ヘッジファンドと為替の関係
為替相場は言うまでもなく、ヘッジファンドの動きによってかなり大きくその相場が左右されることになります。昨年はヘッジファンドが一貫して日本株、厳密には日経平均を先物と現物株で買い上げたので、円建てでの売買のヘッジとして連動してドル円も買い上げられることとなり、日経平均とドル円はリニアに連動して動くこととなりました。
しかし、現状では日経平均との連動よりも米国の10年債利率との連動性のほうが高まっており、動きは昨年とかなり異なり始めています。
その一方で、純然たるヘッジファンドの売買による動きにも影響を受けています。もっとも注目されるのはモデル系ファンドの動きで、このモデル系ファンドとは、端的に言えばテクニカル分析を中心としてコンピュータ売買システムを使って大きな収益を獲得していく短期売買主体のヘッジファンドということができます。彼らはアルゴリズムを多用して、しかも高速売買を主体に市場に責めてきますので、かなり仕掛け的な買いや売りがでることも多く、市場が大きく動くことで利益を確保する輩であるため、通常の動きとは逆行する動きになることもあり、市場では警戒されているファンドの1つともいえます。
ただ、アルゴリズムを使っているファンドといえどもすべての会社が儲かっているわけではなく、やはり流れと異なることをやっているだけに逆ザヤになったりすることもあるようで、利益を確保できずに退場していくプレーヤーも存在するのです。このあたりがFXの面白いところでもあり怖いところでもあるのですが、常に市場をリードしているかのように見えるヘッジファンドでも結果はそれなりに悲喜こもごもということができるわけです。
彼らもボラティリティが下がれば結局儲からなくなるようですし、なにより思っていた方向に為替をリードできないと結局損失を出すことになるようで、ある意味で個人投資家と変わらないところもあるということなのです。
アルゴリズムはアルゴ君などと親しみを込めて呼ばれていますが、とにかく猛威を振るうことだけは間違いなく、裁量取引には見られないような売込み方をしたりしますので、アルゴリズムが積極的に動いていると思ったときにはポジションをとるのはかなり注意をする必要があることだけは間違いありません。ただ、注意をするといっても既に全取引の3割近くをアルゴリズムが支配し始めているようなので注意のしようがなくなるのも時間の問題であり、プライスアクションをかなり注意深く見守る必要がでてきています。