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ブラジル 各国の情勢

ルセフ大統領退陣要求の大規模デモ発生【ブラジルレアル為替への影響】

3月13日、ブラジルの全土でルセフ大統領の退陣を求めるデモが発生し、その参加者は300万人とも600万人とも言われています。

参考:ブラジルで「歴史的」反大統領デモ、全土で300万人参加(yahoo news)

現在のブラジルは、資源価格の下落とルーラ前大統領が資産隠蔽で訴追され事で、国民には政治と経済の両面で不満が溜まっていて、それが遂に爆発した状況になっています。

特に最大の都市であるサンパウロでは、140万人が参加して混乱となっています。ルセフ大統領の労働党と連立を組むブラジル民主運動党は、今後も連立維持するか30日以内に決定するとして、仮に解消されれば、与党は過半数割れになり、ますます政局が混乱します。

また仮に政権が続いても、支持率は10%程度と言われているので、長期的な展望は難しく政権末期と言え、その結果が経済改革が先延ばしにされる事になりそうです。

デモ発生がニュースとして報道されると、ブラジルの通貨レアルは暴落し、レアル/米ドルは0.2730付近まで値を下げる事になりました。

デモが長期間に渡ると、通貨の下落以外にも経済がますます混乱するとされています。

8月にはリオデジャネイロでオリンピックが開催されますが、無事に行えるのか不安が募る状況で、只でさえブラジル国内は治安が悪い事で有名で、日本の観光客も強盗事件に遭う心配から五輪観光を取りやめる事も懸念されます。

ブラジルレアルの今後の見通しは?

今回の大統領退任デモが鎮静化すれば、今後は五輪がある事から株価と為替は安定すると予想する声もあります。

しかし問題は五輪終了後という事になりそうです。

過去のケースを振り返ると五輪開催国はほぼ例外なく、終了後は株と為替が売られる傾向あります。しかしそれは数ヶ月などの短期的な事で、数年先などの長期的な見通しとなると最近は株価も為替も上昇する事が多くなっています。

イギリスなどは五輪後も株価は上昇し続け、2年後からは一転して下落する動きとなりました。

しかし、これらの動きは世界経済に反映されるので、一概に判断するのは難しいとも言えます。現在のブラジル経済は、インフレに改善傾向が出始め、貿易収支も12ヶ月連続で黒字が続くなど好調となっています。

しかし一方で、失業率は依然高いままで、実質賃金の伸び率も低いままです。これらの事から、米大手債券格付けのムーディーズは、ブラジル債格付けを「Ba2」と2段階引き下げ、この影響で格付け主要3機関の全てがブラジル債を投機的水準に格下げし、見通しも「ネガティブ」にしました。

この「ネガティブ」を言葉の通りとるか、または逆説に捉えるかは判断が難しいです。最近では中国も、先行き不透明という事で「ネガティブ」に引き下げられたからです。ムーディーズの判断の信憑性は意見が分かれるにしても、ブラジル株や債権を今焦って購入する必要はないのかもしれません。

ブラジルの混乱の日経平均株価への影響

大統領退任デモや一連のブラジルの混乱は、直接日本には影響が少ないと思います。新興国のよくある混乱の一つとして見る動きが強く、報道の少なさからしても対岸の火事として見られています。

しかし、今年は11月にアメリカの大統領選挙の本選があり利上げも3回ほど実施されると予想されています。これらが今のブラジルには、深刻な悪影響を与え、それが世界経済に良い影響を与えると考えるのは、無理があります。

利上げは経済を減速させるのが一般的で、それがブラジル五輪後やブラジル大統領辞任後などに行えば、混乱するのは目に見えて分かり、日本の為替が円高に振れて、日経平均も上昇を期待出来無いでしょう。

ブラジルレアル/円の過去最安値は28円台で、最近は30円台となっていますが更なる下落余地が十分あると言えます。

参考:ブラジルレアル今後の為替の見通しについて