トランプ政権のリスク!就任後の2017年米国経済はどうなるか?
あけましておめでとうございます。遂にというか、2017年が明けてしまいました。
今年は経済的にどんな一年になるのか、ワクワクドキドキしてきますが、早くも不安な感じがするのは私だけではないと思います。新年恒例の行事にもなっている、経済界の大物が出席する祝賀パーティーがあります。
テレビ番組「ワールドビジネスサテライト」などで大々的に放送し、大企業の社長などが今年の株価・為替、経済などを予測するアレです。何となく、毎年観てしまっていますが、今年は不安に感じてしまいます。
どの社長さんも「バカの一つ覚え」と言ったら失礼ですが、トランプ新大統領の事ばかり発言しています。
そして、景気的には非常に楽観しています。もちろん新年のリップサービスもありますが、果たして本当に楽観的に構えるだけで良いのでしょうか?
人間とは都合よく出来ているのは、どうしても記憶というのは直近の出来事が鮮明で、過去の不都合/不利益な出来事はマイルドに解釈できます。2016年は後半から一気に円安/株高に動いた事で結果的に良い一年だと思ってしまいますが、一年を通してみると円高で終わっていますし、日経平均は少しだけ陽線となりました。云わば、五分五分のギリギリの展開だったのです。
物事をポジティブに捉える精神は大事な事で、必要以上に卑屈になう事もありませんが、事実を冷静に見る必要はあります。
2017年がどのような一年になっても、為替/FXというのは、買い・売りの両方が出来るので、どっちにしろ大儲け出来る可能性が高いという事です。しがない中年トレーダーとしては、そろそろ大勝したいので、取り敢えず動かない相場というのが退屈で困ってしまうので、トランプになりよりゲーム性が高まったのは、事実ですね。
トランプ政権のスケジュール
2017年の米経済を中心にした、上半期の予定を大まかに紹介します。一年のスケジュールを把握する事は、短期トレーダーはもちろん、長期トレーダにとっては生死を分ける重要な意味があります。
特に2017年はアメリカ新大統領だけでなく、EUを中心に国政選挙が乱立しているので、為替/株価の変動が大きくなる事は、容易に想像できます。去年後半の勢いを楽天的に考えると、さらに大儲け出来ると考えがちですが、相場の世界とはそんなに容易いものではありません。
- 1月6日、米国:12月の雇用統計
- 1月20日、米国:ドナルド・トランプ氏が大統領就任
- 2月1日、米国:FOMC結果発表
- 2月上旬、米国:トランプ大統領の一般教書演説
- 3月15日、米国:FOMC結果発表
- 3月15日、オランダ:議会総選挙
- 3月末、英国:欧州連合に離脱通知
- 4月23日、フランス:大統領選挙
- 5月3日、米国:FOMC結果発表
- 5月7日、フランス:大統領選挙
- 5月中、イラン:大統領選挙
- 5月中、G7サミット
- 6月14日、米国:FOMC結果発表
- 6月中、フランス:下院選
以上が2017年上半期の経済面で影響を与える、主なイベントとなります。
この中で注意が必要なのは、このブログでは何度も言っていますが、米FOMCには気を付けて下さい。アメリカは2017年に数回の利上げを予定しているので、利上げをしてもしなくても、結果がどうあれそこを境に節目が大きく変わる事は、過去の出来事から学習しています。
また、欧州各国の選挙やイランの大統領選挙も見逃せません。これらがアメリカにどのような影響を与えるのか、本当に興味があります。そして、忘れてはいけないのが、日本も衆議院の解散も十分あり得るので、常に頭に入れておくべきです。
これはいつになるのか分かりませんが、安倍総理は勝負師だと思うので、意外な時期に解散しそうですね。これはネットやテレビニュースでも意見が分かれていますが、要約すると5月以降ならいつでも有りそうという気がしてきます。
トランプ新政権発足後の経済変化はどうなる?
