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ECBに端を発する世界通貨安戦争第二幕

6月に入って、かねてからドラギ総裁が公言してはばからなかったECBによる金融緩和策が正式に発表されることとなりました。実際前評判での織り込みが大きかったこともあり、発表後は買い戻しも大きくなり、今後これがどのような方向に動いていくことになるのかは注目される状況ですが、ドラギ総裁からは引き続き金融緩和策を追加していく可能性が高いことも示唆されているため、上値追いはかなり限定的な状況となることが予想されます。

こうしたECBの緩和措置はとりもなおさず金利低下による通貨安政策のさらなる継続を目論んでいることは確かであり、米国もテーパリング継続期間中から終了後を含めてかなり金利の上昇を抑える方向に動いていこうとしていることから、世界的な先進主要国の通貨安戦争が再発しつつあると見る向きも少なくありません。

この中で気になるのが日本円に対する影響であり、基軸通貨であるドルが安くなり、その次に取引ボリュームの大きなユーロも安くなるとなってきますと、結果として回りまわって日本円買いにつながり相対的な局面から円高に触れる可能性も全く無くなったわけではない状況となっているのです。

今のところ日本円を支えているのは、原発の停止による代替エネルギーの購入による慢性的な貿易赤字化ですが、これも原発再稼動などが決まれば、あっという間に赤字が解消する部分もあり、日本円がこのまま円安方向に動くかどうかは微妙な情勢になってきているともいえます。

つまり、主要通貨の相対的関係の中で、円の位置関係が変わる可能性もまだ十分にありうることを示唆しているといえるわけです。こうした状況はテクニカル的な分析では理解できない要素をはらんでおり、ファンダメンタルズにも注視していくことが必要となります。

もちろんスキャルピングのような世界ではファンダメンタルズを気にして取引をすることはできませんが大きなトレンド形成の一要因としてこうした部分を気にしておく必要がありそうな相場状況となってきているのです。

昨年までの比較的しっかりとしたトレンドを伴ったドル円の上昇は今年に関する限りは、すんなり継続するものとは思えず、今後の骨太の成長戦略に対する市場の評価を含めて下押しの波乱もある程度意識しておいたほうがいいのが現実的な状況といえそうです。相変わらずドル円はドルが上昇傾向にあると見ている投資家は多くなっていますが、まったく別のシナリオというものも意識しておいたほうがよさそうな市場状況です。