新規上場する企業の多くは既存株主に対して、上場直後に株式を直ぐに売却できないように、上場前にロックアップという契約を交わします。
このロックアップは、既存株主が保有している株式を上場日に一気に売却すると株価が暴落してしまい、新規上場企業に損害を与えることになるので、その影響を緩和させることを目的に設定されるのですが、いずれ売却されることに変わりはありません。
その証拠に多くの新規上場企業においてロックアップが外れた、後に株価は大きく下落しています。
そして
「下落することが分かっているのなら、ロックアップを上手く利用して儲けることができるのではないか?」
と考える方もいることでしょう。
実は、このロックアップの解除による下落を見込んだ投資手法はあります。
その方法を、この記事では紹介していきます。
目次
まずは知って欲しい!ロックアップの事
ロックアップは、新規上場企業の既存大株主が保有する株式を売却する条件を定めた契約です。
その内容は
- 上場日から180日間は売却できない
- 上場日から120日間は売却できない
- 公開価格の2倍以上の株価に至ると解除
- 公開価格の1.5倍以上の株価に至ると解除
といった、上場日からの期間と公開価格からの株価上昇率の片方、若しくは両方で条件が定められています。
因みに両方で条件が定められている場合は、どちらか片方の条件を満たせばロックアップが解除されます。
大きな下落が起きやすいのは、公開価格からの株価上昇率でロックアップが定められている場合
上場日からの期間でロックアップが定められている場合は大きな下落は起こり辛いのですが、公開価格からの株価上昇率でロックアップが定められている場合は大きな下落が起こりやすいです。
それは、上場直後の市場の過熱感によって株価が一気に上昇して、その弾みでロックアップが外れる事があるからです。
そして、一度ロックアップが外れると大株主からの売り圧力が巻き起こり株価は降下していきます。
勿論、全ての大株主がロックアップが外れて直ぐに売却するとは限りませんので、公開価格からの株価上昇率でロックアップが定められている全てのIPOで絶対に降下していく!
とは言えないのですが、、、ベンチャーキャピタルが大株主にいる時は高い確率で株価はジェットコースターのように急降下する!と言えます。
ロックアップとベンチャーキャピタル
ベンチャーキャピタルは、新興企業に投資をして投資した企業が上場する時に投資によって得た株式を売却することで利益を得る、というビジネスモデルを行っています。
そのため、ベンチャーキャピタルはロックアップが外れると、直ぐに保有株式を売却します。
これは過去の傾向から明らかです。
そのため
①大株主にベンチャーキャピタルがいて株式を大量保有している
②公開価格からの株価上昇率でロックアップが掛かっている
この2つの条件が揃っているのなら、ロックアップが外れれば、その後株価は高い確率でジェットコースターのように急降下するということになります。
そして、条件を確認することで株価の下落タイミングが予想できるので、条件が揃った時に空売りすれば高い確率で儲かる!
のですが、IPO銘柄は通常空売りができないシステムになっています。
IPO銘柄と空売りの関係
空売りは、取引量が安定している銘柄として証券取引所が認めた賃借銘柄しか行うことができません。上場したばかりで取引量が安定していないIPO銘柄は、余程の大企業の大型売り出し株でもない限り指定されません。
そのため、IPO銘柄は実質空売りができないようになっているのです。だからこそ、株価がジェットコースターのように急降下するのを予想しても、投資家は指を咥えて見ていることしかできませんでした。
しかし、それは過去の話です。
実はSBI証券と松井証券では、独自の空売りシステムを構築し、何と賃借銘柄では無いIPO銘柄も空売りできるようにしたのです。
独自の空売りシステムを持つSBI証券と松井証券
独自の空売りシステムをSBI証券ではハイパー空売り、松井証券ではプレミアム空売りと呼称しています。
この2つの空売りシステムは名前は違えどシステムは中身は殆ど同じです。
まぁ、同じというか松井証券が始めたプレミアム空売りを参考にSBI証券がハイパー空売りを作った!というのが実情です。
大まかに独自の空売りシステムを説明
・賃借銘柄では無い銘柄でも空売りできる
(最大のメリット)
・1日で決済するシステム
(持ち越すと翌日の寄値で強制決算)
・一般的な空売り時に必要な金利、貸株料以外に、手数料が必要
(この手数料は銘柄によって異なります)
この独自の空売りシステムは、1日限りで手数料が高い!という制約がありますが、前述したような急落が予想されるIPOでは有効な投資法です。
因みにSBI証券のハイパー空売りも松井証券のプレミアム空売りも、利用するには事前に信用口座の開設が必要です。
まとめ
昔はIPO銘柄の急降下が予想できても、空売りができなかったので、急降下を見ているだけで何もできませんでしたが、独自空売りシステムを構築する証券会社が現れてからは状況は一変しました。
手数料は掛かりますが、上場後の急降下の条件が揃うIPOでは有効な投資法となるでしょう。
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