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FX基礎知識 MT4

MT4は国内での普及に失敗?啼かず飛ばずの状態が継続中

2017/05/09

鳴り物入りで数年前に国内のFX市場に登場して普及が期待されたメタクオーツ社製のシェアウエアであるMT4ですが、開発に金がかからないということで海外のFX業者の実に8割がこのツールを使っていることから国内にも多くの業者が積極的にサービスを導入しました(参考:MT4が本格的に国内でも普及)が、どうも国内ではこのプラットフォームの普及が進まない状況になってきています。それにはいくつかの理由があります。

まず多くの利用者が期待していた自動売買についてかなりいろいろな障害が発生してしまっていることです。

1.自動売買用にわざわざVPSを借りる必要があること

これは致命的な問題ですが、自動売買をするためにわざわざVPSを借りて自己管理で自動売買を行うというのはかなりの障害です。ミラートレーダーならばストラテジーを業者のサーバーに設定すればパソコンをオフにしても自動売買してくれるわけですが、MT4の場合には完全にその管理はクライアントサーバー側に依存しているところが決定的な違いになってしまっています。

しかもサーバーのレンタル代は年間で2万5000円程度かかりますので、そのコスト負担を考えてもかなりの壁となります。またウィンドウズなどを自分でインストールした場合には自動更新でサーバーが止まってしまうような設定をしますと夜中にすべての取引が止まり悲劇的な結末のなりかねないのです。

メタクオーツ社でクラウドのサービスも海外では提供しているようですが、本来はこの手のものはサーバーの有無とは関係なくネットで設定すれば使えるようになるべきで、そもそもこのロシアの開発業者の発想がかなり遅れているとしかいいようのない状態となっているのです。

2.EAに対する金融庁の厳しい姿勢も大きな障害

サーバー以外にも問題となるのがEA,(戦略)の提供の問題です。無償のEAの配布は問題ありませんが、有償のEAについては金融庁が投資助言業の資格をもたないものの販売はすべて違法としている点が大きなネックになっています。情報教材などでEAを売買しているケースもよく見られますがこれはほとんどが違法販売ということになるわけです。

したがってMT4を導入した業者はEAによる自動売買のことを広告などで訴求したくても具体的な戦略はミラートレーダーのように業者サイドですべてそろえないとどうにもならないため結局まともなプロモーションを出来ず仕舞いになっているのです。

昨年の9月にマネックス証券、そして今年の3月にYJFXがさっさとサービスを止めたのもこのあたりと関係がありそうです。

3.EAの成果に対するベンチマークがまったくないこと

ミラートレーダーの戦略はインヴァスト証券の場合には独自に開発しているようですが、FXプライムなどに登場するものは開発元のトレーデンシー社から提供されているものとなります。したがって自社でバンドルした場合には顧客の利用実績をベースにしてどのぐらいの利益がでたのか、稼働率がどのぐらいあったのかをカウントすることができるので一応バックテストをする以外にも成果を提供することができるわけですが、MT4の場合のEAは完全に顧客が自分でどこかから仕入れてきてバックテストも自分で行うことが前提になってしまうのです。

これも大きな個人負担になってしまい、普及が進まない原因といえます。つまりよほど入れ込んでいない限りMT4を使って自動売買をする人はおらず、自動売買をしないのであれば無理をして裁量取引にMT4を使う必要も感じないということになってしまうのです。

YJFXが5月からはじめたトレードコレクターは優秀なトレーダーのトレード戦略をいったんYJFXが引きとり、会社としての戦略提供の形で利用者に提供するようになっており、金融庁からの指摘をかわしたサービスを立ち上げたといえそうです。やはりMT4にはいろいろと問題があったことを示唆する動きといえます。