南アフリカランドが暴落中！7.3円台に！今後の見通し、展望について
2016/11/02
２０１６年１月に入ってからの南アフリカランドは、１ZAR＝７円７４銭から現在、７円３０銭台を目指して、一直線に下がっている状況です。このまま行くと、年内には５円、６円台を目指すような勢いの下落の勢いです。
（ZAR/JPYチャート）
現在のこの南アフリカランドの値下がりの原因は、ドル、ユーロの下落につられた、「連れ安」の部分もありますが、この南アフリカランドの下落の勢いのすごさは、それだけでは、説明がつかないと思います。
ドルに対しての投資家の不安指数を表す「VIX」についても、１８～２０の間を行き来している状態で、投資家心理状態も悪いものではないようですので、北朝鮮の核問題が終息をすれば、この「ドル安」については、おそらく一か月程度で、上昇基調に戻るのではないかと思います。
しかし、この南アフリカランドだけは、どうやらまだ下落の余地は残されてるようです。
南アフリカランドの下落の原因は？
この南アフリカランドは、世界の金融危機と言われた「リーマンショック」後の２００８年１０月に「７．６２円」をあっさり、割っているなど、下落の勢いがすごく強い状況が昨年の年末から続いております。
これは、世界情勢に連動しているのではなく、この南アフリカランドの内部の情勢に問題があるようです。
現在、南アフリカランドの状況は大変混乱していると言ってもよいでしょう。
年末には、ズマ大統領に対する「経済運営」に対する懸念が広がっており、辞任をもとめるデモが広がりました。また、財務相についても、１２月の最初に「ネオ」を解任。その後、ファンルーヤを指名したが、その後、南アフリカランドは、急落。再度解任し、２日後にはゴーダン氏を再指名しました。
このゴーダン氏は、２００９年～２０１４年の間に財務相を務めており、優秀な人物として、評価されていたようです。同氏が就任した１２／１３以降は、一時期ランドは２００８年以来の高騰となったようです。（その後、急落しましたが。）
また、現在のこのズマ大統領は、昨年、自宅を建てるのに、２４億円の税金をつぎ込むなど、大変評判が悪いようです。その為このズマ大統領の政策に対してのデモがかなりの頻度で起きております。この国のトップが変わらない限りは、本格的な南アフリカランドの上昇は期待できないのではないのかと思います。
このように少しの猶予も見ないで、簡単に財務省のトップを解任、再指名をするような不安定な国に、高く評価する投資家はいないでしょうし、このズマ大統領の運営能力は、世界的にもいまだに疑問視されている状態が続いているもようです。
また、南アフリカランドの失業率は、２５％を超えており、この雇用状況なども改善が図られない限りは、南アフリカランドは更に安値を追い続ける状況になるのではないでしょうか。
南アフリカランドの今後の展望
南アフリカランドは、２０１５年１１月に政策金利を６％から６．２５％に利上げしております。通常であればこの利上げは、通貨価値を高める為、その後は上昇するものですが、このランドについては、逆に値下がりをしています。その為、今後もこの政策的な「利上げ」を実行したところで、大きな値上がりは期待できないでしょう。
また、中国との経済関係がここ数年で拡大していたことにより、中国株の最近の値下がりは、これから影響が徐々に出始めると思います。
そうなると、過去この「南アフリカランド」の値動きを見ると、悪い材料に敏感に反応し、大きな下落が起きる可能性がかなり高くあるのではないかと思います。
下記の表は、２０１３年～２０１５年の各通貨の米ドルに対する暴落率ですが、この南アフリカランドは、暴落率が高いことがわかります。それだけ不安定な通貨であり、いつデフォルトの状態になってもおかしくない状態だと思います。
尚、これは余談ですが、１９８０年台の時は、この南アフリカランドは、１ZAR＝３００円台の時もありました。それだけ値動きの激しい通貨であることがわかると思います。
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急落時こそFX レバレッジをかけない堅実投資が効果を発揮
南アフリカランド円はスワップ金利が高くFXでも人気の通貨となっています。急落リスクはあるものの、利回り換算すると５～６％にもなるので、リスクに対応したリターンをえることができます。
とはいえ、今回の急落で多くのランドトレーダーがロスカットされてしまったことでしょう。
ただ、レバレッジをかけずに堅実投資をしていた場合はむしろチャンスで6.5円台といった安値で買うことができています。南アフリカランドのような高スワップ通貨は為替差益を取りに行くというよりかは、いかに長期保有しスワップを得れるか、そして、1年～2年スパンで為替が大きく上がってきたときに為替差益もとれるかが重要になっていきます。
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