現状ではトランプが大統領に決定してからは、ポジティブに受けとめられていますが、問題はそれがいつまで持つのか? という事です。
個人的にちょっと驚いたのは、新年早々も円安が継続すると思ったのですが、米ドル/円が円高に動いています。
これは単なる調整とも言えますが、新年とはご祝儀相場とも言われるほどです。それにトランプほどご祝儀が似合う人もいないでしょう。それなのに、早速円高に動くと何だか波乱の予感がします。
もちろんまだ始まったばかりなので、何とも言いようがありませんが、取り敢えず1月20日の就任式と2月1日の今年最初の米FOMCの結果から、上半期なり一年の予想が出来ます。
もし、この二つのイベントを通過しても円高/株安が継続すれば、新年祝賀パーティーに参加した社長達の予想を覆し、冷や汗だらけの一年となるでしょう。
個人的にちょっと納得出来なかったのは、去年の米大統領選挙で、私の予想が外れたのは言い訳しませんが、僅差で勝ったトランプをまるで圧勝のように報道するマスコミなどです。
投票数で言えば半分以上が反対しているので、そのルールで勝っただけの大統領の経済政策に多くの国民が納得できるのか、という事です。確実に半分が不平不満を言うのが間違いないのです。
さらに2016年はイギリスEU離脱投票、次に米大統領選挙という順番だったので、結果的に円安/株高に動いたのです。これが、もし逆の順番で行われていたら、今のような楽観的な姿勢は出ていないでしょう。
リストとリターンの考察
日経平均を年間ベースで観察していると、2012年から2016年までは5年連続で陽線となっています。
これはとんでもなく素晴らしい事と同時に、日経平均が実体経済を示す事が出来ない、云わば限界を自ら証明したものでもあります。普通に考えると、日経平均が上がれば景気が良くなり、人々の給料が増えて貯金も税収も増えると思いますが、そんな事はありません。
逆に年々悪化し、国の借金も増えています。だから、国の経済の指標というか目安を日経平均だけで判断するのは、終わりだという事です。しかし、幾ら日経平均が実体を反映していなくても、それを上手に利用してお金を稼ぐのが一流トレーダーです
(記載元:GMOクリック証券)
トランプ政権が本格始動する2017年は、どのようなリスクとリターンがあるのか考えてみます。これはFXブログですが、個別株取引を行っている人も多いでしょう。そうなると、日経平均の動きは重要ですが先ほども書いたように、今年も日経平均が上がるのは無理がある気がします。
もちろん、確率や統計学では計り知れないものがあるのも事実ですが、そう何年も連続で上昇するのは、正しくない行動に見えて仕方がありません。
トランプ政権のメリット…
- 中部白人層の漠然と何かしてくれるのでは、という期待感
- 大企業、大金持ちへの優遇措置
- ドル高路線
- 利上げ期待
- 減税、インフラへの期待感
トランプ政権のリスク…
- 都心部庶民の不満高まるのでは
- 過剰な愛国主義
- ドル高持続可能か?
- 多くの人々に根強い経済不安感
- 減税、インフラ以外の経済対策
ざっと挙げると、表裏一体のようなメリットとリスク(デメリット)が浮かびます。
他には、原油価格の下落も期待されているようですが、これも必要以上に下がると株価下落の要因になります。
個人的に中年トレーダーの視点で言うなら、
- 長期投資は最低限度の投資金
- 損切の徹底
- リスク管理、分散投資
などが一層必要となります。
去年後半のような持っているだけで、右肩上がりは期待しない方と良いと思います。
上がるにしてもジグザグで、もうダメだと思ったら一気に上がるというジェットコースター的になると思います。
それはトランプ政権もありますが、2017年はあまりにもイベントが多いから、必然的にそのような相場になるでしょう。
まとめ
長々と書いてきましたが、不安感ばかりを煽っても仕方がありません。私は占い師でもなければ、敏腕トレーダーでもありません。単なる空き缶のような存在で、性格の良さそうな一流ホームレスに拾われるのをいまか、いまかと心待ちしているだけの存在です。
まずは、一月と二月の相場を見て、そこから判断して良いでしょう。ここで想像以上に上げるなり、下がれば、これは今年は波乱の一年となり得ます。去年はベッキーや清原の問題が、一年を引っ張って報道されたように、どうしても最初の印象や影響は後々まで引っ張るものです。逆転の発想なら、トランプ政権で相場を乗り切れたら一流の仲間入りを果たせるかもしれませんね?