業なだけに、今回の問題が早く上手く解決されることを願っています。

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