今年も「ブラック企業大賞2017」のノミネートが発表されたようです。
内容が内容なだけに一般紙や地上波のニュース番組では取り扱わないであろうこのジャンル。
しかしながら世の中99%が中小企業という日本の実情において雇用された人達が人間らしくイキイキと働いている実体は想像以上に少ないだろうことは容易に想像がつきます。
今年のノミネートされた企業を眺めながら私が経験したブラック体験を再び思い出してみたいと思います。
ブラック企業大賞2017のノミネート企業は?
本年のブラック企業大賞2017のノミネート企業が去る11月27日に発表されました。まずはそのリストをアップ致しましょう。
- NHK
- ゼリア新薬工業
- いなげや
- パナソニック
- 新潟市民病院
- 引越社・引越社関東・引越社関西
- 大成建設・三信建設工業
- 大和ハウス工業
- ヤマト運輸
という顔ぶれです。全部で9つの事業主です。
NHKは本年、女性記者の過労死が公表されました。過重労働を強いられた末の過労死だったようです。まるで昨年の「電通」を想像させる印象です。
私が愛用する「コンドロイチンZS錠」の製造元である「ゼリア新薬」もノミネートされています。何でも新入社員向けの研修中に死亡事例が発生したようです。どうやら過度なパワハラが原因のようですね。
関連記事:コンドロイチンZS錠を飲み続けて10年!膝痛に本当に効果があったのか?
その他の企業については詳しく調べる気もしません。
元々ブラック企業と見なされる要因はほぼ共通していますからね。
- 過重労働
- パワハラ
この2つが大きなウエイトを占めていると思います。
そこでこの2点に絞って私もかつて体験した同じような思いを紹介していきたいと思います。
過重労働の危険性
要するに働かせ過ぎです。労働基準法が規定している週40時間を超えない、というルールを大幅に逸脱する行為です。
週に40時間ということは週休二日制だったと仮定して5日間の稼働で1日に8時間の労働。という事になります。休憩として1時間を差し引けば実質は1日7時間労働という事になります。
ううん、ここが問題ありなのですよね。実際、どんな業界であれ業種であれ1日に7時間だけの労働時間で果たしてその人が受け持っている仕事が成果を出す事ができるのか?
ここが納得できていないと、この問題は永遠に解決しないテーマになるんだと思います。
そもそも仕事の成果は7時間では不可能!?
私は今まで13回以上もの転職を繰り返しました。(詳しくは⇒40代で10回転職を成功させた男の体験記録)
在籍した会社の業種のほとんどは営業や店舗での接客という、利益を直接生み出す仕事ばかりです。
ここで考えていただきたいのですが、会社というのは何もしないで勝手に儲けが出て社員に毎月給料を払えるのでしょうか?
そんな会社、あったら教えて欲しいです。
公務員だったら話は違います。彼らの給料の原資は私たちの税金です。
だから公務員の方たちは国民のために滅私奉公するのが大前提になるんですよね。何も利益を生み出さない仕事に従事される方の、それが大前提なのです。
一方の会社組織。売り上げを上げて儲けを出さないと組織が成り立ちません。
それはどんな業界であっても同じ事です。私が在籍したかつての会社、ペット業界ならペット関連商品をお客様に買っていただかないと売り上げは立ちません。
居酒屋の時は、お店にお客様にお越しいただいてお酒や料理を注文してもらわないとどうにもなりません。
回転寿司の時も同様です。(参考⇒5社目の転職先:回転寿司チェーン その1 面接を突破)
警備会社の時もそうです。(参考⇒4社目の転職先:警備会社)
年間契約で決められた料金に見合ったサービスを提供しないと次の契約の保証はありません。
このように会社組織は「売り上げ」=「儲け」を生み出さないと私たちの給料は支払われなくなるのです。
会社の看板だけで大名商売が出来ればそれでいいでしょうが今は低価格で高サービスをうたった競争は当たり前の時代。そんな事をやっている会社はあっという間に倒産するでしょう。これが会社組織の実情なのです。
ちょっと話が長くなってしまいましたが、要は1日にたったの7時間程度では会社が求めるような売り上げを作れないのが実態だという事です。
短時間で高売り上げを作り出せる業界などほんの一握りです。多くの企業は時間をかけて利益を集める。これが実態なのです。
実際、私がペット業界で仕事をやっていた時は1日12時間拘束は当たり前でした。毎日4時間の残業をやっていた計算になります。それでも同年代の水準の給料には手が届いていませんでした。(参考⇒8社目の転職先:元々の在籍していたペットショップ会社へ)
しかし、もっと休みたいという意識は多少はありましたが長時間労働によって体調を壊すほどの異変は起こりませんでしたねえ。異変が起きる時というのは、時間よりもメンタル面だと私は思っています。
それが次に紹介する「パワハラ」です。
「パワハラ」はブラックの最大危険要因!
ハッキリ言ってパワハラは厄介です。人は肉体的な部分での無理は何とかこなせます。疲れたら睡眠をとったり食事をすることで体力を挽回する事は十分可能だからです。
しかし、パワハラに代表される、人のメンタル面に直接攻撃してくるダメージは、それを受けた事のない人間にとったら致命的なものなのです。精神の破壊は本当に絶望的な結果を招くだけなのです。
私がたったの3日間で逃げ出した会社がありました。東証一部上場の名前を聞けばすぐわかる有名な会社です。運よく転職できたと思った私が意気揚々とした思いでその会社の1日目に行きました。(参考⇒1社目の転職:東証一部建築営業)
ところがそこで待ち構えていたのは、今まで経験したこともない重度な人間性否定の社風と研修でした。
ハッキリ言って軍隊です。
挨拶一つとっても腹の底から張り上げないと怒鳴り散らされます。朝礼時の一斉点呼は今も忘れられません。とても覚えきれない長い文章を思いっきり大声で怒鳴って連呼するのです。もうこの段階で自分はダメだ、と悟りましたね。
パワハラがバックボーンになっている会社は気が休まりません。気持ちがおかしくなっていくのが手に取るようにわかります。過労死やノイローゼは単に長時間労働だけが原因なのではなく、精神的な負担が過度にあるから起こるのだと私は思っています。
そういう意味では、たったの3日間でこの会社を逃げましたが「逃げて良かった…」というのが率直な私の意見です。
もう一度あそこへ行け、と言われても絶対行きません。それならタクシー業界の方がよっぽど楽です。タクシーならばパワハラで精神をやられる可能性は圧倒的に低いですからね。(参考⇒タクシー運転手の生活 タクシードライバーへ転職する道)
ブラック企業はなくなりません
今回は私の経験も踏まえてブラック企業の原因となるであろう特徴
- 過重労働
- パワハラ
について書いて参りました。
本当に悲しい事ですが日本を含めて世界中、このようなブラック企業が消えてなくなる日というのは永遠に来ないと思っています。正解が自由主義の資本主義経済を放棄したならば話は変わるでしょうが現状は大きな変化はまずありえないでしょう。
こうなってくれば私たちのほうでタフな精神力を養っていくしかないのかも分かりません。
昭和の頃は「モーレツ社員」なる言葉が当たり前のように言われていた時期もありました。全てを肯定すべきものでもないとは思いますが歴史は繰り返します。あの時の気概が今再び必要な時にさしかかってきたのかも分かりませんね。
しかし、精神が崩壊する前に逃げることも大事です。
「ブラック企業に入らない方法」も参考にブラック企業対策をしつつ、良き会社に巡り合ってくださいね。
※追記:遂にブラック企業大賞が発表されました!
⇒2017年のブラック企業大賞決まる!あの有名な引っ越し屋さんが・・?
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