マイナス金利の今、何に投資すべきか?

日銀のマイナス金利政策発表以降、金融市場は大きく動揺し、大幅な株安・円高が進行しました。

銀行預金金利は限りなくゼロに近づき、利息ゼロという時代が来ることも予想されます。では、このマイナス金利時に投資すべき金融商品はどのようなものがあるのか。2つのケースについて考えてみます。

株安のリスクヘッジになる純金積み立て

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金相場チャート(出典:株式会社コルテックス)

マイナス金利の今、もっともおすすめなのが現物資産である「純金積み立て」です。

金は国債の利息や、株式の配当にあたるインカムゲインがないため、独自の値動きをする投資対象です。半面、発行体が存在しないため、業績等に左右されず、倒産リスクや上場廃止リスクもありません。

また、金は世界共通の価値があるので、地政学リスクに左右されないメリットがあります。わかりやすい例でいうと、ギリシャの国債は国家破たんがあれば紙屑と化しますが、ギリシャが保有する金まで価値が下がるということはありません。

先に述べたように、金は独自の値動きをしますので、株式下落時にはリスクヘッジの役割を果たします。上記チャートをご覧ください。年明け以降、株式市場が急落を続けたのとは対照的に金相場は上昇一途のチャートを形成しています。

ただし、金も価格変動商品である以上値下がりのリスクがあります。そこでリスクをより軽減する投資法が純金積み立てなのです。積み立て商品ですので、毎月一定の額を投資します。では、なぜリスクの軽減になるのでしょうか。

例えば毎月1万円を積み立てるとします。ある月1g4,545円の時価だとすると、1万円で2.2g購入できます。翌月金相場が下落し、4,348円になった場合、金価格は安くなりましたが、積立額は同じですので、2.3gと前月より多く購入することになります。

つまり、相場が上昇した場合は少ないg数を購入し、下落した場合は多くのg数を購入できるわけです。この方法なら相場が上昇した場合も、急落した場合も一定のペースで着実に資産を増やすことができます。

これを専門用語で「ドルコスト平均法」といい、昔からリスクヘッジの代表的な投資法として定着しています。

マイナス金利で急落している高配当株に投資する

マイナス金利による相場急落で、もうひとつおすすめしたいのは、高配当株式への投資です。高配当を続け、業績が安定しているにも関わらず、相場全体の急落に連動して安くなっている銘柄は絶好の投資チャンスです。

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「7751 キヤノン」チャート(出典:SBI証券)

例えば、国際優良株の「7751 キヤノン」は、毎年増配を続ける株主還元に積極的な企業として知られています。

キヤノンの2015年12月期の配当予想は1株150~160円です。2月23日の終値は3,298円ですので、150円の配当で計算すると単純利回りは実に4.5%という高利回りになります。

今時、そんな高利回りの金融商品は外債でもめったにありません。

株価急落が招いた思わぬ副産物といって良いでしょう。キヤノンは、カメラや事務機器といった流行に左右されない商品群を有し、国際的にも評価が確立されていますので、業績にあまりブレが生じないのが強みです。

売買単位が100株ですので、約33万円で投資することができます。この場合の年間配当は15,000円ですのでちょっとした小遣いにはなるでしょう。NISA(少額投資非課税制度)にも適した銘柄としてSBI証券も推薦しています。

この場合ポイントになるのは長期保有方針で投資することです。キヤノンは長年保有していれば配当だけでかなりのリターンがありますので、まさにNISA向けの銘柄といえます。

マイナス金利は金融市場には逆風になっていますが、このピンチをむしろチャンスとして生かし、純金積み立てと高配当株式への投資で安定した資産の運用を目指すのも良いのではないでしょうか。

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