今回はメキシコペソについて詳しく分析をしていきます。
結論から先に書けば、メキシコペソは利下げ中ではあるものの、比較的安定した高金利通貨としての魅力があります。ですが、リスクもやはりそれなりにあります。
では、早速見ていきましょう。
メキシコペソの政策金利とインフレ率
メキシコ円のスワップポイントを決める政策金利は7.50パーセントです。
一番高い時は8.25パーセントありましたが、ここ最近の連続利下げで、7.5パーセントにまで低下をしました。
この利下げの理由としては、米中貿易戦争の影響によるリスクを意識した事と、メキシコのインフレ率が安定している事にあります。
図はメキシコのインフレ率ですが、ここ最近は低下しているのが分かります。メキシコ中銀の目標が3パーセント前後らしいので、このあたりなら不景気時にインフレ率と乖離している政策金利を下げる余地があるということです。
インフレ率と政策金利の話をもう少し掘り下げますと、金利には「名目金利」と「実質金利」というものがあります。
名目金利というのは、この場合はメキシコ中銀が発表している7.5パーセントという数字です。
そして実質金利は、名目金利にインフレ率を引いたものです。そしてこちらの数字の方が名目金利よりも金利の実態を表していると言えます。
計算をしてみますと、メキシコの実質的な金利は7.5-3で、4.5パーセントくらいと言えるでしょう(専門家の方から見ると間違った計算かも知れませんが、本質的な意味は抑えているはずなのでこれくらい適当な認識でも大丈夫だと思います)
そして他の通貨も同じように実質金利を計算してみると分かりますが、これはかなり高い数字です。例えばアメリカですと政策金利が1.5〜1.7でインフレ率が1.8ですから、実質金利はマイナス0.3〜0.1です。
日本は政策金利がマイナス0.1パーセントでインフレ率が0.2なので実質金利はマイナス0.3くらいと出来るでしょう(ドルと円は拮抗していますよね。今のドル円の動きの事情の一つです)
勿論インフレ率は変動するのでこれらは大体の数字ですが、メキシコが実質的な意味でも高金利通貨なのはお分かりいただけると思います。また、利下げとはいってもインフレ率も下がっているので、実質的にはそこと相殺されているという意味もあります。
ちなみにですがやばいときのトルコリラはインフレ率が政策金利を凌駕していました。今トルコリラが下がらないのはインフレ率が低下しており、実質金利がそれなりにあるからだと思います。
メキシコペソ円を取引するメリット
先程は理論的な話ですが、ここからは実戦的な話をしていきます。まずはチャートから見ていきましょう。
ペソ円の月足ですが、レンジです。
こちらは日足です。ちょっと上昇トレンドですね。
次はスワップポイントです。
Lightfxが一番スワップポイントが高いみたいですが、一万通貨あたり一日15.1円です。10万通貨なら151円です。単価が低いのでドル円の1万通貨分で20万通貨弱くらい買えます。
今は特別ボラティリティがあるわけでもないので、スワップポイントはかなり付与されると言えるでしょう。
極端な話、このままレンジが続き政策金利も特別下がらなければ、金利でお金が増え続ける通貨ペアと言えるでしょう。
また、メキシコペソの最大の強みはほかの高金利通貨と違い、メキシコが世界最強の経済大国であるアメリカの舎弟であることです。トルコとの最大の違いはそこにあります。
メキシコペソ円を取引するデメリット
これはやはり経済の信頼度がアメリカや日本とは違うことです。
例えばここから金融危機が起きたり本格的な不景気になれば、メキシコペソの資産を持っている人はこう考えるでしょう。
「危ないからドルとか円とかユーロに変えとこ」
まあ大体こうなるので、ペソ安になりそうです。メキシコはユーロは知りませんがドルを通貨として使えるはずなので、尚更です。
まとめ。メキシコペソに投資するべきか?
- メキシコペソは今となっては貴重な高金利通貨です。利下げ中ですが、インフレ率との兼ね合いもあるので(中銀目標の3パーセントを大きく超えると利下げしづらい)まだまだ高い金利をしばらくは維持し続けるのではないかと思います。
- スワップポイントはかなり高く、値動きも低い位置ですが比較的安定しています。ただし何か大きな危機が起こると危なそうにも思います。
結論としては「メキシコペソはこのまま平和な時期が続くのなら、あるいは危なくなった時にすぐ損切りや利確が出来るのなら、買う価値のある通貨」だと言えるでしょう。
少なくともほかの高金利通貨よりは信頼が出来そうです。どれか高金利通貨を買えと言われれば迷わずメキシコペソ円を買いたいです。
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