ホクロ除去で心配なのが、傷跡が残らないかどうかです。
中には私のように、「ちょっとしたことで傷跡が残るから、目立つ場所のホクロ除去は心配」という方もいるのではないでしょうか。
そういう方って、自分のことをケロイド体質(傷が残りやすい体質)だと思っていませんか?
- ケロイド体質って何?
- ケロイドになる原因は?
- ホクロ除去後の傷跡のリスク
今回は、この3つに焦点を絞って、解説していきますね!
Contents
ケロイド体質とは?
ケロイドとは、傷跡や手術の痕などが、ぷっくりと膨れたり、赤いまま残ることです。
似たような症状に肥厚性瘢痕(ひこうせいはんこん)というものがあります。同じように傷跡が膨らんだり赤くなったりするものですが、時間の経過とともに症状が落ち着きます。
膨らみが落ち着き、赤みが薄くなって、傷の部分も柔らかくなります。
この赤みは、皮膚が炎症しているために起こります。肥厚性瘢痕よりも炎症が強く、いつまでも症状が残ってしまうのが、『ケロイド』です。
ケロイド体質とは、つまり、このケロイドができやすい人のことをさします。
肥厚性瘢痕との違いは治る速さだけではなく、症状にも出ます。
ケロイドの場合、炎症が強いことから、時々かゆみや痛みを覚え、ひどい場合はケロイド化した皮膚の中に膿ができることもあります。
ケロイドができる原因
ケロイドができる原因は、外的な刺激です。
ホクロ除去も含む手術や、怪我によってできることは多くの人が想像できるでしょう。
しかし、中にはごくごく小さな傷や虫刺されがケロイド化する人もいます。私も虫刺されやニキビがケロイド化しました。
外的な刺激を受け、皮膚が再生するときに、必要以上に皮膚の繊維が作られてしまった結果、肌がぷっくりと膨らみます。
傷のあった部分のみが膨らんだり赤くなったりする場合は肥厚性瘢痕(ひこうせいはんこん)で、時間とともに赤みなどが落ち着きますが、ケロイドの場合、傷跡の範囲より広がります。
正常な皮膚まで赤みなど症状が広がり、皮膚の深い部分にまで達するため、炎症はなかなかおさまりません。何年経っても膨らみや赤み、かゆみや痛みが出ます。
ケロイドができやすい人
ケロイドができやすい人は、生まれつきケロイド体質だったケースだけではありません。
体質の変化や、日頃の習慣などがケロイドのできやすい体質に変えている場合も多いのです。
- 遺伝や体質的なもの
- 女性ホルモンによるもの
- 高血圧の人
- 全身的な炎症反応(サイトカインストーム)
- 飲酒や運動の習慣がある人
生まれつき、あるいは体質の変化などでケロイド体質になるのは、たとえばこの5タイプの方です。
親子でケロイド体質にある人が多いことから、遺伝的な要因があるのでは、と研究が進んでいます。現在はまだ、遺伝の何がケロイド体質にしているのかは不明ですが、有色人種に多い傾向があります。
ひとつの可能性として、アレルギー疾患を持つ人にケロイド体質が多いことが分かっています。
体の他部位に、落ち着くまで1年以上かかった瘢痕がある人、何らかのアレルギー素因がある人などは、ケロイドになりやすいと言われています。
出典:日本形成外科学会
女性ホルモンのバランスが関係しているケースもあり、思春期や妊娠中に急にケロイドができやすくなる人もいます。
ちなみに女性ホルモンは、男性の体にも存在するため、ケロイド体質になるリスクに性別は関係ありません。
他にも、日本創傷外科学会の発表では、高血圧・全身的な炎症反応・飲酒や運動の習慣があげられています。
いずれも原因を大まかに説明すると、『血管拡張などによる血流が早くなったこと』とされています。
飲酒や入浴、運動後に肥厚性瘢痕やケロイドの痛みを訴える患者さんは多いです。
これには血管が広がったり、血液の流れが速くなることなどが関係していると思われます。
よって、過度の飲酒や、キズに力が加わるような運動は避けることが必要です。
出典:日本創傷外科学会
↑これは、飲酒や運動の習慣がある人についての解説ですが、高血圧や全身的な炎症反応のある人についても似たような解説がされています。
ケロイド体質だとほくろ除去後の傷跡は残りやすい?
