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世界経済 中国 各国の情勢

中国の利下げで本当に市場は一息つくのか?株価上昇時期の見通し

2015年8月24日、比較的市場参加者の薄いNYダウのスタート時期を狙って株も為替も猛然と暴落が始まりました。

中国の株下落に端を発する大幅下落は実にオーバーシュート気味に相場を無理やり押し下げた感がありますが、もともと危ないといわれ続けた中国の現状のネタだけでここまで下落する必要があるのかと疑問に思うほどの下げを演じ、かなり戻す形になっています。

25日の夕刻中国人民銀行はまたしても先進国中央銀行の政策を模倣するかのうように利下げを行い、一旦は落ち着きを取り戻したように見えますが、25日のNYダウは後半失速し結局若干の安値で引けています。

確かに大きな下げを経験した直後ですから踏みも投げも伴って市場は疲労困憊といった様相を呈しており、積極的に市場に参加しているプレーヤーも限られているのかも知れませが、果たして今回の暴落劇がこれで終わるのかどうかが非常に注目されるところですし、その判断はまだ早いように見えるのが正直なところです。

ドル円の1日6円暴落は2000年以降4回のレアな事件

ドル円の1日の値幅が6円を超えた動きは2000年以降2回しか実績はなく、24日の値幅(5円78銭)は2000年以降では過去4番目の値幅となっています。最近の日本の個人投資家の逆張り戦略のストップオーダーも対円通貨での値幅を大テクニカルには大台よりも7月8日安値120.41レベルを割り込んだことの方がインパクトが強く、相場のレンジはかなり下がった気配があります。

しかしこれで下押しが終わったのかどうかは正直なところまだわからない状況で9月を考えればもう一段下を想定しておいても悪くはなさそうな雰囲気が漂っています。

なぜここまで市場は中国の状況に怯えるのか?

今回の暴落が中国を起因して起こっているということは全く否定の余地がありませんが、考えてみれば昨年からすでに成長率は3%程度だった可能性もあり、株価が下がってもそれほど大騒ぎする話ではない気がしますが、ここまで市場が怯えている背景には、やはり米国の利上げ自体への不安が漲っていることが考えられます。

8月に入ってからハイイールドボンド市場、つまりジャンク債はエネルギー関連を中心にして既にデフォルトがではじめており、まだ市場から資金が引き上げられていないのにほとんど流動性がなくなっており、売るに売れない、売れば大幅下落というハイリスク、ウルトラローリターンの状況を示現し始めています。また商品相場はすでにリーマン前のレベルに下落し、原油は40ドル割れと、凡人では感じないなにかのリスクをすでに察知しているかのような動きが随所に現れ始めています。

東日本大震災の前にも鳥が騒いだとか地震雲をみかけたといった兆候を察知した人がいたようですが、何の霊感もない我々は直前まで普通に振舞っていたわけで、この金融市場の前兆にも何の関心もなく8月をすごしてきてしまっています。

地震と違って相場の暴落は自然災害ではありませんから、兆候というのはもっとしっかり把握できるはずなのですが、相変わらずこの先の相場がどうなるのかすらよくわからない状態です。しかし米国の利上げによる金融政策の変更が市場に影響を及ぼすのではないかと思っているプレーヤーが多いことが市場に偏重をきたしていることだけはどうやら間違いないようで、このまま終われば取り越し苦労で終わりますが、もう少し高台にいて大津波に巻き込まれないように様子をみる時間を作ったほうがよさそうな状況です。

ローレンスサマーズのツイートが話題に

元米財務長官のローレンス・サマーズは、「1997年、1998年、2007年、そして2008年のように、私たちは非常に深刻な状況の始まりにいる可能性がある」とツイートし、市場では注目されはじめています。決して暴落を待望しているわけではありませんが、中国政府が本格的な財政出動でもしない限り、小手先の金融政策だけではPKOにはならない雰囲気が強くなってきており、今週以降の上海株の動きが収まるのかどうかをもう少し丁寧にウォッチしてから売買を再開したいところです。