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フランス 各国の情勢

フランス新大統領マクロン氏就任!為替は国民議会選挙の結果次第

5/14日、先週のフランス大統領選挙でルペン氏に勝利したマクロン氏がフランス大統領に就任しました。

今回の選挙は前回「フランス大統領選挙の見通しと為替への影響について」で述べたように、既存の大政党(社会、共和)出身でない、”前進”(選挙後に「前進共和国」に改名)と”国民戦線”といういわゆる弱小政党の大将同士の戦いになったのですが、その結果、議会で議席が無い党の党首が大統領になってしまいました。

ルペン氏の”国民戦線”も一応2議席ありますが、定員577名の議会においてはハナクソ程度の影響力しかないでしょうから、0議席の”前進共和国”の影響力はメクソといったところでしょうか。

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6月11日、18日に国民議会(下院)選挙

そんな状況下で6月11日、18日に国民議会(下院)選挙が行われます。

現在は与党の社会党(とその仲間たち)が340議席を占めていますが、大統領選挙の惨敗っぷりから、相当に議席を失うことと思われます。

支持基盤が限定されつつも一定である、左翼系と環境保護系団体は踏ん張るでしょうが、社会党会派の292議席は安泰ではありえないでしょう。

野党は共和党が199議席、民主独立連合が30議席、その他(国民戦線はココ)が8議席ですね。

共和党も現状より数を減らすことが考えられますから、その減った分を”前進共和国”と”国民戦線
”が奪い合う争奪戦が繰り広げられると考えられます。

フランス国民議会選挙の影響

さて、フランス国民議会選挙は、大統領選挙と同じように2回あります。

1回目で過半数かつ得票有権者数の25%以上を取れなければ、投票率12.5%以上の候補での決選投票になります。

1区1人の小選挙区制です。

マクロン氏は、すべての選挙区に候補者を立てると言っていますが、現在は428人までしか発表されていませんので、締め切りの19日までにどこまで候補者を立てれるか疑問が残るところですし、なんとか候補者と立てられたとしても玉石混合となるのは避けがたいでしょう。

日本でも「刺客候補」とか「××チルドレン」とかで素性の知れない候補者がたくさん出てきたことがありましたよね。

ですから、ある程度の議席数は確保できるでしょうが、過半数(289議席)を上回れるかどうかはまったく不透明といわざるをえません。

じゃあどうすっか、というと、日本でも政権与党が過半数を取れなかった場合に第二、第三勢力の党を仲間に入れて「併せて過半数」って戦法を取りますが、それと同じく最大議席を獲得したトコか主義主張や利害の一致するいくつかの党と連合、連携して「過半数」にするでしょう。

自前で過半数をとれれば、追従してくる連中の意見など無視しても政権運営はできますが、連合となるとそうもいかなくなり、時には政権運営に支障をきたすことが出てくることも考えられます。

大政党と組んだ場合は、結果的にその党の意向を汲んだ方向にならざるをえず、せっかくの大統領の権力を十分に活かせない心配がありますし、合従連衡になった場合でも仲間内の調整に追われてスムーズな政策施工をおこなえず、これも権力の持ち腐れに陥る危険をはらんでいます。

どっちにしても、マクロン大統領は、自分が倒した既成政党に首の根をつかまれる恐れがありますし、閣僚ポジションや政策を巡る内輪モメという泥仕合に転じる可能性も十分にあります。

こうした事態になれば、就任会見で発した「国民の融和に務める大統領になる」という宣言を無実化することになり、 有権者の大統領に対する失望をよぶことになるでしょう。

オランド大統領に愛想をつかしていたフランス国民が、現状打破と新進気鋭の期待をこめて、マクロン大統領を選んだんだと思いますので、マクロン大統領は、任期の5年間はその期待に応えていく必要があるワケですから、その基盤となる議会運営のカギを握る今回の選挙は、就任直後に訪れた最大にして最重要なヤマ場となるでしょう。

前進共和国が過半数の議席を確保できなければ円高へ・・・

とにかく”前進共和国”が単独で過半数かそれに近い議席を確保する事が今回のフランス選挙で注目すべき点です。

確保できればリスクオンとなり、ユーロ圏への投資が再開されるでしょうから、FXのクロス円(特にユーロ、ポンド、スイスフラン)あたりは円安の流れに弾みがつくでしょう。

ダメだった場合は、逆の流れになりますので、最近いくらか持ち直してきた上記通貨が再度売られる事態になると思います。

フランス国民議会総選挙スケジュール まとめ

2017年のフランス国民議会総選挙の日程と日本時間は、
・現地時間
第1回投票:6月11日午前8時~午後8時
第2回投票:6月18日午前8時~午後8時
・日本時間
第1回投票:6月11日午後3時~12日午前3時
第2回投票:6月18日午後3時~19日午前3時
第1回目投票が現地時間の6月11日の日曜日で第2回目投票が次の週の6月18日の日曜日です。

ということで、日本の朝方には大勢が判明します。

来月、6/12と6/19の月曜日のウェリントンオープン時間(日本時間6時)は価格変動に注意が必要ですね。

円高に備えた投資は以下のサイトをご参考ください。
⇒円高に備えた投資としてFXユーロ円売りは正解でした。