ケロイド体質の方は、ホクロ除去の手術も傷跡が残るのでは?と心配になります。
実際、私もケロイド体質なので心配していたのですが、結果的に傷跡はきれいに治り、ケロイドにはなりませんでした。
その理由は以下のとおりです。
- 炎症をおさえる薬を塗っていた
- 傷をテープで押さえていた
- 傷が治りやすい部位の施術だった
ケロイドになると、内部は炎症状態が続きます。炎症自体は手術や怪我で誰でもなるものですが、通常は時間の経過とともにおさまってきます。
塞がった傷の中で炎症が何年も続くのが、ケロイド状態です。
私はホクロ除去の後、クリニックで処方された薬を塗っていました。薬は2種あり、手術直後は傷の治癒を促すクリームで、傷がふさがった後は炎症をおさえるクリームでした。
ケロイドの原因のひとつが外的刺激なので、手術で負った刺激を悪化させないためのクリームは役立ったと思います。
また、傷をテープでしっかり押さえていたことも良い効果をもたらしたと思います。
その理由は、ケロイド対策のひとつに『傷を上から圧迫して盛り上がらないようにする』方法があるからです!
ホクロ除去の施術から、傷がふさがるまでの2週間ほど、ずっとテープを貼り続けていました。
結構厚みや硬さのあるテープで、上からしっかり傷口を押さえてくれたことが、結果的に大きな効果をもたらしたと実感しています。
もうひとつ、ホクロ除去前に担当医に相談して言われたのが、「傷が治りやすいところだから大丈夫でしょう」でした。
私がホクロ除去をしたのは、頬の部分でした。顔は体に比べると傷の治りが早いらしく、ケロイド体質でも傷跡が残る心配がなかったのです。
これらの経験と医師からの助言により、ケロイド体質の人でも、部位によってはリスクが減るし、きちんと対策や治癒を行って入れば、ケロイド化する心配はないことが分かりました。
※管理人の傷跡の状態は、ホクロ除去体験記シリーズで写真付きでご紹介中です。傷の写真が平気な方は、そちらもぜひご覧ください。
→→『ホクロ除去体験記』カテゴリートップへ
ほくろ除去でケロイドを作らないための治療のコツ
先に一部フライングしちゃいましたが、改めてケロイドを作らないための対策をご紹介します。
ケロイド体質の方が傷を負ったり手術した後にできるケロイド対策は以下のとおりです。
- 傷跡をテープなどで固定する
- 炎症をおさえる薬を利用する
- 外的刺激から守る
基本的な対策は、この3つです。
傷跡をテープなどで固定することは、上から押さえつけるだけではありません。
大きな傷の場合、動くだけで筋肉や皮膚に動きにつられて、傷があらゆる方向に引っ張られます。そうなると傷口が広がったり、新たな細胞をたくさん作る要因となり、ぷっくり膨らんだケロイドになってしまいます。
手術や怪我で炎症の激しい傷を保護するのは、傷口からバイ菌が入らないようにするためと、ケロイド化しないためでもあります。
また、炎症がいつまでも残っていると、皮膚の深い部分にまで影響し、ケロイド化してしまいます。それらを防ぐため、炎症をおさえる薬も必要です。
ホクロ除去の場合、クリニックで専用のクリームが処方されることが多いです。処方されたクリームをしっかりと塗り続けましょう。
傷がふさがった後は面倒に感じるものですが、ケロイド化させないためには、治療が終わる(傷跡がきれいに消える)まで塗り続けてください。
最後に、重要なのは外的刺激から守ること。
これには傷口が引っ張られたりすること以外に、乾燥などのダメージも含みます。
傷口がふさがると、医師によってテープを外して良いと言われます。その後は皮膚が乾燥しないよう、しっかり保湿ケアを行いましょう。
