FXと外貨預金を金利・手数料で比較【資産運用に適しているのはどっち?】
そもそもFXと外貨預金って何?
漠然とFX取引をしていても、それは「お金儲けの為」という人が大半でしょう。中には私のようなFXジャンキーは、子供や妻の顔は見なくても、チャートを見ないと寝られない人もいるでしょう。
そうなると重症ですが、さらに一段進むとペットの愛犬の名前にも、ドルやユーロと付けてしまいます。私などは、お風呂にもスマホでチャートを確認しています。これは意外にメリットがあって、頭を冷やすには、シャワーがあるので最適の場所なのです。
それでは本題に入ります。
FXと外貨預金の違いについて解説していきます。暫くお付き合い下さい。
FXは説明不要だと思いますが、普段お店で商品を購入するように、FX業者を通して通貨を購入する事となります。そして、状況に応じて売買を繰り返して、大金持ちを目指すというシンプルな競い合いというものです。
個人的にFXで気に入っているのは、学歴や経験、地位や収入など全く関係なく全ての人が同条件で参加できて勝負する所が最高です。
Contents
FXと外貨預金の特徴
FXの特徴は、簡単に言うと以下のようなものです
- 各国の通貨取引
- 博打的要素が大きい
- 株より少額取引可能
- 土日以外24時間取引可能
- 長期投資はスワップポイントという各国金利差が貰える
- 大損する可能性も高い
次に外貨預金についてです。
私を含めて大半の人は、外貨預金とは何? と思っているでしょう。外貨預金とは日本に生活しながら敢えて、銀行の貯金を"円"から、"ドル"や"ユーロ"に変えて預ける事です。
これはマニアックな性癖のようにも見えますが、本質的にはFXに近くて、預けた貯金が減るリスクがあるのは、株や先物など投資と同じような面がありますね。
外貨預金の特徴となります
- 日本は低金利なので、一方外国は一般的に金利が高い
- 円安になれば為替差益発生
- 円高になると損失発生
- 手数料が割高
- 銀行取引なので安心感
他にも諸々ありますが、個人的にはイメージの問題だと思います。FXは株などと同じ投資なので、危険で素人が手を出すものではないと、教えられてきた人もいるでしょう。
しかし外貨預金は大手銀行の真面目なエリート行員が太鼓判を押してくれるので、安全・安心の資産運用だと思ってしまう。しかし、本当は一見安全だと思えるものほど危ないものですよね。
FXトレーダーから見た、外貨預金の問題点
外貨預金に対して、もう少し良いイメージがあったので、調べてみた弱点というか欠点、問題点があまりにも多くて愕然としました。
これはあまり手を出さない方が、賢明でしょう。
例えるなら、FXは若者が行う取引で、外貨預金は年金生活者が銀行の養分となっている様にしか見えません。
銀行はお金を稼ぐ商品を生み出す能力に長けている事が、再認識しました。
外貨預金のデメリット、不可解な点
では、外貨預金のデメリット、不可解な点について項目を上げていきます。
①円安以外儲からない
FXなら買い建て・売り建てがあるので、どんな相場にも対 応可能です。しかし、外貨預金は円高相場になると損失が膨らみます。
②取引レートは1日1回のみ
これも最初知った時は不思議な気分になりました。これだけネットが発達して、ニュース番組でも1日何度も為替相場を紹介するのにレートは1日で1回だけとなります。これは終値、または始値や正午の値で対応していると思いますが、時代遅れの昭和的な対応でしょう。もちろん良い面もありますが、あまりにも銀行側が面倒な手続きを避けているように思えます。
③手数料が高い
FXなら大半の業者が取引手数料無料となっています。スプレッドがありますが、それでも特別なマイナー通貨以外は数銭程度で米ドル/円などは驚くほど安くなっています。
しかし、外貨預金の手数料は高い!です。これは、一瞬自分の計算方法が間違ったのかと、錯覚するほどでした。
ざっくり言うと、100万円を米ドルで1年間預けたとします。これは大手銀行毎に金利や手数料に違いがありますが、仮に預かり時と払い戻し時の米ドル/円がまったく同じ値でも、約2万円ほどの損失となります。
100万円預けて、下ろす時には98万円になるという事です。これが円高に動いたら、さらに損失が膨らみます。これは結構な痛手だと思いませんか?
大手銀行でよくある、片道手数料100銭と言うのは、100万円預けて手数料で1万円取られると思って下さい。これは大概、米ドルの場合が多いので、これがユーロやポンドになると更に割増な法外とも言うべき手数料が取られます。これは多少金利が高くても、それを余裕で上回る損失となりそうです。それこそ、円安に5円ほど動かないと、利益が出ないと思います。
④取引時間が短すぎる
FXは常識のように土日以外は24時間対応しています。これはいつでも取引できると同時に、出入りしやすいメリットと言えます。FXを始めても自分には合わないと思えば、スグに辞める事が可能です。お金を稼ぐ方法は他にもあるので、何もFXにしがみ付く必要ありません。また、大事なお金を別の使い道があるなら、夜中だろうと引き出せば、数日以内で自分の口座に振り込まれています。これが、投資の常識だと思います。
しかし、大手銀行の外貨預金ではこのような行動をとる事ができません。まず、銀行の営業時間でないと対応できないでしょう。
しかし、最近のネットバンクは24時間対応も増えているので、一概に取引時間や対応で不満を挙げる事はできません。大分、FXなどの常識に近づいているのが、ネットバンクの外貨預金です。
コストと金利比較!
