ドイツ銀行の経営破綻の可能性はあるのか?為替への影響と投資法について
2018/04/24
ドイツ銀行の経営破綻危機が懸念されています。
9月30日、ヨーロッパの主な株式市場は、ドイツの金融最大手「ドイツ銀行」の経営不安がヨーロッパの金融システムに影響を与えるのではないかという懸念から売り注文が膨らみ、各市場で株価が大きく値下がりしました。
経営不安を受けてドイツ銀行の顧客のヘッジファンドの一部が資金を引き揚げていると伝わり、ドイツ銀行の株価が取引開始直後に8%以上急落したことから、この問題がヨーロッパの金融システムに影響を与えるのではないかという懸念が広がって売り注文が膨らんでいます。
この一連の動きの切っ掛けとなったのは、米司法省が住宅ローン担保証券(MBS)の不正販売を巡りドイツ銀行に和解金として140億ドル(約1兆4000億円)を支払うよう提案したとウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)が報じてからここ数週間で、同行の株価は急落しています。
ドイツ銀行が立て直すのか、それとも破綻するのかは、正直五分五分と言った感じで判断が難しいですが、人々の頭の中にはアメリカの証券会社・リーマンブラザーズの経営破綻があります。
あれから8年が経過して、再び同じような悲劇が発生してもまったくおかしくありません。あの時も、最大の要因というか切っ掛けになったのは、ヘッジファンドがパニックで大量に資金を引き上げた事でした。
今回のドイツ銀行も、さらにヘッジファンドが資金を引き上げる事になれば、破綻も十分にあり得ます。
Contents
為替への影響と投資法
前記しましたがドイツ銀行の破綻の可能性は十分高いですが、だからと言って絶対ではありません。
しかし、何よりも怖いのは金融危機というのは、大体10年に一度程度で起こっています。そう考えると、そろそろ発生してもまったくおかしくなく、これがイギリス離脱後のユーロ崩壊の序章となる感じもする事です。
まず現在のドイツ銀行の株価をチェックしてみます。
(記載元:ブルームバーグ https://www.bloomberg.co.jp/quote/DBK:GR)
上記株価チャートからも、今年に入ってから大きく安値を更新しているのが分かります。本当ならこれだけで、十分危険だという事が認識できます。大会社の中でも、大手銀行株が大量に売られるという事は只事ではないと、素人でも判断ができます。
それだけ危機が迫っている、という事なのです。
次に為替をチェックしてみます。
(記載元:GMOクリック証券)
ユーロ/円の直近、数週間の動きを見ているとあまり深刻にも感じられません。
これは、相場としてドイツ銀行もありすが、それよりもアメリカの大統領選挙などに関心があり、そちらが注目されたという事でしょう。
しかし、まだ確定していませんが、今のままならヒラリー・クリントン氏で決定という流れなので、後は消化試合とも言えます。それは俄然、世界の目はドイツ銀行に注目が集まるという事です。
普通に考えると、ドイツ銀行が仮に破綻や破綻的状況に陥ったら、株価は全面安、そしてユーロ安の円高になると想定できます。常日頃から円高になると予想していた私としては、さらなる確信となりますが、これには注意も必要です。
まず、最新の報道を見ていると、ドイツ銀行の破綻が和らぎ、株価やユーロの動きが持ち直しているとされています。
また、リーマンショックを経験した事で、同じ轍をもう一度踏むとは考え難いという事です。人々が賢いのなら、大統領選挙がある年やイギリスが離脱してダメージあるユーロで、さらなる追い打ちを掛けるような事をするのか、という事です。
このような時の投資法としては、基本に返る事が大事です。まず、どちらかに直感で賭けるのは止めるべきです。
そして、ユーロの為替チャートとドイツ銀行の株価を最低限、一日1回はチェックするべきです。そして余裕があるなら、為替も含めて複数の関連株価をチェックするべきです。ドイツ銀行と関係が深い株価も調べれば、さらなる安心と言えます。
ちなみにドイツ銀行株は大手証券会社でも取り扱っていません。ドイツ銀行株はサクソバンク証券のCFD口座で売買可能です。
参考:ドイツ銀行の株を買う方法 ~破綻危機で株価暴落で投資のチャンスか?~
最後に
本来ならドイツ銀行は破綻する! いや絶対に破綻しない!と、どちらかに強く意見を述べるのが、読者の皆さんとしては嬉しいはずですが、未来が不透明なのが現実です。
それでも敢えて言うなら、投資というのは自信がない時は逃げるのが無難です。
特に、ドイツ銀行の様なビッグバンクが破綻するとしたら、その影響はとんでもない事となるでしょう。リーマンショックの時には、世界経済が大混乱となったのです。その事を少しでも思い出して、投資に挑んで下さい。