保湿用のクリームを処方してもらった場合はそれを使い、何も処方されなかった場合は、化粧水やボディクリームなどで肌のうるおいを保ちます。
乾燥した肌はホクロ除去後の傷跡自体も治りにくくなるため、傷跡を早く治すためにも保湿が重要です。
ケロイド治療は何科?診療科の選び方
対策をきちんと行っても、ケロイド化してしまうことがあります。
ホクロ除去を行ったクリニックが傷跡治療などに強いところであれば、そのままクリニックに相談するのも良いでしょう。
しかし、クリニックによっては専門外となる可能性も。そのような時は、どの診療科に行けば良いのか分からないですよね。
- 皮膚科
- 形成外科
- ケロイド外来
ケロイドの治療相談ができるのは、この3つの診療科です。おすすめは形成外科か、ケロイド外科。
皮膚科もケロイドの治療を行ってくれますが、傷跡治療に強いのは、やはり専門家の集まる形成外科です。
傷跡もケロイドも形成外科の分野
形成外科は、事故などによる傷跡をきれいに治してくれる診療科です。
似たような名前の整形外科とどう違うの?と思ってしまう人も多いのではないでしょうか。
整形外科は、簡単にいうと「体の機能を治療する」ことを目的としています。形成外科も機能治療は重視しますが、何より得意なのは「見た目の治療」です。
生まれつきや事故で欠損した体の見た目を補ったり、ヤケドやケロイドのできた肌をきれいに治したりしてくれます。
実は美容整形も、この形成外科の一分野として誕生しました。
そのため、実力ある美容外科医は、形成外科の知識や経験も持っています。(逆にいうと、形成外科出身じゃない美容外科医はちょっと注意かも…)
美容外科で傷跡治療を行っている医師の多くも、形成外科出身だったり、形成外科を併設する美容外科出身だったりします。
形成外科を併設する美容外科クリニックで診療を受けるのも良いですね。保険が必ず効くとは限らないので、事前に自費治療となるかどうかの確認が必要ですが。
一般的な形成外科の場合、ケロイドやケロイドに似た肥厚性瘢痕(ひこうせいはんこん)は、健康保険適用による治療が受けられます。
ただし、単純に見た目が悪い(盛り上がってはいないが、赤みが残っている。凹んでいる)程度の傷跡は、一般の形成外科でも保険が使えない可能性があります。
まずは本当にケロイドなのか(もしくは肥厚性瘢痕なのか)を診断してもらってから、保険適用できるかどうか確認すると損せずに済みます。
気になった傷跡は、形成外科やケロイド専門のケロイド外来で、一度診察を受けてみましょう。
まとめ~形成外科があるクリニックがおすすめ~
ケロイドは、通常の傷跡とは違い、いつまでも皮膚の中で炎症が続いています。そのため、専門的な治療が必要です。
傷跡治療のクリニックもありますが、保険適用で安く治療をしたいなら、形成外科がおすすめです。
一般的な形成外科の診療時間だと、仕事が忙しくて間に合わない!という方は、形成外科を併設している美容外科クリニックに行く手もあり。
美容外科なら日曜も診療しているので、比較的通いやすいです。形成外科出身の医師なら、安心して任せられます。
当サイトで口コミ情報をご紹介しているクリニックの中にも、形成外科併設のクリニックがありました。
興味のある方は、そちらもせひチェックしてみてくださいね。下のリンクから飛べます。
→→『おすすめのほくろ除去クリニックまとめ~傷跡が残らない評判の美容皮膚科(レーザー治療)~』へ
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