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世界経済 各国の情勢

中国株式の大幅下落は世界的暴落相場の呼び水か?見え隠れする1937年の亡霊

週明け以降の金融相場の状況に市場は固唾を飲んでその推移を見守ることとなっています。すでに9月米国利上げの可否の問題ではなく、世界的な景気減速の中で中国相場の下落が呼び水になってもう一段大幅下落があるかもしれないと予測する向きが増えてきているからです。

下げ3波~大きな下落はこれからか?

9月は例年米国の株式相場が大きく下げる時期といわれます。これはアノマリーというよりも事実としてそうなっているわけで、その時期にこの中国経済不安がのしかかってきている非常によろしくない状況です。

結論から言えば中国経済の話はどれだけ悪化しているかよくわからないのが実情であり、9月という中国の政治的な人事入れ替え、粛正の時期も手伝ってさらに悪い結果が作為的に公表される可能性も高いといえます。

坂田五法のころから下げ3波といって、大きな下げはさらにこれからやってくる可能性が高い状況となっています。リーマンのときもサブプライムでひとしきり下落して落ち着いたところで底かと思って買ったらどん底がやってきたという厳しい経験をお持ちの方も多いと思いますが、下げるとすればまだこれからという可能性は高まっているとも見える状況です。

米国下部の高値安定は企業の自社株買いが大きなサポート要因だったのか?

今年はほとんど押し目を作らず高値水準で安定的に推移してきた米国ダウの株式相場ですが、通常の投資家でも手が出しづらく、ヘッジファンドが扱ってもちっとも儲からない相場状況のなかでいったい誰が株を買い進めてきたのかという疑問に答えるひとつのデータがあります。

外部の調査機関が発表した数字では、米国企業は2015年3月末までの1年間に5000億ドル以上の自社株買いを実施しているといわれます。異常低金利を背景にたM&Aの実施と自社株買いが買いの主力であり、これが株価を支えてきた可能性はきわめて高いのです。

しかし、直近でソシエテ・ジェネラルのクォンツアナリストが700社を対象として調査してみた結果、今年第2四半期の自社株買いの金額は前期比20%減少、前年同期も当然大きく下回ってきていることが判っています。S&Pダウ指数の構成企業では、第2四半期の自社株買いは第1・四半期より30%近く下落しているという結果がでています。

つまりゼロ金利の終焉はこうした莫大な企業の自社株買いを終焉させる可能性が高く、しかもこの9月に暴落が起きれば完全にそのニーズは市場から消えることになるというわけです。つまり株価の下支えを失う格好となるのです。

下げに順張りでついていくかド底値で買い向かうかそれが問題

新債券の帝王としてその投資行動が注目されるダブルライン・キャピタルのジェフリー・ガンドラックは、8月19日のロイターとのインタビューで、ジャンク債価格が4年ぶり低水準近辺で推移している時に利上げを実施することはかなり危なく、中国は大きな懸念材料となり、FRBが9月に利上げに踏み切れば引き締めサイクルという名のパンドラの箱を開けることになると警告を発しており、注目を浴びています。

また過去30年でもっとも利益を上げてきたヘッジファンドのブリッジ・ウォーター・アソシエイツ・CEOレイ・ダリオは既に春先から、現在は1937年頃と同じ状況で米国は利上げを急ぐべきではないとの見解を示し、利上げをすれば1937年~1938年の再来になる可能性があると警告しています。

直近でも、金融緩和する余地がなくなったときに起き得る市況悪化のリスクに十分な注意が払われていないと厳しい指摘をしています。彼自身は年後半にかけて投資額を絞って成り行きを見る姿勢を貫いており、金融市場で大きな成功を収めてきている著名な人物ほどリスクを感じていることがわかります。

過去の事例から言えばこうした状況では下落相場に順張りでついていくのか、あるいは大底を打ったときに買い向かいで対応するかが成功の手がかりとなるようですが、一気に下げないとなると当座のショートカバーも出やすく、突っ込み売りをすれば一時的に踏みあげられる可能性がある一方で、底値かと思ったらさらに底が抜けるという状況に遭遇することもあり、その見極めは口でいうほど簡単ではないのが実情です。

ドル円でいえば平時でも年間10円程度は動くわけですからここから115円や110円程度にまで下落しても驚くべき状況とはいえません。

官製相場で下値を拾っていればPKOが助けに来てくれる相場に慣れきってしまっただけに同じ経験則で売買を行おうとしている個人投資家が多いようですが、9月相場の下落状況をよく見極めたうえで、タイトストップロスをいれながら慎重に対応したいものです。

今回の中国相場に端を発した大幅下落が世界的な相場暴落の引き金になるのかどうかは依然不明ですが、7年から10年に一度NYダウは暴落を経験しており、そろそろそのタイミングにさしかかっているということだけは厳然たる事実といえるのです。