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トルコ情勢悪化!クーデターによる為替への影響、今後の見通しについて

クーデターの概要、そして一般論

AFP通信やロイター通信によると

<16日、トルコで軍部の一部がクーデターを試みたが、エルドアン大統領の訴えで市民がデモに繰り出し、結果的に政権転覆を試みた軍の一部勢力によるクーデターを鎮圧し、国政の制御を取り戻した。民間人とクーデターを企てた軍人らを合わせて265人が死亡した>

クーデターは未遂に終り、一先ず安心ですが今後については大きな懸念材料となりました。

その理由として、トルコの先行きが一層不透明になったからです。一般的にクーデターなどが発生すると、その国の経済だけでなく近隣諸国や日本にも為替は株価に影響を与えます。

「クーデター発生国の信用不安で通貨安、円高へ」

これが一般的な予想であり、多くの人はこのような結果を想定すると思います。しかし現実には、また違った結果となる事も多々あるのです。それが、経済や如いては為替の難しい面でもあります。

そもそもクーデターとは?

主に発展途上国で時折発生する、軍事的な暴力による政権転覆を図った反乱や内戦の事です。

最近では2014年5月にタイで発生しました。しかし、その時も当初は大きな混乱が発生したように報道されましたが、株・為替共に寄りつきだけ下落しましたが、その後は反発したのです。

ここに、今回のトルコに関しても大きなヒントが隠されていたのかも知れません。

クーデター発生、為替への影響 翌週7/18(月)のチャートを振り返る

クーデターが発生したのは、15日夜(日本時間16日未明)であり、その時のチャートを見て見ましょう。

toruko1(引用元:楽天証券)

上記チャートからも急激な円高が分かると思いますが、翌週には円安に回復しているのが分かると思います。次に日足チャートを見てみます。

toruko2(引用元:楽天証券)

7/15は確かに、大陰線となっているので、そのクーデターの大きさが伺いしれますが、それよりも6/26のイギリスのEU離脱投票結果の方がインパクトが大きかった事が分かります。

自国のクーデターよりも、他国のEU離脱の方が為替チャートで衝撃があるというのは、何とも複雑な思いです。

それには、このような背景もあります。

トルコは過去に3度のクーデターが発生し、さらに今回は速報として報道されてから4時間後には"未遂”で終わったと発表されたからです。あまりにもお粗末な展開で、市場にインパクトを与える衝撃がなかったのが本音なのでしょう。

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(引用元:GMOクリック証券)

クーデター発生後の東京市場も、米ドル/円・ポンド/円・ユーロ/円共に窓開けとなり大きく円安で始まり、一安心となりました。今回のトルコのクーデターは、大きな混乱もなく終焉となったと判断できます。

トルコリラ今後の見通しについて

しかし、本当に安心だと思って良いのでしょうか? 個人的には、マイナス面での不安があります。

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(引用元:楽天証券)

まずトルコリラ/円は長期的な円高トレンドとなっています。この前のイギリスのEU離脱ショック時に、史上最高値を更新しています。

今回のクーデターが、長期化していれば、間違いなくもう一度更新していたでしょう。云わば、不幸中の幸いだったのです。

さらに、これはどの国にも言えますが、フランスのテロなどイスラム国の脅威や、世界経済の不安定さが大きいかぎり、クーデターなどが多発する不安定なトルコなどの弱小国は、一層のリスクが高まります。

南アフリカランドとトルコリラのFXを徹底比較【リスク、スワップ加味するとどちらが有利?】では、トルコのEU加盟などウルトラCの可能性も、少し期待できると書きましたが、その可能性は現実的にかなり難しいです。

難しいというより、不可能と言っても良いでしょう。EUという白人至上主義の中に、敢えて危険なトルコを加盟するなら、泣き付いてもイギリスに残ってもらうなり、スコットランドや他の東欧諸国を加盟させた方が、よっぽどマシかもしれません。

最後にクーデータの一般的な影響について

同じくクーデターが定期的に発生するタイのチャートを振り返ってみます。

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(引用元:Investing.com)

タイでは2014年5月にクーデターが発生したので、その後は円安に振れて、暫くしてから円高に再び動いています。これだけでトルコと比較するのは短絡すぎますが、あまり期待を持つのも安直な考えだと思えてなりません。

何度も言っていますが、経済や為替は生き物なので、判断は難しいですが長期的な投資は慎重に行ってください。それでも逆に考えると、イギリスの離脱ショックとクーデターを持ち応えたので、これ以上の円高が考え難いとも捉える事ができます。

もう一度の円安に振れる、長期的なトレンドを期待するのも、まったくオカシナ話でもないのかも知れません。

トルコリラに投資するならFXで堅実に

上述の通り、トルコリラは今後も急落リスクがありますが、金利も高く、投資対象として人気の通貨になっています。

今後も急落の可能性のある通貨ですが、今回のクーデターのようなケースの場合は下落は一時的なものと見込まれますので、急落時の底値を狙って買う投資法が有効かもしれません。

トルコリラはくりっく365で取扱いが始まる等、FX市場が整備されてきています。トルコリラはFXで投資するのがコスト的にもお勧めですが、リスクのある通貨ですのでレバレッジは低く運用することが必要です。

トルコリラFX投資については「トルコリラFXで堅実にスワップ金利収入を稼ぐ方法を検証しました。」の記事がわかりやすくて参考になります。