少し批判的な記事となっていますが、最近のネットバンク系の外貨預金は、従来の大手銀行の店頭扱いの外貨預金と比較すると、幾分良くなっているのは事実です。
普通預金・大手銀行の金利・円定期預金1年の場合
預け金額によって変動がありますが、
- オリックス銀行…0.2%
- SBJ銀行 …0.15%
- イオン銀行 …0.1%
以上が上位で、因みに日本を代表する最大手のみずほ銀行・三菱東京UFJ銀行・三井住友銀行は0.01%となっています。
外貨預金の金利・米ドル1年の場合
多少の変動はありますが
- 東京スター銀行…1.2%、手数料0.5円
- 新生銀行 …1.0%、手数料0.15円
- 住信SBIネット銀行…1.0%、手数料0.09円
以上が上位3行となります。単純に比較できませんが、金利だけなら6倍ほどの開きがあります。
そうなると、外貨預金に預ける人の気持ちも理解できますね。
しかし、外貨預金には先ほど少し説明しましたが、手数料が発生します。これも簡単に説明すると、手数料1円(100銭)の場合は片道なので2倍取られるとして、100万円預ける と2万円取られて98万円になると想像して下さい。
すると
- 東京スター銀行…100万円預けて手数料1万円
- 新生銀行 …100万円預けて手数料3千円
- 住信SBIネット銀行…100万円預けて手数料1.8千円
となります。ここの金利や為替変動があるので、さらに増減しますが、一見すると東京スター銀行が金利トップで良いイメージを持たれますが、実際には新生銀行がお得となります。
FXの金利・米ドル/円 1年の場合
FXの場合は外貨預金の金利・利息がスワップポイントとなります。これもFX業者によって、そのスワップ値が違いますが米ドル/円の場合は平均すると1日あたり10円~20円程度となります。
仮に15円で計算すると、365日分をかけると約5500円になります。これは最低の1万通貨を建てた計算で、現在の相場では5万円ほどで建てる事が可能です。
まとめると米ドル/円
平均的FX業者…金利10%前後…手数料ゼロ(外貨預金の10倍の利益になります)
普通預金、外貨預金、FXの比較
単純に比較できませんし、それぞれメリットとデメリットがあり一長一短な面もありますが、個人的には
・メリット
FX>>>>外貨預金>>普通預金 となり
・デメリットやリスクは
FX>>外貨預金>>>>普通預金 となります。
FXはメリットも大きいですが、デメリットやリスクも大きく、反対に普通預金はリスクはほぼゼロですが、その分で金利やメリットもほぼゼロとなります。
まあ、普通預金に対して金利や儲けを考えて預けている人は皆無でしょう。
問題なのは外貨預金です。
これは旧来からある大手銀行タイプは問題ありですが、最近のネットバンク系外貨預金は便利で良くなってるのも事実です。
しかし、円高に動けば外貨預金は基本的に大損となります。円安だけが利益になり、さらに預けた時よりも最低でも数円は円安に振れないと元が取れない仕組みになっています。
外貨預金の注意点~誇大広告に騙されない~
以前はFXが悪質業者の問題が表面化していましたが、外貨預金も注意が必要となっています。新規顧客獲得の為、誇大広告のような宣伝で消費者に混乱を与えているとも思えます。
その例として、楽天銀行の下記広告があります。
(画像元:楽天銀行)
この表示自体には問題はありませんが、知識がない人がみたら法外な金利に狂喜乱舞となるでしょう。
年利50%で税引後も約40%です。どれだけ儲かるんだと、頭の中で計算すると思います。
しかし、これは1年間の金利約40%が適用されるのは、赤字で書かれているように1週間だけ、という事です。
さらに南アフリカランドは、FXトレーダーなら常識ですが非常にリスクが高い通貨として有名です。為替変動も激しく、その分で金利も高いのですが、とにかく儲けるには難しい通貨という事です。その事を十分頭に入れておいて下さい。
関連サイト:楽天銀行の南アフリカランド外貨預金の高金利の表現について思うこと。
まとめ FXと外貨預金を比較 資産運用に適しているのはどっち?
FXと外貨預金というのは、似ているようで実は大きく違います。
どちらも資産運用的な面が大きいですが
- より攻撃的な運用…FX
- 守備的で安定運用…外貨預金
となります。
しかし、これはどちらも相場環境が良くて儲けた場合の結果となります。
大半は中々儲ける事が難しいのは、周知の事実です。特にFXは円安、円高に対応できて実はスワップポイントも高金利なのですが、一方で外貨預金は法外な手数料や円安でしか儲けられない、さらに途中で止めると解約金が発生するなどデメリットが多数あります。
楽天銀行のケースにもあるように、高金利を訴える甘い広告も問題ありに感じます。
大半の人は外貨預金に対して、普通預金よりも金利が高い事で興味を持つと思いますが、その落とし穴として、
- 為替変動はFX以上に危険な面が大きい
- 手数料、その他諸々が金利分を吹き飛ばす
- 結果的に元本割れリスク大
これらの要因から、資産運用には適していないように思えてなりません。
FXと外貨預金の二択を迫られたら、FXを少額で低レバレッジの長期投資がおススメとなります。これは先ほど説明した、金利・スワップポイントを安定的に貰えるメリットがあります