大震災後に株価が上がる銘柄とは?~建設、インフラ、ゼネコン銘柄に注目~

日本は地震大国です。それは世界でも稀にみない大地震が発生する国なので、一度熊本地震の様な災害が発生すると、日経平均や大型銘柄は売られる傾向になりますが、一方で人気が出て買われる銘柄もあります。

その象徴的なのが土木や建設などインフラ・ゼネコン関連銘柄です。震災発生後、ニュースで報道されるのは、力強いショベルカーなど建設機械が大活躍をしている映像です。

それは復旧・復興への希望の光でもあり、投資家や企業にとってはこれ以上ない宣伝材料になります。過去の震災を振りかえっても、日経平均は下落してもインフラ・ゼネコン関連銘柄は上昇する事が多いです。

今回の熊本地震でも特に地場産業の復興関連銘柄がストップ高になるほど買われています。

その主な企業は、

・若築建<1888>
・西部電工<1937>
・ハイアス&C<6192>

となります。

一方で日経平均の下落や円高懸念、また震災の悪影響を考えて売られる銘柄もあります。それは、

・MS&AD<8725>
・トヨタ<7203>
・HIS<9603>

などです。これらの特徴は、生命保険会社や自動車最大手、そして旅行会社となっています。

しかし、これらは後付けで理由を決める事もできるので、特に値を下げる空売りの判断材料にしない方が賢明です。

操業停止になってしまった大企業の工場

まず熊本県には、意外にも多くの大企業の製造工場があります。ざっと報道されているだけでも、

・ソニー<6758>
・トヨタ<7203>
・ルネサスエレクトロニクス
・三菱電機
・アイシン精機
・日野自動車

などです。これらは工場に被害や生産ラインの停止に追い込まれ、再開の見込みが立っていません。

一つの工場が停止になると、部品供給で支障を来たし他県や他の関連工場も停止に追い込まれます。これは、人件費削減や効率化の生んだ弊害と言えます。

今回は特に、トヨタ系関連企業が大きなダメージを受けたようで、多くの経済ニュースなどで報道されています。今後はトヨタの動きが、一つの判断材料になると思います。

大震災で儲ける事は可能か?

一言で大震災と言っても、過去のケースとは区別して考えるべきです。株や為替では、過去から学ぶ事が重要視されています。確かに人が投資をする行動は、「買う」「売る」だけなのでこれはどんなに時代が変わっても変化しない普遍的なものだとされています。しかし、それを予想するのは非常に困難で結果論だと言い切れます。

例えば、阪神大震災ではオプション取引で大儲けをした人がいます。また東日本大震災では東電など電気株を空売り、ゼネコン関連を買って大儲けした話も聞きました。それが今回の熊本地震にも通用するでしょうか?答えは分かりません。

なぜなら、今回の被害規模や状況を過去と比べるのは無理があるからです。それでも無理やり考えるなら、ゼネコン関連の上昇と、悪材料企業の空売りが鉄板なのかもしれません。

熊本地震後の今後の見通しについて

それにしても日経平均の予想を当てるのは困難です。私は過去の経験からも、しばらくは続落すると思っていました。

しかし、熊本地震発生の翌日は下落しましたが、翌週になると安定し4月19日は大幅反発で終わりました。また、その間の値幅も500円ほどです。もちろん通常なら大きな値幅ですが、これほどの震災を考えるともう少し値幅が動くと思っていました。そして、20日9時半現在では1万7000円を回復しています。

この流れからも、過去を教訓にしても日経平均の流れを予想するのは困難だと痛感しました。人の気持ちは移ろいやすいもので、どんな時でも大丈夫だと思えば、そのような結果になるのです。どんなに何万人が被災して避難生活を続けても、それよりも機関投資家の匙加減で流れが変わってしまいます。

しかし逆に言うと、私は今年は円高で景気も悪く世界的にも悪材料懸念となるイベントが控えていたので日経平均は下落すると予想していましたが、大震災でもここまで持ち直すという事は、今後は上昇して行くかもしれないので、十分期待して良いかも知れません。

関連記事熊本大地震が日経平均に与える影響について

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です